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人文・社会科学振興プロジェクト研究事業

プロジェクト研究の成果

 
 
プロジェクト研究一覧表
 
平成18年7月作成

研究領域 3
Project Number 3-4


プロジェクト研究名:

市場システムのガバナンス

プロジェクト・リーダー名(所属):

久米 郁男
早稲田大学・政治経済学部・教授

平成17年度までの研究成果について

<概要>

 本プロジェクトは、現代の市場・社会をガバナンスする上での、専門知の政策過程における現実の利用形態について分析する「政策システムと専門知」研究グループと、市場補完・統御の法制度設計に関する現場に即した専門知の構築を目指す「市場補完・統御の法制度設計に向けた知の再編」研究グループの2つから構成される。それぞれ独立の研究を行うと同時に、相互の研究交流を緊密に行っている。
 第1のグループは、研究目的実現のために3種類の活動を行った。その第1に、地球温暖化防止政策、科学技術政策、司法制度改革、財政政策などの新機軸の政策決定における専門知のあり方について関係者を招いての聞き取り研究会を行った。第2に、専門知と政策決定のあり方につきゲストスピーカーを招いての研究会を開催するとともに、アメリカ及びヨーロッパの研究者との意見交換・国際的研究会への参加報告を行い、理論的フレームワークの考察を続けた。第3に、このような研究活動を続ける中で、専門知に対して政策決定・実施の現場における「現場知」が、専門知として発展し、また、既存の専門知と対抗交錯するダイナイズムを、「林業と自然環境保全」の問題を取り上げて、フィールド調査及び研究会を行った。
 市場補完・統御の法制度設計に向けた知の再編グループは、金融・製品・医療という三つの市場についてのガバナンスの法制度についての具体的事例・理論的分析を蓄積しつつある。その際、各市場領域において政策に関わる実務家との協働により、現場知に関するインプットも得ている。そして、「どのような有効なガバナンス手法が存在するか」に加えて、「どのようなプロセスの中で生成してくるのか(政策プロセス=メタガバナンスに関わる問題)」についての検討も併せて行っている。最終的には、「『司法中心/事後チェック型の市場補完・統御の法制度』のポテンシャルおよびそれが機能しうる制度的前提、有効な法制度設計のための考慮要素等についての理論的視点を、制度設計の現実性を意識しつつ提示すること予定している。

<学際性・社会提言・人材育成について特記すべき事項>

 政策システムと専門知グループは、政治学、行政学、経済学、法社会学、法律学を専門とする研究者によって構成されており、それ自体が学際的な研究組織となっている。これに加えて、研究会には、自然科学系の研究者を積極的にまねき、異なる専門分野から見た専門知と政策決定についての観察をインプットしてもらう試みを行っている。このような研究を通して、実際の政策課題解決に関わるうえでの様々な専門知や現場知の交錯形態に関するメニューリストの提示を提示するとともに、副産物として、そ政策課題解決を行う関係者間のネットワーク形成に貢献するということもできると考えている。また、このグループは、40代以上の中堅の研究者に加えて、30代前半の若手研究者を積極的に組織しており、このプロジェクトを通して学際性および国際性を持った研究者を育てることを意図している。また、研究会には、大学院生や、メンバー外の若手研究者をオブザーバーとして参加してもらうことで若手人材の育成に心掛けている。
 市場補完・統御の法制度設計に向けた知の再編グループは、租税法、商法、行政法、環境法、医事法、民法、国際経済法、政治学等の学際的メンバーに、現場の弁護士、行政官を加えたメンバーにより構築されている。「市場の時代」として規制緩和・事後チェック化が強調される中で、かえって市場に対する効果的なガバナンスを用意しておくことが問われる現代にあって、どのような法制度上の「手段」が利用可能なのか、どのような場合には有効でどのような場合には無力なのか、といった問いに答えるための理論的見通しを提示することは有意義な問題発見型の社会提言になると考えている。また、研究会で招聘する外部研究者・実務家とのネットワーク形成を通じて、各市場・政策領域横断的な法制度的ガバナンス手法のリストないし情報ストックの形成というより大きな作業に向けての触媒となることも試みている。また、このグループのメンバーは、多くが30歳前後の若手研究であり、この研究グループは横断的見通しを持った若手研究者を育成する貴重な機会となっている。
 なお、これらのグループは、相互に交流するだけではなく、医療経済に関する研究グループや科学技術ガバナンスプロジェクトとも交流を進めている。

  

プロジェクト名:

市場システムのガバナンス

グループ名:

政策システムと専門知

リーダー名(所属):

久米 郁男
早稲田大学・政治経済学部・教授

組織構成:

