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人文・社会科学振興プロジェクト研究事業

プロジェクト研究の成果

プロジェクト研究一覧表

研究領域 1
Project Number 1-2

プロジェクト研究名:

「失われた10年」の克服—日本の社会システムの再構築—」

グループ名:

日本的品質管理の検証

リーダー名(所属):

加登 豊(大学院経営学研究科・教授)

組織構成:

加登 豊 神戸大学大学院経営学研究科・教授 研究全体を統括
安酸 建二 流通科学大学・情報学部・准教授 品質管理専門誌のコンテンツ分析
島 吉伸 近畿大学・商学部・准教授 品質管理専門誌のコンテンツ分析
吉田 栄介 慶応義塾大学・商学部・准教授 自動車リコール原因分析
近藤 隆史 長崎大学・経済学部・准教授 自動車リコール原因分析
梶原 武久 神戸大学大学院経営学研究科・准教授 日本的品質管理の逆機能・機能不全の分析
坂口 順也 関西大学会計専門職大学院准教授 管理会計領域における品質管理研究のレビュー
河合 隆治 桃山学院大学・経営学部・准教授 管理会計領域における品質管理研究のレビュー
新井 康平 神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程2年 生産管理研究のレビュー、プロジェクト事務局

日本企業(海外工場を含む)における品質管理に関する調査、高品質企業構築セミナーおよび「逸品」ものつくり経営塾の運営は全員が従事する

平成19年度の研究成果

日本的品質管理の現状分析

  • テキスト・マイニングによる品質管理専門誌のコンテンツ分析を実施した。ただし、分析結果は、まだ公表できる水準に到達していないため、プロジェクト終了後になるが、さらに研究を進め、公表する予定である。
  • 管理会計領域での文献調査に加えて、環境問題、新製品開発、企業内教育・研修に関する文献調査を実施した。その結果は、『国民経済雑誌』の管理会計特集号(2008年6月刊行予定)に収録されることになっている。これまでに実施した管理会計および品質管理の領域での知見を総合するとともに、これらに環境問題と企業内教育・研修に関する研究を融合し、高い品質レベルを維持するための教育・研修、新製品開発、コスト・品質・環境のトレードオフの解消のための仕組みに関する分析フレームワークを構築した。また、このフレームワークに基づく教材と研修プログラムに基づく実証実験は、第II期「逸品」ものつくり塾の「収益力向上プロジェクト」の一環として実施予定である。
  • リコール情報分析
    自動車産業のリコール情報分析は、吉田栄介および近藤隆史論文に記述されている。
  • 聞き取り調査の実施
    本年度も聞き取り調査を継続実施した。「高品質企業構築セミナー」「「逸品」ものつくり経営塾」「サイエンスカフェ」参加企業のみならず、他の機会に出会った企業関係者に対しても調査を実施した。リコール情報分析との突合せ作業を通じて、日本企業の品質管理の現状を把握する活動を行った。とりわけ、品質・環境・コストのトレードオフ、品質管理教育・研修、品質管理知識の組織内伝承の仕組みに注目した。また、品質に関連する法令および企業不祥事に関連した法令について、法律専門家から多くの知見を得た。
  • アクション・リサーチ アクション・リサーチを引き続き実施した。この研究を通じて得られた知見を実際に適用・分析することを通じて、高品質維持のためのマネジメント・ポリシーやそれに基づくサンプル教材およびモデル研修プログラム作の作成を行った。
  • 連続ワークショップの開催・研究成果の公表
    学融合・産学融合を図るためには、研究結果の報告、他分野の研究者および実務家との濃密なインターアクションが不可欠である。したがって、ワークショップはその場を提供するという意味で、きわめて重要な役割を演じることになる。一昨年度7月から月一回開催している「高品質企業構築セミナー」を継続して実施した(全22回)。昨年度との比較では、より多くの実務家やコンサルタントへの参画を呼びかけ、研究のみならず、研究成果の社会貢献方法に関するアドバイスを得た。東京大学のCOEプロジェクト(リーダー:藤本隆宏)とのコラボレーションの可能性についての打診を行い、モノつくりセンター所属の実務家との協働についての合意を形成し、本年度は二名の実務家からの報告を得た。また、日常的に、研究者と実務家が接触できる環境の整備を行うことが必要と考えている。あわせて、NPO法人現代経営学研究所内に「経営品質研究所(仮称)」の設置が可能かどうかの検討を引き続き行っており、その成果の一つとして「逸品」ものつくり経営塾の創設を行った。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

