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人文・社会科学振興プロジェクト研究事業

プロジェクト研究の成果

プロジェクト研究一覧表

研究領域 5
Project Number 5-2

プロジェクト研究名:

日本の文化政策とミュージアムの未来

グループ名:

都市政策の課題と芸術文化の役割に関する研究

リーダー名(所属):

小林 真理(東京大学・大学院人文社会系研究科・助教授)

組織構成:

小林真理(東京大学)研究グループ全体の統括、日本の文化政策全般
藤野一夫(神戸大学)アートマネジメント及び芸術文化機関に関する研究
谷和明(東京外国語大学)社会文化施設及びドイツの都市文化政策に関する研究
川口幸也(国立民族学博物館)サブグループ研究の統括
吉田憲司(国立民族学博物館)アフリカの博物館
関直子(東京都現代美術館)アメリカの美術館
黒田雷児(福岡アジア美術館)アジアの美術館
塚田美紀(世田谷美術館)南アメリカの美術館

平成18年度の研究成果

グループでは、個別の課題に取り組むべく、海外での調査研究活動を行った。

■国立民族学博物館グループ

《川口幸也(国立民族学博物館)》
2007年2月に、ニューデリー、ジャイプール、アグラの北インド3都市で、いわゆるミュージアムと歴史遺跡や歴史的建築など、ミュージアムではないが、実質的にミュージアムの役割を果たしている施設を調査して、それらがどのような社会的な役割を担っているか比較考量した。

《黒田雷児(福岡アジア美術館)》
2006年10月 22日より11月4日まで、シンガポール、クアラルンプール、上海、広州において、「アジア都市における美術館と国際展」というテーマで、シンガポール、上海、広州で開催されたビエンナーレを視察し、各ビエンナーレのキュレイターと当該都市の美術館のキュレイターにインタビューを行った。

《塚田美紀(世田谷美術館)》
2006年9月12日より23日まで、アルゼンチンの首都および周辺(ブエノスアイレス市およびラプラタ市)、北部地方(サンティアゴ・デル・エステーロ州・サルタ州・フフイ州)のミュージアム計9館を訪ねた。

経済危機を脱し、近年は観光資源として自国文化の戦略的プレゼンテーションに努めるアルゼンチンにおいて、ミュージアムが果たしつつある役割の多様性を把握することができた。強力な中央集権国家であるアルゼンチンにおいては、ミュージアムは地方と中央の政治的・経済的不均衡を背景とする文化の政治学の空間でもあることがあきらかとなった。

《関 直子(東京都現代美術館)》
2006年11月12日より25日まで、ニューヨーク市において、1960年代後半から70年代初頭のニューヨーク市における、公園行政とアート、アートセラピーとコミュニティ、環境問題と都市の広場との関係を、美術館とその外部という問題設定の下に調査した。これらの問題に市職員として関わった美術家で環境計画家の磯辺行久の活動を軸に、本調査を今夏展覧会で公開予定。

■東京大学グループ

個別にドイツ・日本での調査研究を行い、成果を交換しあうとともに、次の項に述べる研究会、国際シンポジウム等を開催して、日本における文化政策の課題を抽出することができた。またその問題を国際比較研究を通じて研究を行うための、準備ができた。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

【国際会議、国際シンポジウム】

2006.6.17
国際会議「日独文化政策会議」(ハンブルク、オッテンゼン地区文化センター《モッテ》)
ヴェルナー・フレミンク(ハンブルク市文化課・児童青少年文化局)、ミヒャエル・ヴェント(社会文化施設《モッテ》の館長)、藤野一夫(神戸大学)、谷和明(東京外国語大学)
2006.12.2
国際シンポジウム「地域主権時代の文化政策〜多様性を保障するドイツの文化政策から考える」(ドイツ文化会館) マティアス・フォークト(ザクセン文化インフラストラクチャー研究所所長、ツィッタウ/ゲルリッツ大学経済学部教授)、アンヤ・ブッフ(ドレスデン大学学生課文化マネジメント担当)ほか(共催:文化政策学会準備会、協力:東京ドイツ文化センター、国際交流基金)

