日本学術振興会賞

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_陰山 洋
陰山 洋
(カゲヤマ ヒロシ)
KAGEYAMA Hiroshi



生年 1969年 出身地 島根県
現職 京都大学大学院工学研究科 教授
(Professor, Graduate School of Engineering, Kyoto University)
専門分野 無機固体化学
略歴

1993年
1995年
1998年
1998年
1998年
2003年
2007年
2010年
2010年

京都大学理学部卒
京都大学大学院理学研究科修士課程修了
京都大学大学院理学研究科博士課程修了
博士(理学)の学位取得(京都大学)
東京大学物性研究所助手
京都大学大学院理学研究科助教授
京都大学大学院理学研究科准教授
京都大学大学院工学研究科教授(現在に至る)
京都大学物質-細胞システム統合拠点連携教授(現在に至る)

授賞理由
「低温合成法を用いた機能性遷移金属酸化物の開発」
(Development of Functional Transition Metal Oxides by Low-Temperature Synthetic Methods)

  新しい遷移金属酸化物の創製は、固体の革新的な機能の実現の鍵となる。陰山洋氏は、金属水素化物を用いた低温還元法により、無機化学の常識を覆す平面四配位構造を形成する鉄酸化物の合成に成功し、高圧での強磁性金属状態など磁性・伝導性に関わる様々な新しい性質を発見した。また、ありふれたチタン酸化物に負の電荷をもつ水素を大量に取り込ませることに成功し、この水素が低温でも拡散できることを示した。さらに、低温イオン交換法により得られた二次元磁性体に新しい量子現象を見いだした。これらの新しい性質は、伝統的な高温合成法により得られる酸化物では実現不可能であり、新しい機能性物質群を創るための道筋を与える重要な研究成果である。
  このように、陰山氏は、独自の方法により合成した遷移金属酸化物に様々な新しい機能性を発見し、化学分野だけでなく物質科学全般に大きなインパクトを与える研究を展開している。無機材料化学を先導する研究者の一人として、更なる発展、貢献が期待されている。

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