高品質企業構築セミナーを本年度も連続開催し、日本的品質管理の現状に関する意見交換を、参加者を交えて実施した。平均的な参加者数は25名程度である。開催場所は、神戸大学経営教育センター(大阪・中之島)である。これらを通じて、日本企業は、ほぼ例外なく、深刻な品質問題に直面していることを本年度も確認した。また、本年度は、品質確保のために必要な能力やシステムに関する研究成果の社会還元と最新実践事例の報告にも取り組んだ。また本年度で当該研究プロジェクトに対する日本学術振興会からの資金的支援が終了するが、本研究の重要性を鑑み、高品質企業構築セミナーの趣旨を包含する製品開発マネジメントに関する研究会である「逸品」ものつくり経営塾を開設した(初回は神戸大学、以降は、神戸大学経営教育センターで実施)。現在、参加企業は19社であり、毎回45名程度の参加者で実施されている。また、3月12日に、消費者問題専門家会議との共催でサイエンスカフェを開催し、約100名の参加を得て、これまでの研究成果の社会還元活動を行うとともに、品質問題についてのこれからの取り組みについて、意見交換を行った。

2007年4月25日
高品質企業構築セミナー第17回全体会議  「アンケート調査にみる日本的品質管理の実情と課題」
2007年5月30日
高品質企業構築セミナー第18 回全体会議 「品質管理研修プログラムと研修教材作成プログラムについて」
2007年7月25日
高品質企業構築セミナー第19回全体会議 「組織能力と品質:戦略論における品質の位置づけ」「組織能力と模倣困難性」「製品アーキテクチャとは何か」
2007年9月26日
高品質企業構築セミナー第20回全体会議 「完璧品質をつくり続ける生産方式 〜品格ある経営への考察〜 いすゞの海外ものつくり経営を通して」
2007年11月8日
「逸品」ものつくり経営塾第1回全体会議 「ものつくり経営の要諦」
2007年11月28日
高品質企業構築セミナー第21回全体会議 「スーパードライの成功を支えたアサヒのものづくり: アサヒビールの品質」
2007年12月13日
「逸品」ものつくり経営塾第2回全体会議 「ものつくりの精神」
2008年1月10日
「逸品」ものつくり経営塾第3回全体会議 「環境に配慮したものつくりと環境管理会計の可能性」
2008年1月30日
高品質企業構築セミナー第22回全体会議 「品質コストに関する最近の研究動向」「日本学術振興会品質管理プロジェクトの最終報告に向けて」
2008年3月8日
独立行政法人日本学術振興会人文・社会科学振興プロジェクト研究事業シンポジウム「人生を楽しくデザインしよう!―個人が拓く社会のかたち」(ベルサール九段)
2008年3月13日
「逸品」ものつくり経営塾第4回全体会議 「技術力を価値に変える戦略」

<飛び出せ人文・社会科学 津々浦々学びの座 実施状況>
下記のように実施した。

2008年3月12日
サイエンスカフェ「社会問題の核心にせまる−消費者活動を通じた品質問題・食品偽装事件の撲滅(東天紅) 参加者約100名

論文、著書等:

河合隆治「バランス・スコアカードによる業績連動型報酬制度の運用」『企業会計』第59巻第4号,108-113頁,2007年4月。

加登豊・大浦啓輔・新井康平「現代管理会計研究の方法論上の特徴と諸問題:Zimmerman論争をめぐって」『国民経済雑誌』第196巻第2号,1- 18頁,2007年8月。

梶原武久「品質コスト・ビヘイビアに関する実証研究:X工場におけるケーススタディ」『会計プログレス』第8号,35-48頁,2007年9月。

新井康平「標準原価計算の機能:生産管理会計の機能」『六甲台論集』第54巻第2号,27- 42頁,2007年9月。

清水信匡・加登豊・坂口順也・河合隆治「設備投資マネジメントの実態調査(1)(2)(3)」『企業会計』第59巻第8号,105-111頁,2007年8月、第59巻第9号,66-73頁,2007年9月、第59巻第10号,80-87頁,2007年10月。