【公開研究会・フォーラム】

2006.11.4
公開研究会(東京大学山上会館)
大久保広晴(武蔵野文化事業団)・土屋周三(小樽市博物館)・松井憲太郎(世田谷パブリックシアター)(発表順)
「都市(地域)と芸術文化を考える−現代日本において、アートマネージャー・学芸員が果たさなくてはならない役割・仕事とは−」
(共催:早稲田大学演劇博物館21世紀COEプログラム「演劇の総合的研究と演劇学の確立」)
2006.11.22
フォーラム(東京大学山上会館)
「社会と芸術の結び目−アウトリーチ活動のこれから−」
稲庭彩和子(神奈川県立近代美術館学芸員)・磯崎道佳(美術家)・山本大(世田谷パブリックシアター)・伊藤直子(神楽坂セッションハウス)・古井戸秀夫(東京大学人文社会系研究科教授)(発表順)
(共催:東京大学文化資源学研究室)
2007.1.18
公開研究会(早稲田大学6号館)
中村雅之(横浜市芸術文化振興財団チーフプロデューサー・横浜能楽堂副館長)
「公立文化施設におけるプロデュースの役割−横浜能楽堂を例に」
(共催:早稲田大学演劇博物館COE事業芸術文化環境研究コース)
2007.1.19
研究会(東京大学法文2号館)
河野俊行(九州大学教授)「文化多様性条約について」
2007.3.7
公開研究会(東京大学法文2号館)
上岡敏之(ヴッパタール市音楽総監督、ザールブリュッケン音楽大学教授)
「都市における芸術監督の役割とは」(協力:(財)武蔵野文化事業団)

【文化政策史研究会】

2006.11.13
第4回公開勉強会(東京大学山上会館)
特別講演(崔m姫(チェ・キョンヒ・シカゴ大学助教授))
「いまだ『ポストコロニアル』ではない文学〜植民地期朝鮮における日本の検閲をひもとく」
2007.2.19
第5回公開勉強研究会(東京大学法文1号館)
藤井浩基(島根大学助教授)「植民地期朝鮮における官立音楽学校の設置構想」
金志善(キム・ジソン、東京大学大学院研究生)「植民地時代に日本の音楽学校に留学した朝鮮人−東京音楽学校の事例を中心に−」

論文、著書等:

2006.7
小林真理編著『指定管理者制度-文化的公共性を支えるのは誰か-』、時事通信社、@-D頁、3-20頁
2007
小林真理「指定管理者制度は『公の施設』をどう変えるかー試される自治体・地方議会の自治能力」、遠近、2007年4月・5月号、52-57頁
2006.12
藤野一夫(単著)「神戸大学における<産・官・学・民>の連携によるアートマネジメント教育」『アートマネジメント研究』(日本アートマネジメント学会編 美術出版社)第7号
2007.3
藤野一夫(単著)「<文化多様性>をめぐるポリティクスとアポリア」『文化経済学』 (文化経済学会<日本>)通巻第22号
2006.12
Kazuo Fujino"Die Strahlkraft der Dresdner Musik des 19.Jahrhundert", in "Dresdner Hefte"88
2007.1
谷和明「東ドイツ時代の文化館に関する法規- 翻訳・解説」 『社会文化研究』第9号、99頁-111頁、社会文化学会
2006.4
関直子「透明な箱とコレクション」『カルティエ現代美術財団コレクション展』 (東京都現代美術館)フォイル、P.10
  

グループ名:

ミュージアムの活用と未来―鑑賞行動の脱領域的研究

リーダー名(所属):

五十殿利治(筑波大学・大学院人間総合科学研究科・教授)

組織構成:

グループ長
五十殿 利治、筑波大学大学院、研究の総括・連絡調整

メンバー
赤木里香子、岡山大学、実践的鑑賞支援の研究
井口 壽乃、埼玉大学、展示デザインの研究
伊藤 博明、埼玉大学、展示デザインの研究
梅宮 弘光、神戸大学、美術受容史による鑑賞支援の研究
岡部 あおみ、武蔵野美術大学、美術受容史による鑑賞支援の研究
長田 年弘、筑波大学大学院、美術受容史による鑑賞支援の研究
葛岡 英明、筑波大学大学院、鑑賞支援テクノロジー開発の研究
久野 義徳、埼玉大学、鑑賞支援テクノロジー開発の研究
児玉 幸子、電気通信大学、鑑賞支援テクノロジー開発の研究
菅(井田) 靖子、津田塾大学、展示デザインの研究
田中 佐代子、筑波大学大学院、ミサイン・デザインの研究
棚橋 正臣、日本科学技術振興財団、鑑賞支援テクノロジー開発の研究
寺門 臨太郎、筑波大学大学院、美術受容史による鑑賞支援の研究
外山 紀久子、埼玉大学、展示デザインの研究
藤本 由紀夫、京都造形大学、実践的鑑賞支援の研究
港 大尋、東京藝術大学、実践的鑑賞支援の研究
柳沢 秀行、大原美術館、実践的鑑賞支援の研究
山口 健二、岡山大学、実践的鑑賞支援の研究
山崎 晶子、公立はこだて未来大学、展示デザインの研究
山崎 敬一、埼玉大学、エスノメソドロジー的な鑑賞支援の研究

