プロジェクト名:
市場システムのガバナンス
グループ名:
政策システムと専門知
リーダー名(所属):
久米 郁男 早稲田大学・政治経済学部・教授
組織構成:
グループ長
久米 郁男(48) 早稲田大学・教授 研究総括・行政改革の分析
メンバー
阿部 正樹(47) 大阪市立大学・教授 司法制度改革分析担当
河野 勝(44) 早稲田大学・教授 改革過程の理論的分析担当
品田 裕(44) 神戸大学・教授 選挙制度改革分析担当
土居 丈朗(37) 慶応大学・助教授 財政政策の分析担当
宮本 融(41) 北海道大学・公共政策大学院・助教授 環境政策の分析担当
打越 綾子(31) 成城大学・講師 地方分権改革の分析担当
堀江孝司(31) 名古屋市立大学・助教授 少子化対策の分析担当
これまでの研究成果:
<概要>
研究目的実現のために3種類の活動を行った。その第一は、地球温暖化防止政策、科学技術政策、司法制度改革、財政政策などの新機軸の政策決定における専門知のあり方について関係者を招いての聞き取り研究会を行ったこと。第2は、専門知と政策決定のあり方につきゲストスピーカーを招いての研究会を開催するとともに、アメリカ及びヨーロッパの研究者との意見交換・国際的研究会への参加報告を行い、理論的フレームワークの考察を続けた。第3は、このような研究活動を続ける中で、専門知に対して政策決定・実施の現場における「現場知」が、専門知として発展しまた、既存の専門知と対抗交錯するダイナイズムの解明が重要であるとの見解に達した。そこで、そのようなダイナミズムを観察しうる事例として、環境保護に関する科学的専門知、環境保護団体などに蓄積される現場知、そして同じフィールドを産業として取り扱う林業経営に関する専門知や現場知がぶつかり合う「林業と自然環境保全」の問題を取り上げて、フィールド調査及び研究会を行った。そこでは、科学的専門知が現場知と交錯しながら、未知の諸問題への対応の新しい専門知体系を形成していくプロセスが観察された。
<学際性について>
我々の研究グループは、政治学、行政学、経済学、法社会学を専門とする研究者によって構成されており、それ自体が学際的な研究組織となっている。これに加えて、研究会には、自然科学系の研究者を積極的にまねき、異なる専門分野から見た専門知と政策決定についての観察をインプットしてもら試みを行っている。
<社会提言について>
成果のとりまとめについて、現段階では、上記研究活動を踏まえて、(1)当初計画で課題とした、1990年代以降に行われた重要な政策革新を事例として取り上げて、それぞれの事例を実証的に分析し、それら政策革新における「専門知」の役割を記述するとともに、政策領域間での差異を分析し、政策決定過程における「専門知」のあり方についての理論的分析をまとめる、(2)本年度の成果の第3の柱としてあげた、「専門知」と「現場知」が交錯し、新たな専門知の体系を生み出すというダイナミズムのあり方につき、事例研究的手法でその経験の提示を社会に対して行うという2種類の構想を持っている。複雑高度化する政策決定において、「専門知」の利用をどのような形で進めるべきかについての社会提言ができればと考えている。
<人材育成について>
我々の研究グループは、40代以上の中堅の研究者に加えて、30代前半の若手研究者を組織しており、この研究会を通して学際性および国際性を持った研究者を育てることを意図している。また、研究会には、大学院生や、メンバー外の若手研究者をオブザーバーとして参加してもらうことで若手人材の育成に心掛けている。
シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:
研究会「政策形成における専門知の役割」
日時:2005年3月18日(金曜)13時半から18時まで
場所:日本学術振興会麹町事務所
河合幹雄(横浜桐蔭大学教授)「治安政策」
三浦まり(上智大学教授)「労働政策」
研究会「司法制度改革と専門知」
日時:1月14日 午後1時から5時まで
場所:日本学術振興会麹町事務所
早野貴文(弁護士)「司法制度改革審議会段階での、裁判員制度の提案経緯における専門性の関わり」
四宮啓(弁護士・早稲田大学法務研究科教授)「裁判員制度の立法過程における専門性の役割」
研究会・フィールド調査
2006年1月28・29日
速水亨(速水林業社長)「日本の林業の現状と速水林業の取り組みについて:林業経営の専門知識と現場の知識について」
羽山伸一「野生動物をめぐる現状と各地の取り組みについて(丹沢大山総合調査を中心に)」
速水林業 ヒノキ林見学会
場所:速水林業・ロッジ山水会議室
論文、著書等:
久米郁男「政治的課題としてのコーディネーション」『レヴァイアサン』2005年、37号、75-109ページ。(Kathleen Thelenとの共著)
堀江孝司『現代政治と女性政策』勁草書房(2005年)
久米郁男「80年大改革の申し子・連合はなぜ「抵抗勢力」に墜ちたのか」『エコノミスト』2005年11月8日、87-89ページ。
久米郁男「小泉政治は分水嶺か?」『アステイオン』2006年、64号、31-47ページ
堀江孝司「人口問題と政策−社会保障・税制・労働力供給」北九州市立男女共同参画センター"ムーブ"編『ジェンダー白書4 女性と少子化(仮題)』明石書店、近刊)
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