吉田栄介「管理会計の組織プロセスへの影響:ダイナミック・テンションの創造に向けて」『三田商学研究』第50巻第1号,19-32頁,2007年10月。

坂口順也「組織間管理会計研究の進展と構成要因への注目」『立命館経営学』第46巻第4号,117-130頁,2007年11月。

近藤隆史「わが国における自動車リコールと原価企画との関係」『経営と経済(長崎大学)』第87巻第3号, 137-168頁,2007年12月。

松尾貴巳・大浦啓輔・新井康平「卸売業におけるABC導入事例研究」『会計』第172巻第6号,41- 53頁,2007年12月。

梶原武久「「品質コスト」にみる日本的品質管理の現状と課題」『会計』第172巻第6号,54-67頁,2007年12月。

近藤隆史(2007)「わが国における自動車リコールと原価企画との関係」『経営と経済(長崎大学)』第87巻 第3号, 137-168頁。

大浦啓輔・新井康平「経営企画部門のクラスター分析:欧米企業の動向と日本企業の現状と課題」『Business Insight』第15巻第4号(No. 60, Winter),20- 33頁,2007年12月。

加登豊・大浦啓輔・新井康平「わが国の管理会計研究論文におけるサーベイ研究の特徴と諸問題」『管理会計学』第16巻第1号,3- 18頁,2008年2月。

安酸建二 「経済的利益の経営管理上の有用性—価値創造額の測定をめぐる考察—」 『管理会計学』(日本管理会計研究学会)第16巻第1号,19-39頁,2008年2月。

松尾貴巳・大浦啓輔・新井康平(2008)「管理会計システムの導入がもたらす組織変革プロセスの研究:(株)飯田におけるABC導入の質的研究」『管理会計学』第16巻第1号,3- 21頁,2008年3月。

新井康平(2008)「日本企業のマネジメント・コントロールにおける心理的契約の役割:経験的研究」『管理会計学』第16巻第2号,23- 37頁,2008年3月。

吉田栄介・近藤隆史「自動車リコール問題と原価企画」『企業会計』第60巻第5号,108-115頁,2008年4月。

吉田栄介「日本的管理会計の理論と実務のギャップ」『商経学叢』第54巻第1号,2008年近刊。

新井康平「現代の生産システムにおける管理会計」『メルコ管理会計研究』第1巻,2008年近刊。

河合隆治「顧客関係マネジメントにおける管理会計の役割」『會計』,2008年近刊。

安酸建二 「企業価値経営におけるフリー・キャッシュフローと経済的利益—概念と算出技術—」 『経理研究』(中央大学経理研究所) 第51号,2008年近刊。

清水信匡・加登豊・坂口順也・河合隆治「マネジメント・プロセスとしての設備投資の実態分析:質問票からの発見事項」『原価計算研究』2008年近刊。

梶原武久「品質コスト測定がもたらす効果に関する実証研究:サーベイデータに基づく分析」『原価計算研究』2008年近刊。

安酸建二 「Value-Based Managementにおける経済的利益の有用性 —フリー・キャッシュフローとの比較を中心として—」『原価計算研究』2008年近刊。

松尾貴巳・大浦啓輔・新井康平「ABC導入が財務成果に与える影響についての経験的研究」『原価計算研究』2008年近刊。

清水信匡・加登豊・梶原武久・坂口順也「資本予算研究の回顧と展望」『国民経済雑誌』2008年近刊。

安酸建二・乙政佐吉・福田直樹 「非財務指標研究の回顧と展望」『国民経済雑誌』2008年近刊。

挽文子・松尾貴巳・伊藤克容・安酸建二・新井康平「分権的組織の管理会計研究の回顧と展望」『国民経済雑誌』近刊。

梶原武久・吉田栄介・山田伊知郎「コスト・マネジメント研究の回顧と展望」『国民経済雑誌』2008年近刊。

窪田祐一・大浦啓輔・西居豪(2008)「組織間管理会計研究の回顧と展望」『国民経済雑誌』2008年近刊。

島吉伸・橋元理恵・朴鏡杓・河合隆治「業績評価と報酬制度研究の回顧と展望」『国民経済雑誌』2008年近刊。

島吉伸「日本企業のマネジメント・コントロール・システムにおける報酬の役割」『商経学叢』第55巻第1号,2008年近刊。

<著書>
梶原武久『品質コストの管理会計』中央経済社,2008年3月。

  

