日本学術振興会賞

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_濱野 吉十
濱野 吉十
(ハマノ ヨシミツ)
HAMANO Yoshimitsu



生年 1972年 出身地 広島県
現職 福井県立大学生物資源学部 准教授
(Associate Professor, Department of Bioscience, Fukui Prefectural University)
専門分野 応用微生物学
略歴

1996年
1998年
1998年
2002年
2002年
2002年
2003年
2007年
2008年
2011年

西東京科学大学理工学部卒
富山県立大学大学院工学研究科修士課程修了
サノフィ・サンテラボ臨床開発部
富山県立大学大学院工学研究科博士課程修了
博士(工学)の学位取得(富山県立大学)
アリゾナ大学博士研究員
福井県立大学生物資源学部助手
福井県立大学生物資源学部助教
福井県立大学生物資源学部講師
福井県立大学生物資源学部准教授(現在に至る)

授賞理由
「微生物が生産するホモポリアミノ酸の生合成メカニズムの解明」
(Biosynthetic Mechanism of Homopoly Amino Acids Produced by Microorganisms)

  微生物が生産するペプチド化合物は、多種類のアミノ酸を原料として生産されるため、その組合せによって創り出される化学構造と生理活性は多様である。これらの化学構造は、リボソームによって合成される通常のペプチドとは異なり、非リボソーム型ペプチド合成酵素(NRPS)と呼ばれる微生物特有の多機能酵素によって導かれる。一方、ある種の微生物は、1種類のアミノ酸だけから構成されるペプチド(ホモポリアミノ酸)を生産することが知られているが、その合成メカニズムについては長く未解明のままであった。
  濱野吉十氏は、放線菌が生産するホモポリアミノ酸である抗菌物質「ε-ポリ-L-リジン」、および抗生物質ストレプトスリシンの「β-リジンオリゴペプチド構造」について、その合成酵素を発見し、新しい生合成メカニズムを解明した。これらの酵素はこれまでの常識を覆す原始的なNRPSであった。この研究成果は、シンプルな構造であるホモポリアミノ酸を合成するための新たな遺伝子ファミリーの存在を示す画期的な発見といえ、将来は「ポリアミド系バイオプラスチック」の創製や医薬分野への応用に繋がる独創的な基礎研究である。今後、同氏の更なる研究の発展と世界をリードする研究者への成長が大いに期待される。

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