日本学術振興会賞

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_太田 淳
太田 淳
(オオタ アツシ)
OTA Atsushi



生年 1971年 出身地 福岡県
現職 広島大学大学院文学研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Letters, Hiroshima University)
専門分野 インドネシア史
略歴

1993年
1996年
2000年
2002年
2003年
2005年
2005年
2006年
2008年
2012年

早稲田大学第一文学部卒
早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC
早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学
日本学術振興会特別研究員-PD
博士(文学)の学位取得(ライデン大学)
ラトガース大学歴史学研究所客員研究員
シンガポール国立大学人文学部ポストドクトラル・フェロー
中央研究院人文社会科学研究中心助研究員
広島大学大学院文学研究科准教授(現在に至る)

授賞理由
「近世近代インドネシア地域社会の全体史的研究:環境、国家、イスラーム、外来商人・移民、グローバル経済の影響」
(Total History of Indonesian Local Society in Early-Modern and Modern Ages: Impact of Environment, State, Islam, Outside Merchants, Migrants, and Global Economy)

  太田淳氏は、「東南アジア諸地域は、15世紀末に始まる大航海時代以降ヨーロッパ諸国が進出するなかで、政治・経済・社会などの諸側面において停滞していった」という通説を、多様な現地語文書を含む膨大な一次資料を総合的に分析することによって覆し、近世・近代アジア史の理解を刷新して世界のグローバル・ヒストリー研究に大きく貢献した。
  本研究は、18世紀におけるバンテン王国(ジャワ島、スマトラ島)を主要な研究対象とし、一見「衰退」にみえるこの時代の同王国について、自然環境、国家形態、イスラームの影響、外来商人や移民の役割、グローバル経済の受容のありかたなど、多様な視角から分析を加え、地域有力者層の勢力拡大や、中国市場を志向した民間貿易の広がりなど「地域社会のダイナミズム」が息吹いていたことを明らかにした。
  太田氏は、歴史をグローバルかつ全体史的に把握しようとする近年の世界的な研究動向のなか、高い水準で資料の調査と分析を行い、バンテン王国の社会歴史構造を明晰に分析している。また、国際的にもすでに大きな貢献をしており、さらなる研究の進展を期待することができる。

第12回(平成27年度)日本学術振興会賞受賞者一覧へ戻る