日本学術振興会賞

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_河野 行雄
河野 行雄
(カワノ ユキオ)
KAWANO Yukio



生年 1974年 出身地 福岡県
現職 東京工業大学量子ナノエレクトロニクス研究センター 准教授
(Associate Professor, Quantum Nanoelectronics Research Center, Tokyo Institute of Technology)
専門分野 ナノエレクトロニクス、テラヘルツ波工学
略歴

1996年
1998年
2000年
2001年
2001年
2001年
2005年
2006年
2009年
2011年

東京大学教養学部卒
東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC
東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了
博士(学術)の学位取得(東京大学)
東京大学大学院理学系研究科助手
科学技術振興機構さきがけ研究者兼任
理化学研究所基幹研究所研究員
理化学研究所基幹研究所専任研究員
東京工業大学量子ナノエレクトロニクス研究センター准教授(現在に至る)

授賞理由
「テラヘルツ電磁波の画像化技術とその物性研究への応用」
(Study on Terahertz Imaging Technologies and their Use in Solid State Physics)

  周波数が光と電波の中間にあるテラヘルツ電磁波は、光学的な計測手法が利用できることから非破壊検査や宇宙観測などの分野で利用が始まっている。しかし通常の光に比べ、光子エネルギーが2桁以上小さいことから、その検出は困難であった。
河野行雄氏は、半導体量子構造や、カーボンナノチューブやグラフェンなどの炭素系ナノ材料を用いて、テラヘルツ波の超高感度な検出器を開発すると同時に、それを物性特性評価に応用し、当該分野の研究を進展させた。
  河野氏は、半導体内に存在する2次元的に広がった電子ガス内でテラヘルツ波を吸収させ、その変化をカーボンナノチューブにより読みだす方法により、検出器として究極的感度である単一光子検出に成功した。また、この手法を2次元検出に拡張した近接場テラヘルツ波イメージングデバイスを実現し、世界的にも大きなインパクトを与えた。
  河野氏はさらに、この検出方法を2次元半導体系における量子ホール効果などの特性評価に用い、ミクロな量をテラヘルツ波で観測するという新たな計測手段を確立した。これらの成果は、生命科学などこれまでテラヘルツ波が利用されていなかった領域への波及など、今後のさらなる発展が期待される。

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