日本学術振興会賞

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_諏訪部 浩一
諏訪部 浩一
(スワベ コウイチ)
SUWABE Koichi



生年 1970年 出身地 東京都
現職 東京大学大学院人文社会系研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Humanities and Sociology, The University of Tokyo)
専門分野 米文学
略歴

1994年
1997年
2002年
2004年
2004年
2006年
2007年
2007年
2010年

上智大学文学部卒
東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学
博士(英文学)の学位取得(ニューヨーク州立大学)
東京学芸大学教育学部講師
東京学芸大学教育学部助教授
東京学芸大学教育学部准教授
東京大学大学院総合文化研究科准教授
東京大学大学院人文社会系研究科准教授(現在に至る)

授賞理由
「アメリカ近代小説研究」
(Study on the Modern American Novel)

  諏訪部浩一氏は、アメリカ近代小説をめぐる研究において、文学研究と文化研究を架橋する先端的な国際的にも優れた業績を数多く積み重ねている。
  ニューヨーク州立大学に提出し高評価を得た大部の博士論文を短縮して出版した最初の著書『ウィリアム・フォークナーの詩学』は、アメリカ近代文学の最重要作家フォークナーの全盛期の作品における社会的テーマの深まりを、純粋芸術的な初期作品に対する自己批評の軌跡として論じたものである。そこでは<他者>としての女性表象から複雑な「現実」を深いレベルで扱うフォークナーの文学的な達成が説得力をもって明らかにされており、ジェンダー批評的問題設定を通過して初めて獲得しうる視野の広い鋭い洞察は瞠目に値する。第2作目の『「マルタの鷹」講義』では、大衆小説と見なされてきたハードボイルド小説が文学研究の題材として挑戦的に取り上げられ、ジェンダー理論などを援用しながら、精緻に読み解かれている。
  上記2作を含め諏訪部氏の業績はどれも、文学研究者の社会的責務に自覚的であろうとする真摯な姿勢をうかがわせており、諏訪部氏が今後アメリカ文学研究のみならず人文学研究全体の発展に、インパクトのある重要な貢献を果たしていくことが期待される。

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