グループ名:

日本の組織・人材育成システム

リーダー名(所属):

石川 淳(立教大学経営学部)

組織構成:

グループ長
石川淳(立教大学経営学部准教授):リーダーシップの育成およびR&D人材の育成を主として担当

メンバー
蔡イン錫(専修大学経営学部教授):非正規従業員の育成、組織と組織成員の間の信頼関係、人材育成目標を主として担当
坂爪洋美(和光大学人間関係学部准教授:女性従業員の育成、個人から見たキャリア・ディベロップメントを主として担当

平成19年度も、原則的には、上記3名がメンバーの核としてプロジェクトを推進していった。ただし、本グループは、メンバーを固定せず、様々な研究者と有機的に連携しながら、研究を進めていく、アメーバ型組織を目指している。従って、上記役割担当は、あくまでも便宜的に決めたものであり、実際には、各メンバーが、役割に縛られることなく、協力・連携しながらプロジェクトを推進している。また、多くの研究協力者と連携しながら、必要に応じてメンバーに入ってもらって研究を進めている。主とした研究協力者は以下の通りである。

Steers教授(University of Oregon)
Mowday教授(University of Oregon)
Sanchez-Runde教授(University of Navarra)
Bird教授(University of Missouri)

平成19年度の研究成果

 今年度の研究実施状況を大きくまとめると、国内調査、米国調査、海外の研究者との共同研究、研究成果の発表と社会への還元、の4点に集約される。第1に、国内研究調査として、個人のキャリア形成に関する質問紙調査とリーダーシップと創造性に関する質問紙調査を実施した。キャリア形成に関しては、これまでの研究において、企業側の視点からの調査がいくつか行われ、企業の現場で何が生じ、何が問題となっているのかについて明らかにされてきた。その一方で、個人の視点から見たキャリア形成については、本格的な調査が行われておらず、個人の視点から見たキャリア形成の問題点が明らかにされてこなかった。今回の調査により、個人の視点からみたキャリア形成の現状と問題点が明らかになった。このため、双方の視点を組み入れた新たな提言を行うことができるようになった。

 また、これまで行われてきたリーダーシップと創造性に関する質問紙調査も、引き続き実施された。これまでの調査で、リーダーシップ・スタイルが、フォロワーの創造的成果に重要な影響を及ぼすことが明らかになった。また、それだけでなく、両者の関係に影響を及ぼす様々な変数が存在することも明らかになった。具体的には、人間関係やグループの規範、コミュニケーションなどが、両者の関係に強い影響力を及ぼしていることが明らかとなった。

 第2に、米国調査として、企業に対するインタビュー調査と、大学におけるインタビュー調査を実施した。前者により、米国企業におけるリーダーシップとフォロワーの創造性の関係について明らかにすることができた。米国企業においても、リーダーシップはフォロワーの創造性に重要な影響を及ぼしていた。ただし、その影響の及ぼし方や両者の関係に影響を及ぼす変数は、日本における調査結果といくつかの点で相違が見られた。また、後者によって、米国の大学におけるリーダーシップ教育の現状を把握することができた。いくつかの米国の大学では、システマティックで洗練されたリーダーシップ教育が行われていた。これらのうちのいくつかは、日本の大学教育に適用可能である。ただし、企業の大学教育に対する期待が、米国と日本では大きく違うため、そのまま適用することは困難であり、日本独自の教育システムを構築していく必要があることが明らかとなった。

