日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_渡部 森哉
渡部 森哉
(ワタナベ シンヤ)
WATANABE Shinya



生年 1973年 出身地 福島県
現職 南山大学人文学部 教授
(Professor, Faculty of Humanities, Nanzan University)
専門分野 アンデス考古学
略歴

1995年
1997年
2001年
2001年
2003年
2004年
2006年
2010年
2015年

東京大学文学部卒
東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了
東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学
日本学術振興会海外特別研究員
日本学術振興会特別研究員-PD
博士(学術)の学位取得(東京大学)
南山大学人文学部講師
南山大学人文学部准教授
南山大学人文学部教授(現在に至る)

授賞理由
「古代アンデスにおける複雑社会の研究」
(A Study of Complex Societies in the Ancient Andes)

  渡部森哉氏は、スペイン人到来前のアンデス地帯において興亡を繰り返した諸社会の複雑な動態と構造の特質について、膨大な量の考古学資料を詳細に分析し、それを文化人類学の理論的枠組みで体系化することで、初めて明確なモデルによって説明することに成功した。
  アンデス社会の構造を分析する際の注意点は、タワンティンスユ(四つの部分)という名称が示すように四分制が重要であり、かつ同時に三分制が機能していたということである。これに対して渡部氏は、遺跡と石彫の図像の分析から「四面体モデル」を導きだし、これによりインカ王権やアンデスに共通する構造が解読できることを示した。さらに長期のタイムスパンでアンデス文明を捉え、インカ帝国の成立を「振り子モデル」により説明した点も重要な成果である。
  このように考古学、歴史学、文化人類学にまたがる幅広い視野で、帰納法と演繹法の双方を駆使して、古代アンデスの複雑社会の構造に関する画期的な理論モデルを提示した渡部氏の研究は、アンデス考古学の国際的な発展に大きな貢献をなした。

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