日本学術振興会賞

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_太田 慎一
太田 慎一
(オオタ シンイチ)
OHTA Shin-ichi



生年 1978年 出身地 宮城県
現職 京都大学大学院理学研究科 准教授
(Associate Professor, Graduate School of Science, Kyoto University)
専門分野 微分幾何
略歴

1999年
2001年
2003年
2003年
2003年
2003年
2006年
2007年
2009年

東北大学理学部退学(飛び級制度により修士課程入学)
東北大学大学院理学研究科修士課程修了
日本学術振興会特別研究員-DC
東北大学大学院理学研究科博士課程修了
博士(理学)の学位取得(東北大学)
京都大学大学院理学研究科助手
日本学術振興会海外特別研究員
京都大学大学院理学研究科助教
京都大学大学院理学研究科准教授(現在に至る)

授賞理由
「測度距離空間上の幾何解析」
(Geometric Analysis on Metric Measure Spaces)

  図形の曲がり具合で図形の性質を言い表す数学が微分幾何学である。たとえば、地球上で円を描くとその直径と円周の長さの比は円周率より少し小さくなるが、その小さくなり具合を見ることにより、地球が丸いこと、その大きさなどがわかる。地球上でたとえば気圧、熱といった量の分布を数学的に調べることが、地球上の幾何解析に相当する。とくに地球の表面のような滑らかな曲面を表現する「リーマン多様体」上の幾何解析は、19世紀以来多くの人々により活発に研究されてきた。測度距離空間とは、リーマン多様体の条件を満たすとは限らない、より一般的な空間を指すが、太田慎一氏はこのような空間を研究し、(1) 滑らかさをもたないアレクサンドロフ空間上の幾何解析に革新的手法を導入した。また、(2)フィンスラー空間(たとえば地球上北半球では西行きの飛行機は偏西風により東行きより時間がかかるように、方向によって動きやすさが異なるような空間)に対して適切な曲がり具合を定義し、空間の性質を調べる手法を確立した。太田氏の業績は、これらの研究に大きなブレークスルーをもたらすものとして高く評価される。

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