 第3に、海外の研究者との共同研究を実施した。具体的には、University of OregonのSteers教授やMowday教授、University of NavarraのSanchez-Runde教授など、人材マネジメントの専門家と定期的に研究会を開き、リーダーシップと創造性の関係について、これまで日米で実施されてきた調査結果に基づいた議論を行ってきた。その結果、リーダーシップとフォロワーの創造性の関係に影響を及ぼす要因に関して、日米の共通点と相違点が明らかにされた。具体的には、コミュニケーションは、日米双方において重要な変数として影響を及ぼしていたが、グループ内の規範や人間関係については、特に日本企業において重要な影響を及ぼしていることが明らかとなった。

 第4に、これまで得られた成果を著書、論文の形でまとめるとともに、社会へ還元するために、様々なシンポジウムを実施した。今年度は、グループとしての共通の成果を人社シリーズ本および人社版サイエンスカフェにまとめたため、それ以外の成果は、主要メンバーである3名が、それぞれの担当分野ごとに著書および論文にまとめた。

 なお、今後は、今年度までに実施した調査のうち、まだ著書、論文等にまとめられていない部分をまとめていく予定である。また、海外の研究者との共同研究もようやく軌道に乗り始めたため、今後も引き続き定期的に研究会を開催し、共同で調査・研究を実施していく予定である。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

「日本企業の雇用形態の多様化と賃金体系革新セミナー」
開催年月日:2007年6月12日
開催場所:韓国ソウル 大韓商工会議所
参加人数:100名

「男女平等セミナー」(東京都労働相談情報センター主催)
開催年月日:2007年10月2日・10月3日
開催場所:東京都労働情報センター(飯田橋)
参加人数:200名

「企業価値向上のための人材マネジメントシンポジウム」
開催年月日:2007年10月15日
開催場所:THE GRAND HALL(東京都品川区)
参加人数:200名

「千葉県仕事と子育て両立支援 第3期 企業経営アドバイザー養成セミナー」
開催年月日:2007年10月27日
開催場所:千葉県教育会館
参加人数:40名

「日本CHO協会、札幌分科会:組織力を高めるために今何が必要か?」
開催年月日:2008年2月25日
開催場所:札幌エルプラザ 3Fホール
参加人数:80名

<飛び出せ人文・社会科学〜津々浦々学びの座〜実施状況>
「多様な働き方と組織のあり方:派遣社員の派遣元・派遣先との関係のあり方に関する懇談会」
開催年月日:2007年11月28日
開催場所:東京都千代田区 株式会社パソナ
参加人数:40名

論文、著書等:

著書
蔡イン錫(2007)『雇用形態の多様化と日本企業の人的資源管理戦略の再編』勧告労働研究院ニューパラダイムセンター(韓国語)』
坂爪洋美(2008)『キャリア・オリエンテーション—働き方に影響を与える要因—』白桃書房
石川淳「企業内研究者の創造性を促進するリーダーシップ」日向野幹也編著『入門ビジネス・リーダーシップ』日本評論社、2007年

論文
蔡イン錫(2007)「専門家集団と組織—科学者・技術者の組織への包摂と役割コンフリクトを中心として」『日本労働研究雑誌』,No.565、pp21-32
蔡イン錫(2007)「適応パフォーマンス論の現状と課題」『専修経営研究年報』、No.31, pp.79-10
坂爪洋美(2007)「管理職の両立支援策への理解が部門に与える影響—『役割受容』を中心に—」組織科学,41(2), pp5-18
石川淳「企業内研究者の創造的成果を促進するリーダーシップの探究」日本労務学会誌第9巻第2号、2007年、p21-35
石川淳「変革型リーダーシップと開発研究者のストレス:変革型リーダーシップがチャレンジ・ストレッサとヒンドランス・ストレッサに及ぼす影響」立教ビジネスレビュー第1号、2008年(予定)

  

グループ名:

日本の教育システム(Education System in Japan)

リーダー名(所属):

苅谷 剛彦(東京大学・大学院教育学研究科・教授)

組織構成:

5つのサブグループのリーダー(※印)及び恒常的な参加者は下記の通り(2008.3.31現在)

【教育行政・政策・改革の「失敗」】※苅谷剛彦(東京大学大学院教育学研究科・教授)★研究グループ長,堀健志(東京大学大学院教育学研究科産学官連携研究員),諸田裕子(東京大学大学院教育学研究科産学官連携研究員)

