日本学術振興会賞

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_大西 康夫
大西 康夫
(オオニシ ヤスオ)
OHNISHI Yasuo



生年 1968年 出身地 大阪府
現職 東京大学大学院農学生命科学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The University of Tokyo)
専門分野 応用微生物学
略歴

1991年
1993年
1995年
1996年
1996年
1997年
2002年
2007年
2010年

東京大学農学部卒
東京大学大学院農学系研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC(1996年からPD)
東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了
博士(農学)の学位取得(東京大学)
東京大学大学院農学生命科学研究科助手
東京大学大学院農学生命科学研究科助教授
東京大学大学院農学生命科学研究科准教授
東京大学大学院農学生命科学研究科教授(現在に至る)

授賞理由
「放線菌の遺伝子発現制御機構と二次代謝産物生合成に関する研究」
(Studies on Regulation of Gene Expression and Biosynthesis of Secondary Metabolites in Actinomycetes)

  カビのように菌糸状に生育し胞子を着生するという高度な形態分化を示す細菌である放線菌は、抗生物質などの有用な二次代謝産物を生産する産業上重要な微生物である。その二次代謝産物生産と胞子形成に関わる遺伝子群の発現は、細胞分化の一環として厳密に制御されているが、具体的な分子機構の多くは未知であった。
  大西康夫氏は、ストレプトマイシン生産放線菌において胞子形成と抗生物質生産を同時に誘導する微生物ホルモンによって直接制御される唯一の遺伝子を同定し、その遺伝子産物がこれらの形質に関わる多数の遺伝子のスイッチをオンにすることを明らかにした。たった1つの制御因子により数百もの遺伝子のオンオフが直接制御されることで細胞分化のプログラムが動き出すという発見は、微生物における細胞分化の制御機構研究に新しいパラダイムをもたらした。さらに大西氏はこうした細胞分化のプロセスで誘導される新規酵素を多数見出してきた。中でもユニークな反応を触媒するベンゼン環合成酵素の発見とこれを利用した高性能バイオプラスチック原料の微生物生産は特筆すべき成果である。
  このように大西氏は基礎・応用の両面で独創的な成果をあげており、今後の研究の発展が大いに期待される。

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