日本学術振興会賞

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_佐藤 豊
佐藤 豊
(サトウ ユタカ)
SATO Yutaka



生年 1969年 出身地 東京都
現職

名古屋大学大学院生命農学研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Bioagricultural Sciences, Nagoya University)

専門分野 植物分子遺伝学
略歴

1993年
1995年
1997年
1998年
1998年
1999年
2000年
2002年
2003年
2008年
2013年

名古屋大学農学部卒
名古屋大学大学院農学研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC(1998年からPD)
名古屋大学大学院生命農学研究科博士課程修了
博士(農学)の学位取得(名古屋大学)
日本学術振興会特別研究員-PD
日本学術振興会海外特別研究員
名古屋大学生物分子応答研究センター助教授
名古屋大学大学院生命農学研究科准教授(現在に至る)
科学技術振興機構さきがけ研究員兼任
文部科学省研究振興局学術調査官兼任

授賞理由
「小分子RNA経路を介した植物の胚発生とゲノム進化機構の解明」
(Studies on Plant Embryogenesis and Genome Evolution through the Action of Small RNA Pathways)

  佐藤豊氏は、作物として重要なイネの生産性を左右する茎葉の源となる茎頂の構築に関わる因子をイネの突然変異体を用いて解析したところ、遺伝子発現を制御する新しい分子として近年注目を集めている小分子RNAが茎頂の形成に必須であることを明らかにした。この現象は双子葉植物であるシロイヌナズナでは観察されなかったので、小分子RNAを介した制御はイネのような単子葉植物特有の現象と考えられる。さらに佐藤氏は、この研究を端緒にイネの小分子RNAの網羅的解析を行い、ゲノムの寄生者であるトランスポゾンを抑え込むための宿主機能に対抗する新しい小分子RNAを見いだした。この発見は、宿主のトランスポゾン抑制機構に対抗する寄生者側の戦略の存在を明らかにした初めての例であり、イネゲノムの多様化における小分子RNAの役割を示したものといえる。佐藤氏のイネを材料とした一連の業績は、RNAによる成長調節や生産性向上に資する画期的な成果であるとともに、ゲノム進化に示唆を与える基礎科学としても高く評価され、今後も一層の発展が期待される。

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