【社会化の「失敗」】※原田豊(警察庁科学警察研究所犯罪行動科学部・部長),土井隆義(筑波大学人文社会科学研究科・准教授),田中奈緒子(昭和女子大学人間社会学部心理学科・准教授),齊藤知範(警察庁科学警察研究所犯罪予防研究室・研究員),平井秀幸(日本学術振興会 特別研究員)

【人材形成の「失敗」】※本田由紀(東京大学大学院教育学研究科・准教授),小塩隆士(神戸大学大学院経済学研究科・教授),梅崎修(法政大学キャリアデザイン学部・講師),守島基博(一橋大学大学院商学研究科・教授),妹尾渉(平成国際大学法学部・講師),筒井美紀(京都女子大学現代社会学部・准教授),居郷至伸(横浜国立大学・特任教員),高木朋代(敬愛大学経済学部・准教授)

【教育測定・評価の「失敗」】※荒井克弘(東北大学副学長・東北大学大学院教育学研究科教授・東北大学高等教育開発推進センター長),倉元直樹(東北大学高等教育開発推進センター高等教育開発部入試開発室・准教授),木村拓也(京都大学経済研究所教育経済学寄附研究部門・助教),西郡大(東北大学大学院教育情報学教育部・博士後期課程2年)

【教育研究の[失敗」】※小玉重夫(お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科・教授),森田尚人(中央大学文学部・教授),田原宏人(札幌大学法学部・教授),松浦良充(慶應義塾大学文学部・教授),安藤寿康(慶應義塾大学文学部・教授),鹿毛雅治(慶應義塾大学教職課程センター・教授)

平成19年度の研究成果

私たち「日本の教育システム」研究グループは、5つのサブグループ(【社会化】【人材形成】【教育行政・政策・改革】【教育測定・評価】【教育研究】)に分かれ、これまで同様に、それぞれのグループが個別に、先行研究の収集と批判的レビュー、雑誌記事等の資料収集と言説分析、インタビュー調査、質問紙調査、ゲスト・スピーカーを招いての研究会開催、また、メンバーが所属する学会でのラウンドテーブルでの報告をすすめてきた。それぞれのサブグループ(以後、「SG」と略)の活動の成果は、刊行済みの報告書に詳しいので参照いただきたい。また、4年間の成果と、以下に報告する最後の全体会での議論をふまえ、2008年末をめどに、一般向けだが十分にアカデミックセクターにおける批評・検討にも耐えうる水準の内容を目指した出版を計画しており、現在、当該企画書の修正をすすめている。

前述したように、最終年度のまとめとして、上記5つのSGリーダー及びメンバーが参加した最後の全体研究会及び座談会を開催(2008年3月30日 非公開)。全体研究会では、各SGリーダーより、1.問題:各SGの活動目的や目標の確認、2.知見:得られた成果、3.課題:SG個別の、今後の課題及びその後の座談会での論点、という3点から報告をお願いし、最終年度の活動内容を中心に4年間の活動について情報共有を図った。続く座談会では、1.4年間の活動のまとめ、2.領域横断的(社会化、人材形成、といった私たちの研究グループ内の領域を横断する)、3.出版計画の一部として位置づけることが可能であること、という3点をふまえつつ、1時間少々の短い時間ではあったが、活発な議論が展開された。

座談会では、5つのSGの領域に共通する/個別的な「失敗」と名称を与えている問題的な現象、それらの「失敗」現象の認識方法、「失敗」の判断基準、さらには、5つの領域を各領域特有の問題や視点を失うことなく、それらを包括的にマッピングするようなグランデッド・セオリー構築はいかにして可能かということまでを視野に納めつつ、議論が進んだ。座談会を通じて整理・共有された論点は次の通りである。1.「教育の失敗」は、「教育システム」とそれ以外の各システム(国家、産業、家族…)との結びつき方の歴史的・社会的変容過程としてとらえるべきであり、2.その結びつき方の「うまくいかなさ」が露呈する中で“教育の失敗”(あるいは、教育の失敗として問題が可視化され)が可視化され、3.現在、その可視化のより客観的な—科学的というよりも新自由主義的な要請と言える—方法として「測定」が注目されている、4.しかしながら、「測定」をめぐる概念も方法も、いずれも日本社会のこれまでの歴史においてなんら学問的精緻化も社会的成熟も図られてきておらず、5.そうした中で、「測定」、「evidence based」といった言葉のみがヒートアップする形で一人歩きしてしまうことの社会的帰結、及び、そもそも「失敗」という現象とその認識そのものについて社会科学や人文科学が適切にとらえられているのか。とらえるための理論と方法を持っているのか、という5点である。これらの議論の結実は、2009年初頭出版(予定)の市販書において、精緻化された形で公開となる。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

