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人文・社会科学振興プロジェクト研究事業
  • テーマ名
  • 市民が担う多彩な<協働>は発展しているのか?

  • 開催日
  • 平成 20 年 11月 1日 (土)

  • 開催会場
  • 東亜ホール(神戸中華会館内)

  • 住所
  • 神戸市中央区下山手通2丁目13番9号

  • 実施の様子
  • 市民が担う多彩な<協働>は発展しているのか? ――被災地KOBE、13年余の経験を踏まえながら

    松本誠さん(市民まちづくり研究所)の司会のもと、合計30名余の参加者が報告や討論を行った。

    まず、大西光夫さん(NPO法人ボランタリーネイバーズ)は「愛知県における市民活動の連携的展開」の報告を行った。ボランタリーネイバーズの活動内容を紹介しながら、市民活動団体と県の間で2004年に「ルールブック」が作られ、県の職員(2年目の)200人が2週間のインターンシップで市民活動に参加するなど大きな前進があること、これから市民活動をさらに発展させるには実業OBの知恵と力が大切であることなどが示された。

    それを受けて、「参画と協働の枠組みはこの10年間でどのように変わってきたのか?」のテーマで討論を行った。発話者の野崎隆一さん(神戸まちづくり研究所)は平成13年から3年間の「NPOと神戸市の協働」についての論点と問題を紹介、垂水英司さん(元・神戸市住宅局長)は「市民による問題解決」がとくに95年の大震災以降期待されたが、80年の中曽根「アーバンルネサンス」の開発型の基層を今なお崩せていないことを指摘、村井雅清さん(被災地NGO恊働センター)は大震災が「必要なことは自分たちでできる」ことを教えてくれた、その原点からもう一度現在の問題状況を見直そうと提言、磯辺康子さん(神戸新聞社編集委員)は市民のエネルギーが「身体で感じる」なかから溢れ出て「生活再建支援法」などを実現させ、ネットワークも広げていると指摘した。

    参加者を含めた討論では、行政は地域における「総意の証明」を求めてくるが果たして「参画と協働」を基本的にどう考えているのか、自治会など地縁系団体と市民活動団体との連携も必ずしも容易ではないが、形ではなく「合意形成のプロセス」こそが重要であることを行政、自治会、市民活動団体が認識すべきであること、などが論点となった。

    休憩ののち、「参画と協働の担い手の主体的状況とこれからの課題」というテーマで、市民活動に携わっている比較的若い方の話題提供があった。藤室玲治さん(神戸大学震災救援隊)、北村頼生さん(NPO法人ブレーンヒュマニティ)、村上桂太郎さん(たかとりコミュニティセンター)が、豊かな活動経験を紹介した。ボランティア活動だけではなく、いろいろな地域イベント・テーマイベントを企画し楽しみながら活動することの大事さ、しかし若者にとって4,5年は多様な経験ができて素晴らしい場であるが、生活を支える収入基盤が弱すぎて長期的に働けないところに大きな問題があること、が議論された。

    最後に、地域とNPOの交流、連携がコミュニティビジネスの展開などによっていろいろ生まれ始めていること、個々のNPOのミッションは明確だとしても、NPO総体のミッションやこれからの課題があいまいであること、が出された。

    市民と行政、市民の間の<協働>の問題は、日本社会の先端のテーマであるだけに課題も多いが、各所に発展している事例も出てきていることがわかり、この経験と意見の交流会はとても有意義なものとなった。