日本学術振興会賞

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_井垣 達吏
井垣 達吏
(イガキ タツシ)
IGAKI Tatsushi



生年 1970年 出身地 岡山県
現職

京都大学大学院生命科学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Biostudies, Kyoto University)

専門分野 発生遺伝学
略歴

1993年
1995年
1995年
2000年
2003年
2003年
2003年
2003年
2004年
2007年
2009年
2011年
2012年
2013年

岡山大学薬学部卒
岡山大学大学院薬学研究科修士課程修了
キョーリン製薬中央研究所研究員
日本学術振興会特別研究員-DC
大阪大学大学院医学系研究科博士課程修了
博士(医学)の学位取得(大阪大学)
東京大学大学院薬学系研究科博士研究員
イエール大学医学部研究員
ヒューマンフロンティア・サイエンスプログラム長期フェロー
神戸大学大学院医学研究科特命助教
神戸大学大学院医学研究科特命准教授
科学技術振興機構さきがけ研究者兼任
神戸大学大学院医学研究科准教授
京都大学大学院生命科学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「細胞競合によるがん制御の遺伝学的研究」
(Genetic Study for Cell Competition that Regulates Tumorigenesis)

  多細胞生物においては、同じ組織の中でも、生体内環境への適応度が高い細胞が低い細胞を積極的に排除する、細胞競合という現象が知られていた。井垣達吏氏は、ショウジョウバエ遺伝学を用いて、細胞競合における細胞間相互作用の分子基盤と、それを介したがん制御の解析を行ってきた。井垣氏は、上皮組織中で細胞極性が壊れた変異細胞(がんの元になる細胞)が生じると、その変異細胞は近接する正常細胞に囲まれ排除されるという、内在性がん細胞抑制機構が存在することを示した。すなわち、正常細胞が細胞競合によって細胞極性を失った変異細胞を細胞死に導き、排除する分子機構の一端を明らかにした。さらに井垣氏は、細胞競合の破綻によって引き起こされる、細胞間協調によるがん細胞の増殖・悪性化機構の一端を解明した。井垣氏の研究成果は、細胞間コミュニケーションを介したがん制御の遺伝学的研究という新たな研究フィールドの開拓に貢献しており、今後も独創的な研究の発展が期待できる。

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