日本学術振興会賞

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_中辻 知
中辻 知
(ナカツジ サトル)
NAKATSUJI Satoru



生年 1973年 出身地 京都府
現職 東京大学物性研究所 准教授
(Associate Professor, Institute for Solid State Physics, The University of Tokyo)
専門分野 固体物理学
略歴

1996年
1998年
1998年
2001年
2001年
2001年
2003年
2006年
2007年
2012年

京都大学工学部卒
京都大学大学院理学研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC(2001年からPD)
京都大学大学院理学研究科博士課程修了
博士(理学)の学位取得(京都大学)
日本学術振興会海外特別研究員
京都大学大学院理学研究科講師
東京大学物性研究所助教授
東京大学物性研究所准教授(現在に至る)
科学技術振興機構さきがけ研究員兼任

授賞理由
「強相関電子系における新しい量子物性の開拓」
(Exploration of Novel Quantum Phenomena in Strongly Correlated Electron Systems)

  物性物理学においては、近年、巨視的物性に現れる量子現象が広く注目を集めている。中辻知氏は、強い電子間相互作用に由来した量子効果を発現する「強相関電子系」を対象に、新物質の開発と先端的な物性測定を連携させた実験研究を展開し、幾多の画期的な新物性を見出した。また、新規イッテルビウム化合物を合成、この物質が広い温度領域で「量子臨界現象」を示すことや、イッテルビウム化合物としては初めての重い電子系超伝導を示すことなどを明らかにした。さらに、「幾何学的フラストレーション」を有するパイロクロア化合物において、カイラル量子スピン液体状態と呼ばれるユニークな状態の存在を示唆する新しい電子輸送現象を見出した。新物質の合成を興味ある物性現象の発現につなげることは容易ではないが、中辻氏は、優れた物理的洞察に基づいた物質開発戦略のもと、新概念の創出につながる物質を次々と見出し、量子物性研究の発展に大きく貢献した。

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