日本学術振興会賞

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_堤 康央
堤 康央
(ツツミ ヤスオ)
TSUTSUMI Yasuo



生年 1969年 出身地 大阪府
現職 大阪大学大学院薬学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Osaka University)
専門分野 薬物送達学、薬物動態学、毒性学、ナノ科学
略歴

1991年
1993年
1994年
1994年
1997年
1998年
1999年
2004年
2005年
2008年

大阪大学薬学部卒
大阪大学大学院薬学研究科修士課程修了
大阪大学大学院薬学研究科博士課程中退
大阪大学薬学部助手
博士(薬学)の学位取得(大阪大学)
大阪大学大学院薬学研究科助手
アメリカ国立衛生研究所外来研究員
医薬食品衛生研究所大阪支所基盤研究第二プロジェクトチーム副プロジェクト長
医薬品基盤研究所基盤的研究部創薬プロテオミクスプロジェクトプロジェクトリーダー
大阪大学大学院薬学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「蛋白質医療のためのバイオ・ナノ技術と高分子化学を融合した薬物輸送の最適化システムの開発」
(Development of Innovated Drug Delivery System for Protein/Peptide Therapy)

  病因タンパク質が特定できれば、各種の病気に有効な医薬品をピンポイントで開発することができる。一方で、蛋白質/ペプチド医薬品は、安定性や安全性の見地から生体内では求めるような効力を発揮できない場合がしばしばある。堤康央氏は(1) 抗体を利用した独自の網羅的蛋白質解明技術を活用した種々の疾患特異的蛋白質の同定と体内分布等の解明、および (2) ナノ技術を用いた薬物や遺伝子の送達制御が可能な高分子キャリアーの創製や、独自のタンパク質間相互作用技術を用いてペプチド・抗体・サイトカイン(細胞から放出される細胞間情報伝達タンパク質)の高機能化技術の確立を行ってきた。そして世界に先駆けて2型TNF(腫瘍壊死サイトカイン)レセプターとTNF複合体の構造解析に成功し、自己免疫疾患等の治療薬開発のための基盤情報の抽出や、抗腫瘍活性を持つ人工蛋白質やワクチンキャリアーの開発を行った。これらのアプローチにより、治療の難しい乳がんや悪性中皮腫などに対して、疾患特異的関連蛋白質をターゲットとした薬物輸送戦略を展開し、着実に成果をあげている。これらの革新的な開発技術を利用した研究成果はドラッグデリバリーという創薬分野の推進に大きく貢献している。

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