日本学術振興会賞

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_中村 和弘
中村 和弘
(ナカムラ カズヒロ)
NAKAMURA Kazuhiro



生年 1975年 出身地 大阪府
現職 京都大学学際融合教育研究推進センター 准教授
(Associate Professor, Center for the Promotion of Interdisciplinary Education and Research, Kyoto University)
専門分野 生理学
略歴

1997年
1999年
1999年
2002年
2002年
2002年
2005年
2006年
2009年
2013年
2014年

京都大学薬学部卒
京都大学大学院薬学研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC
京都大学大学院薬学研究科博士後期課程修了
博士(薬学)の学位取得(京都大学)
日本学術振興会特別研究員-PD
オレゴン健康科学大学博士研究員
日本学術振興会海外特別研究員
京都大学生命科学系キャリアパス形成ユニット特定助教
京都大学生命科学系キャリアパス形成ユニット講師
京都大学生命科学系キャリアパス形成ユニット准教授(現在に至る)

授賞理由
「体温中枢が体温調節効果器に指令する中枢神経回路機構の解明」
(Study of the Neural Mechanism that Controls Thermal Homeostasis)

  寒い時に熱を産生したり暑いときに放熱する体温調節は生命の維持に重要な恒常性調節である。これまでは、温度調節に関わる脳内部位についてはわかっていたが、末梢臓器が感知した温度情報をどのようにして温度調節中枢に伝え、交感神経の活動を制御して体温を一定に保つのか未解決だった。中村和弘氏は、モデル動物を用いて、皮膚の温度受容体が受容した暑い・寒いという温度の情報が脳幹にある中継核の異なる神経細胞群を介して視床下部視索前野にある温度調節中枢に伝わることを明らかにした。さらに、伝わった温度情報が温度調節中枢内の回路を調節して、交感神経に熱を産生する指令を出している延髄縫線核への出力を切り替える仕組みを明らかにした。この経路は暑い・寒いという“感覚”を伝える経路とは異なる体温の恒常性を保つための脳内回路であり、さらに、感染したときや精神的なストレスに晒されたときに体温が上昇することにも関与していることが明らかになった。このように中村氏の研究成果は、体温調節という生命維持のための恒常性を保つために脳が末梢の温度によって指令を切り替える仕組みを明らかにした重要なものであると評価される。

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞受賞者一覧へ戻る