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人文・社会科学振興プロジェクト研究事業
  • テーマ名
  • 定住外国人の子どもたちの現状と将来

  • 開催日
  • 平成 20 年 11月 22日 (土 )

  • 開催会場
  • 神戸勤労会館

  • 住所
  • 神戸市中央区雲井通5丁目1−2

  • 実施の様子
  • 定住外国人の子どもたちの現状と将来――生活と教育を中心に

    樋口大祐さん(神戸大学教員)の司会のもとに20名余の参加者が報告や討論を行いました。

    まず、愛知県の小中学校で外国人生徒の教育について助言・サポートをしている右田マリアナ春美さんは、数人の生徒の事例を紹介し、たとえば「外国人には小学校での学習は権利かもしれないが義務ではないので、日本人に(義務教育として)重点を置く」、「"郷にいれば郷に従え"という観点から指導を行う」などの学校側の態度から外国人生徒に大きな負荷がかかり、満足な学校生活を送れていない状況を生々しく報告しました。

    次に、「兵庫県の学校教育における外国人児童生徒の現状と課題」について樋口正和さん(兵庫県教育委員会人権教育課)は、実情を紹介し兵庫県と各市が協力して「国際理解」「多文化共生」のプログラムを多様に進めていることを報告しました。志岐良子さん(神戸定住外国人支援センター)は、支援センターでベトナム人、中国人など30数人の子どもたちに日本語や教科の教室を開いていること、学校では先生方が「忙しくて・・・」となかなか外国人生徒の個別相談までは手がまわっていないこと、昨年から高校進学生への奨学金給付の取り組みをしていることなどを話しました。

    エレーラ・ルルデスさん(こうべ子どもにこにこ会)は、10人ほどのペルー、アルゼンチン、ブラジルの子どもたちに日本語や算数、国語のサポートをしているが、図書館にスペイン語やポルトガル語の資料が少ないこと、母語教育が遅れていることなどを話しました。榎井縁さん(とよなか国際交流協会)は、大阪府での外国人生徒の高校進学率は90%近くまでになり、特別枠の高校が5校あり、中国人の常勤講師(「民族教師」)や日本人教師の加配があるなど進んでいるが、現知事のもと予算の大幅削減でその継続が危ぶまれていることの説明をしました。藤原純子さん(トッカビ)は、ベトナム人の子どもたちへの母語教室活動の展開と、それを通じて子どもたちが誇りと居場所をもち、未来への可能性をふくらませてくれるように努力していることを語りました。

    討論に入り、県、市や学校でどのような研修が行われているのか、愛知県のサポーターの数や権限は小さすぎるのではないか、大阪府の「民族教師」の積極的な役割など学校現場の状況を中心に質疑が行われました。また、「多文化共生」の名の下に進められている活動は外国人の子どもたちを日本の生活に適応させるという方向性が強すぎるのではないかという疑問、大阪府の先進的な高校での外国人教育が予算削減で危機に瀕しているとき、NPOとして「なんとか支えなくては」という思いと「タダでやらされるのは悔しい」という気持ちの葛藤があるという苦悩が出されました。全体として、参加者のほぼ全員が発言しましたが、行政の関連部門、教育現場、NPO、外国人の子どもたちと保護者・地域の連携をどのように強めていくかが焦点となりました。