平成18年度の研究成果

平成17年度に組織化された【1】美術系ミュージアム【2】化学系ミュージアムをそれぞれに対象とするふたつの研究班をベースに、各班の組織的な調査と研究ならびにその成果等にもとづく事業を開催するのと並行し、各構成メンバーが個別のテーマを設定した研究報告を発表した。さらに、【3】それぞれの研究班の調査・研究の成果を共有するためのフォーラムを開催した。

【1】に関しては、(1)大原美術館における事業「チルドレンズ・アート・ミュージアム」、(2)視覚障害者のための鑑賞支援、(3)大学ミュージアムという各細目にしたがって調査と研究をおこなった。

(1) 大原美術館の当該事業については、すでに平成17年度内に来館者の動態および意識に係る基礎的な調査が実施されたのをうけ、今年度はその結果を分析して得られた問題点の解決のために新規のプログラム開発のための調査と研究に踏み出した。くわえて、その成果の共有と第三者による評価を目的としたシンポジウムを開催した。

(2) 視覚障害者のための鑑賞支援については、先行する美術系ミュージアムでの実践例に即しながら分析を加えるとともに、当該テーマに関する国際シンポジウムを開催した。

(3) 大学ミュージアムについては、わが国や諸外国での設置例をデータベース化するための調査をおこなうとともに、それぞれの現状を踏まえたうえでその存在意義を問いなおす目的で国際シンポジウムを開催した。

【2】に関しては、平成17年度に実施した日本および米国の科学系ミュージアムにおける鑑賞行動についての調査と研究を継続しておこなった。

とくに、デザイン学と社会学と工学等の諸学融合による、ヒューマン・インタラクションと鑑賞行動の連繋についての国際シンポジウムを複数開催した。また、とくにデザイン系ミュージアムの調査と研究を継続しておこなうのと並行し、上述の諸学融合による「地域と結びついた新しい展覧会」を平成19年度内に開催するための準備作業をおこなった。

【3】に関しては、年度末に各研究班の構成メンバーによる成果報告を持ち寄った融合フォーラムを開催し、情報の共有化をはかった。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

【1】 美術系ミュージアムを対象とする研究

2006.8.28
大原美術館(倉敷市) シンポジウム「チルドレンズ・アート・ミュージアム研究
2006.9.30
筑波大学(つくば市) シンポジウム「ミュージアムの未来を拓く―視覚を超えた美術鑑賞」
2006.10.28
筑波大学(つくば市) シンポジウム「大学ミュージアムの活用と未来」
2007.2.3
科学技術館(東京都) ワークショップ「美術館における情報配信の現在」

【2】 科学系ミュージアムを対象とする研究

2006.12.7
埼玉大学(さいたま市) ワークショップ「ヒューマンインターアクション研究の現状と将来の方向性についてのワークショップ」
2006.12.9
埼玉大学(さいたま市) シンポジウム&パフォーマンス「アート・身体・インタラクション」

【3】 【1】【2】両者の成果を融合するフォーラム

2007.2.4
科学技術館(東京都) グループ融合フォーラム

論文、著書等:

2007.3
川島理恵・定塚和久・久野義徳・山崎敬一・山崎晶子 「相互行為分析によるガイドロボットの開発―発話と頭部動作の連動について」 『日本学術振興会 人文・社会科学振興プロジェクト研究事業 『日本の文化政策とミュージアムの未来』『ミュージアムの活用と未来―鑑賞行動の脱領域的研究』グループ平成18年度報告書』 59-64ページ
 
山崎晶子・久野義徳 「ハイブリッドサイエンスとしてのエスノメソドロジー―ミュージアムガイドロボットの開発へ」 同上 65-71ページ
 
寺門臨太郎「シドニー大学アート・コレクションの断片―チャールズ・ニコルソンの旧蔵美術品から」 同上 73-81ページ
 
外山紀久子「絵画の外部・内部との引き算のミュージアム」 同上 83-90ページ
 
五十殿利治「大正期における美術鑑賞についての一考察」 同上 91-97ページ