グループ長
久米 郁男(48) 早稲田大学・教授 研究総括・行政改革の分析

メンバー
阿部 正樹(47) 大阪市立大学・教授 司法制度改革分析担当
河野 勝(44) 早稲田大学・教授 改革過程の理論的分析担当
品田 裕(44) 神戸大学・教授 選挙制度改革分析担当
土居 丈朗(37) 慶応大学・助教授 財政政策の分析担当
宮本 融(41) 北海道大学・公共政策大学院・助教授 環境政策の分析担当
打越 綾子(31) 成城大学・講師 地方分権改革の分析担当
堀江孝司(31) 名古屋市立大学・助教授 少子化対策の分析担当

これまでの研究成果:

<概要>

 研究目的実現のために3種類の活動を行った。その第一は、地球温暖化防止政策、科学技術政策、司法制度改革、財政政策などの新機軸の政策決定における専門知のあり方について関係者を招いての聞き取り研究会を行ったこと。第2は、専門知と政策決定のあり方につきゲストスピーカーを招いての研究会を開催するとともに、アメリカ及びヨーロッパの研究者との意見交換・国際的研究会への参加報告を行い、理論的フレームワークの考察を続けた。第3は、このような研究活動を続ける中で、専門知に対して政策決定・実施の現場における「現場知」が、専門知として発展しまた、既存の専門知と対抗交錯するダイナイズムの解明が重要であるとの見解に達した。そこで、そのようなダイナミズムを観察しうる事例として、環境保護に関する科学的専門知、環境保護団体などに蓄積される現場知、そして同じフィールドを産業として取り扱う林業経営に関する専門知や現場知がぶつかり合う「林業と自然環境保全」の問題を取り上げて、フィールド調査及び研究会を行った。そこでは、科学的専門知が現場知と交錯しながら、未知の諸問題への対応の新しい専門知体系を形成していくプロセスが観察された。

<学際性について>

 我々の研究グループは、政治学、行政学、経済学、法社会学を専門とする研究者によって構成されており、それ自体が学際的な研究組織となっている。これに加えて、研究会には、自然科学系の研究者を積極的にまねき、異なる専門分野から見た専門知と政策決定についての観察をインプットしてもら試みを行っている。

<社会提言について>

 成果のとりまとめについて、現段階では、上記研究活動を踏まえて、(1)当初計画で課題とした、1990年代以降に行われた重要な政策革新を事例として取り上げて、それぞれの事例を実証的に分析し、それら政策革新における「専門知」の役割を記述するとともに、政策領域間での差異を分析し、政策決定過程における「専門知」のあり方についての理論的分析をまとめる、(2)本年度の成果の第3の柱としてあげた、「専門知」と「現場知」が交錯し、新たな専門知の体系を生み出すというダイナミズムのあり方につき、事例研究的手法でその経験の提示を社会に対して行うという2種類の構想を持っている。複雑高度化する政策決定において、「専門知」の利用をどのような形で進めるべきかについての社会提言ができればと考えている。

<人材育成について>

 我々の研究グループは、40代以上の中堅の研究者に加えて、30代前半の若手研究者を組織しており、この研究会を通して学際性および国際性を持った研究者を育てることを意図している。また、研究会には、大学院生や、メンバー外の若手研究者をオブザーバーとして参加してもらうことで若手人材の育成に心掛けている。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

研究会「政策形成における専門知の役割」
日時:2005年3月18日(金曜)13時半から18時まで
場所:日本学術振興会麹町事務所
河合幹雄(横浜桐蔭大学教授)「治安政策」
三浦まり(上智大学教授)「労働政策」

研究会「司法制度改革と専門知」
日時:1月14日 午後1時から5時まで
場所:日本学術振興会麹町事務所
早野貴文(弁護士)「司法制度改革審議会段階での、裁判員制度の提案経緯における専門性の関わり」
四宮啓(弁護士・早稲田大学法務研究科教授)「裁判員制度の立法過程における専門性の役割」

研究会・フィールド調査
2006年1月28・29日 
速水亨(速水林業社長)「日本の林業の現状と速水林業の取り組みについて:林業経営の専門知識と現場の知識について」
羽山伸一「野生動物をめぐる現状と各地の取り組みについて(丹沢大山総合調査を中心に)」
速水林業 ヒノキ林見学会
場所:速水林業・ロッジ山水会議室

論文、著書等:

久米郁男「政治的課題としてのコーディネーション」『レヴァイアサン』2005年、37号、75-109ページ。(Kathleen Thelenとの共著)
堀江孝司『現代政治と女性政策』勁草書房(2005年)
久米郁男「80年大改革の申し子・連合はなぜ「抵抗勢力」に墜ちたのか」『エコノミスト』2005年11月8日、87-89ページ。
久米郁男「小泉政治は分水嶺か?」『アステイオン』2006年、64号、31-47ページ
堀江孝司「人口問題と政策−社会保障・税制・労働力供給」北九州市立男女共同参画センター"ムーブ"編『ジェンダー白書4 女性と少子化(仮題)』明石書店、近刊)

