日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_上西 幸司
上西 幸司
(ウエニシ コウジ)
UENISHI Koji



生年 1970年 出身地 兵庫県
現職 東京大学大学院工学系研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Engineering, The University of Tokyo)
専門分野 破壊動力学
略歴

1993年
1995年
1995年
1997年
1998年
2000年
2000年
2004年
2006年
2007年
2012年

東京大学工学部卒
東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
オーストリア・ウィーン工科大学力学研究所研究員
博士(理学)の学位取得(ウィーン工科大学)
神戸大学工学部助手
神戸大学都市安全研究センター助手
日本学術振興会海外特別研究員
熊本大学教養教育(実施)機構非常勤講師(現在に至る)
神戸大学都市安全研究センター助教授
神戸大学自然科学系先端融合研究環都市安全研究センター准教授
東京大学大学院工学系研究科准教授(現在に至る)

授賞理由
「固体破壊の動力学に基づいた地震災害発生機構の解明と破壊制御手法の開発」
(Studies on the Generation Mechanism of Earthquakes Based on Fracture Dynamics of Solids and the Development of Controlled Fracture in Solids)

  上西幸司氏は、岩盤に存在する断層面などで成立する破壊動力学の観点から、地震発生機構を解明し、構造物の破壊に至るまでの一連の過程を理論、数値解析、実験を組み合わせた研究により明らかにした。
  断層破壊による地震発生機構については既に多くの研究があるが、実験と理論による破壊伝播速度には大きな乖離があった。上西氏は、破壊源が不安定化するための普遍的条件を見出し、新しい高速破壊理論を提案した。その理論を実験で実証するとともに、高精度の破壊・波動伝播シミュレーションツールを開発した。その結果、過去の震災で想定外とされた強震動発生時の構造物被害の発生過程を矛盾なく説明することが初めて可能となった。
  また上西氏は外的要因によって構造物に衝撃的に発生する波動の特性を破壊源の移動速度と音速の比に基づいて解明し、震災時の構造物の被害メカニズムを明らかにした。そして更にこの理解に基づき、新たな視点でシミュレーションツールを開発した。
  以上のとおり、上西氏の研究対象は、破壊力学のみならず、地震工学、地盤工学、土木工学などの多分野にわたり、研究成果は社会の防災減災に大きく貢献するものであり、今後の更なる発展が期待される。

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