日本学術振興会賞

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_木村 崇
木村 崇
(キムラ タカシ)
KIMURA Takashi



生年 1975年 出身地 和歌山県
現職 九州大学大学院理学研究院 教授
(Professor, Graduate School of Sciences, Kyushu University)
専門分野 スピントロニクス
略歴

1997年
1999年
2002年
2002年
2002年
2005年
2007年
2009年
2009年
2013年

大阪大学基礎工学部卒
大阪大学大学院基礎工学研究科修士課程修了
大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了
博士(工学)の学位取得(大阪大学)
理化学研究所フロンティア研究システム研究員
東京大学物性研究所助手
東京大学物性研究所助教
九州大学稲盛フロンティア研究センター特任教授
九州大学稲盛フロンティア研究センター教授
九州大学大学院理学研究院教授 (現在に至る)

授賞理由
「革新的純スピン流制御法の開発とナノスピンデバイスへの応用」
(Development of Innovative Manipulation Method for Pure Spin Current and Their Application for Nano-Scaled Spin Devices)

  現在のエレクトロニクスでは、電子の流れ(電流)の制御に加え、「スピン」と呼ばれる電子自身が持つ二値自由度の制御が重要で、その制御を通じて得られる新しい機能を活用した素子開発が活発に行われるようになった。特に、電子自身を運ばずに(したがって古典的な電流はない状態で)スピンのみを運ぶ電子の流れ「純スピン流」を用いた素子開発は、重要な研究分野を形成している。木村崇氏は、この純スピン流の生成や注入に関し、革新的かつ具体的な研究成果を挙げている。
  木村氏は、純スピン流を用いて微細磁性体の磁化反転が可能であることを実証し、その概念を決定づけた。また、オリジナルなデバイス構造を発案し、これを用いて電場からスピン流を生成するスピンホール効果や、スピン流から電場を発生する逆スピンホール効果を実証し、これら現象の理解を決定的なものとした。
  世界をリードする木村氏のこれらの研究成果は、当該分野の発展に極めて大きな意義を持つと同時に、純スピン流を用いた素子を具体的に実証していく研究姿勢から、更なる発展が期待できる。

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