   

国内セミナー

2007年10月27日(土)
お茶の水女子大学共通講義棟1号館 参加人数43人
   「国内セミナー 米国流測定文化の日本的受容の問題」(後援 日本テスト学会 国際教育学会)

<飛び出せ人文・社会科学〜津々浦々学びの座〜実施状況>

2007年11月22日(木)
「学校って何だろう」 (場所:千葉県市川市立稲荷木小学校)
私たち「日本の教育システム」研究グループでは、小学校での「出前授業」(対象は5年生・2クラスを同時に)を計画・実施した。日頃は、研究対象として関わることがほとんどの「学校」や「子ども」であるが、この「出前授業」では、対象としてではなく、まさに「教える−学ぶ」関係としての現実的な関わりを持つこととなり、また、大学での講義内容を、知識体系のコアをそのままに、いかにわかりやすく伝えていくのか、その難しさとおもしろさ(子どもは大人の想定範囲とレベルを超えた反応を示す!)を実感した活動ともなった。

論文、著書等:

論文(※プロジェクトリーダー)

  • 苅谷剛彦「結果によって予算も変わる? 全国学力テストの狙いは学校間格差の明示にある」『エコノミスト』毎日新聞社85(30) (通号 3898) [2007.6.5]、41〜43頁、2007年.
  • 「受験のレベルも授業のレベルも上げられない 最後にツケがまわるのは誰か」『中央公論』中央公論新社、122(2) (通号 1474) 58〜67頁、2007年.
  • 苅谷剛彦「実態把握なき改革論議の危うさ(上・下)」『月刊高校教育』学事出版、40(11) 5〜9頁、40(12) 5〜10頁、2007年.
  • 苅谷剛彦「学校から職業へ」『Do!ソシオロジー』友枝敏雄・山田真茂留編、有斐閣、2007年.

報告書

  • 小玉重夫編『報告書 教育研究の「失敗」』独立行政法人日本学術振興会人文・社会科学振興プロジェクト研究領域Ⅰ−②「失われた10年」の克服−日本の社会システムの再構築プロジェクト研究「日本の教育システム」研究グループ:教育研究の「失敗」サブグループ報告書、全168頁、2007年10月.
  • 教育測定・評価サブグループ編『米国流測定文化の日本的受容の問題—日本の教育文化・テスト文化に応じた教育政策の立案に向けて』1-114、2008年3月.
  • 教育測定・評価サブグループ編『心理・教育測定家が見た戦後日本—トップランナーの回顧録』1-34、2008年3月.
  • 人材形成サブグループ編『これからの日本の人材形成には何が求められるのか?—学者、専門家、作家などをゲストスピーカーに迎えた研究会の足跡—』独立行政法人日本学術振興会人文・社会科学振興プロジェクト研究領域Ⅰ−②「失われた10年」の克服−日本の社会システムの再構築プロジェクト研究「日本の教育システム」研究グループ:人材形成の「失敗」サブグループ報告書、全134頁、2008年3月.
  • 社会化サブグループ編『根拠に基づく犯罪予防と犯罪統計の批判的読解−日米の犯罪学者をゲスト・スピーカーに迎えた講演会の記録−』独立行政法人日本学術振興会人文・社会科学振興プロジェクト研究領域Ⅰ−②「失われた10年」の克服−日本の社会システムの再構築プロジェクト研究「日本の教育システム」研究グループ:社会化の「失敗」サブグループ報告書、全41頁、2008年3月.

