日本学術振興会賞

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について

第10回(平成25年度)日本学術振興会賞受賞者

photo_島村 一平
島村 一平
(シマムラ イッペイ)
SHIMAMURA Ippei



生年 1969年 出身地 愛媛県
現職 滋賀県立大学人間文化学部 准教授
(Associate Professor, School of Human Cultures, The University of Shiga Prefecture)
専門分野 文化人類学、エスニシティ研究、現代モンゴル研究
略歴

1993年
1998年
2004年

2004年
2005年
2005年
2005年
2010年
2011年
2013年

早稲田大学法学部卒
モンゴル国立大学大学院社会学研究科修士課程修了
総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程単位修得退学
国立民族学博物館講師(研究機関研究員)
奈良大学社会学部非常勤講師
京都外国語大学外国語学部非常勤講師
滋賀県立大学人間文化学部専任講師
博士(文学)の学位取得(総合研究大学院大学)
ケンブリッジ大学社会人類学部客員研究員
滋賀県立大学人間文化学部准教授(現在に至る)

授賞理由
「現代モンゴルにおけるエスニシティとナショナリズムに関する研究」
(Studies on Ethnicities and Nationalism in Modern Mongolia)

  島村一平氏は、モンゴルのマイノリティであるブリヤート人に着目し、そのエスニシティ(民族的帰属意識)やナショナリズムについて、文化人類学の立場から精密に解明した。のべ6年間にわたる現地調査に基づいて、島村氏は、宗教(シャーマニズム)の再構築、チンギス・ハーンをめぐる言説、大衆音楽などの多彩な視点からこの問題を考究し、社会主義体制崩壊後、空洞化したモンゴルの精神文化の再興過程を明確にした。
  その研究は、モンゴル社会の現状分析にとどまらず、これまで不分明だったシャーマニズムの動態変化や現代的展開をも解明した。それにより、シャーマニズムが、国境とか経済体制といった枠組みを越えた新しい共同体の構築に寄与すること、さらには、混迷と不安の現代世界を導く可能性を秘めていることをも、活き活きと示しえた。じつに独創的で壮大な射程をもった研究である。
  さらに、島村氏の国際情報発信力が極めて高いことも特筆される。イギリス学会誌への論文掲載、フランスでの学会招聘などもあいつぎ、主著『増殖するシャーマン』の英訳本およびモンゴル語での出版計画も進んでいることから、国際的舞台でのさらなる飛躍も期待される。

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