  

プロジェクト名:

市場システムのガバナンス

グループ名:

市場補完・統御の法制度設計に向けた知の再編

リーダー名(所属):

藤谷 武史
国立大学法人北海道大学・大学院法学研究科・助教授

組織構成:

藤谷 武史(北海道大学法学研究科助教授) 租税法、財政的政策手法・研究活動総括担当
島村 健(神戸大学法学研究科助教授) 行政法、環境法安全法担当
松井 智予(東北大学法学研究科助教授) 商法、金融法・企業/団体法・取引法担当
畑中 綾子(東京大学COE研究員) 民法、医療法・医療政策担当
米谷 三以(弁護士・西村ときわ法律事務所) 国際経済法、WTOの法的プロセス担当
神江 沙蘭(ライシャワー・センター客員研究員) 政治学、金融監督規制の国際比較担当
佐伯 耕三(経済産業省事務官) WTO・安全規制における履行確保担当

これまでの研究成果:

<概要>

 資源配分機構としての政府の役割縮小と市場の役割拡大、秩序維持モデルとしての行政主導の事前調整型から司法中心の事後チェック型への移行という現代社会の趨勢は、「市場を補完し統御する法制度の再編」を要請する。本研究グループは、「市場の補完・統御が問題となる多様な局面においていかなる法的仕組み(ガバナンス手法)が利用可能・効果的であるか」「効果的な法制度設計のために必要な条件は何か」という問いを立て、個別具体的な市場(医療・金融・製品安全及び環境)における個別事例・ガバナンス手法を取り上げ、それらを法学的・行政学的・行政学的に考察することを通じて、理論的枠組を構築しつつある。法制度設計的な問題関心に基づく研究は従来も存在したが、個別政策領域ごとの考察が中心であり、「ガバナンス手法としての法制度」「適切な制度が導入されるための条件」を領域横断的な視点から考察して理論的示唆を得る本研究グループには固有の意義が認められよう。

<学際性について>

 本グループのメンバーとしては法学研究者・法律実務家が中心であるが、行政学・政治学研究者、行政官等も重要なメンバーとしており、かつ外部からのゲスト・スピーカーを積極的に招聘している(人的構成における学際性)。各研究会は一つの市場(例:医療サービス)を取り上げた上で、取引法・組織法・行政法・租税法・環境法・国際経済法・行政学・政治学等、多様な視覚から(メンバーの知見を生かしつつ)多角的に分析し、かつ単なる縦割りにとどまらない融合的な知見の創造を行っている(視角における学際性)。加えて、他の研究グループとの交流等(例:2006年6月24日に久米郁男教授・吉田あつし教授の研究グループと共同で研究会を開催した)を行い、研究グループの枠を超えた学際性の構築に努めている。

<社会提言について>

 「市場の時代」として規制緩和・事後チェック化が強調される今日、むしろ市場に対する「効果的なガバナンス」を用意しておくための理論的備えが問われている。そこでは、楽観主義・思考停止に陥ることなく、市場がその機能を十全に発揮しうる前提として、いかなる法制度上の「手段」がどのような場合に利用可能であるのか、といった問いに理論的に答える必要がある。本研究グループは、具体的な市場領域におけるケーススタディとその理論的統合を通して、問題発見型の社会提言を行う。その成果は、論文を通じて公表されることは当然であるが、他の研究グループ、あるいは研究会で招聘する外部研究者・実務家とのネットワーク形成を通じて、各市場・政策領域横断的な法制度的ガバナンス手法の「リスト」ないし「情報ストック」の形成という、より大きな作業に向けての触媒となることも期待される。

<人材育成について>

 本研究グループは、若手研究者を中心に構成されており、メンバー自身が共同研究プロジェクトへの能動的参加や、学際的・グループ横断的なネットワーク形成を通じて、将来的に有用な共同研究企画・遂行能力を形成していくことが、人材育成に関しては第一義的な目標となろう。また、状況に応じて関心を持つ大学院生をも加えていくことも考えられる。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

2005年12月 研究会発足
2006年1月21日(東京)研究会「医療市場のガバナンス手法」(6名)
2006年2月25〜26日(神戸)研究会「製品・廃棄物のガバナンス手法」(7名)
2006年3月26〜27日(Cambridge, MA, USA)
ワークショップ「市場システムのガバナンス手法を巡る諸問題・日米比較」(11名)
2006年5月1日(東京)研究会「ガバナンス手法としての財政」(6名)
2006年6月23〜24日(神戸)研究会「金融市場のガバナンス手法」(7名)
2006年6月29日(東京)研究会「商法改正過程とメタガバナンスの視点」(7名)

論文、著書等:

※本研究グループは発足後日が浅く、現時点では公刊物等の成果はない。今後、成果を順次とりまとめ公表していく予定である。