(※メンバー)

  • 土井隆義「非行文化を喪失した少年犯罪−『優しい関係』を生きる現代の若者たち−」友枝敏雄・山田真茂留編  『Do! ソシオロジー:現代日本を社会学で診る』有斐閣、第3章、75〜97頁、2007年4月.
  • 木村拓也「大学入学者選抜と『総合的かつ多面的な評価』—46答申で示された科学的根拠の再検討」日本教育社会学会編『教育社会学研究』第80号、2007年5月、pp.165-186.
  • 小玉重夫「学校選択と政治概念の転換」『教育の理論のために—理論的応答』pp.39-58、田原宏人・大田直子編、全256頁、世織書房、2007年5月.
  • 小塩隆士「経済学からみた教育改革」『経済セミナー』7月号, pp.14-18, 2007.
  • 齊藤知範,「犯罪予防と教育」,地域安全対策研究会編『安全・安心の手引 地域防犯の理論と実践』所収,ぎょうせい,301-312,2007年8月.
  • Konomi, S., Saito, T., Nam, C.S., Shimada, T., Harada, Y., and Sezaki, K. (2007) Designing for Usability and Safety in RFID-based Intelligent Commuting Environments. In: Proceedings of the International Conference on Machine Learning and Cybernetics 2007 (ICMLC 2007), August 19-2, Hong Kong, China, pp. 2106-2111. IEEE Catalog Number 07EX1680. ISBN: 1-4244-0972.
  • 森田尚人「戦後教育史研究の課題によせて」『日本の教育史学』第50集(教育史学会)175-178頁 10月
  • 上野有子・三野孝一郎・小塩隆士・佐野晋平「学力調査結果からみた学校選択制、少人数指導、習熟度別指導の効果に関する実証分析」『経済財政分析ディスカッション・ペーパー』07−1,2007年10月.
  • 小塩隆士・佐野晋平・上野有子・三野孝一郎「消費者からみた教育制度改革」『経済財政分析ディスカッション・ペーパー』07−2, 2007年10月.
  • 安藤寿康「行動遺伝学からみた学力」『学力とトランジッションの危機−閉ざされた大人への道』pp.85-101、耳塚寛明・牧野カツコ編、全206頁、2007年12月、金子書房.
  • 小玉重夫「大人への回路を開く—ペダゴジーの再構築へ向けて」『学力とトランジッションの危機−閉ざされた大人への道』pp.183-199、耳塚寛明・牧野カツコ編、全206頁、2007年12月、金子書房.
  • 谷岡一郎・原田豊(2007), シンポジウムー日本社会の構造変化と犯罪・非行の動向―何がどう変わったのかー ,日本犯罪社会学会第34回大会報告要旨集, pp3-4,2008年2月.
  • 木村拓也「格差を拡げる入試制度はどのように始まったのか?—日本におけるオープンアドミッションシステムの淵源」『クオリティ・エデュケーション』1号、94-114、2008年3月.
  • 諸田裕子「教員評価制度によって『現場は混乱している』のか—教育改革の社会学・試論:教育改革から教育政策へ」『クオリティ・ エデュケーション』1号、77-90、2008年3月.
  • 土井隆義:軟体化する仲間集団—つながるネタとしての少年犯罪—『月刊少年育成』第53巻(第3号),42〜49頁,2008年3月
  • 荒井克弘・倉元直樹編『全国学力調査—日米比較研究』金子書房、2008年4月.
  • 森田尚人「旭丘中学事件の歴史的検証(上):第1部・高山京都市政と日本共産党の教育戦略」『教育学論集』第50集(中央大学教育学研究会)123-175頁 ,2008年3月.
  • Takashi Oshio, “Optimal Education Policies under an Equity-Efficiency Trade-off,” in Population Change, Labor Markets and Sustainable Growth, eds. by Andrew Masonand Mitoshi Yamaguchi, Elsevier Science, pp.211-242, 2007
  • Takashi Oshio and Wataru Senoh, The economics of education in Japan: a survey of empirical studies and unresolved issues,” The Japanese Economy, Vol.34 No.1,pp.46-81, 2007.
  • 小塩隆士・田中康秀「教育サービスの「準市場」化の意義と課題」『季刊社会保障研究』, 2008年(近刊).