プロジェクト名:
科学技術ガバナンス
グループ名:
科学技術の進展と国際問題−安全保障リスクのガバナンス
リーダー名(所属):
鈴木 達治郎 (財)電力中央研究所・東京大学公共政策大学院
関連サイト:
組織構成:
鈴木 達治郎:グループ長、電力中央研究所上席研究員、東京大学公共政策大学院客員教授(原子力政策、科学技術政策)
城山 英明:東京大学法学部教授(行政学、科学技術と公共政策)
鈴木 一人:筑波大学大学院人文社会科学研究科国際政治経済学専攻専任講師(欧州国際政治、宇宙政策)
田所 昌幸:慶應大学法学部教授(国際政治)
青木 節子:慶應大学総合政策学部教授(国際法、宇宙法)
佐藤 丙午:拓殖大学海外事情研究所教授(輸出管理政策)
久住 涼子:一橋大学大学院法学研究科博士後期課程(国際法、原子力法)[現在国際原子力機関(IAEA)にて研修中]
平川 秀幸:大阪大学コミュニケーションデザインセンター助教授(科学技術社会論、規制政策)
大上 泰弘:帝人ファーマ(株)生物医療総合研究所主任研究員(生命工学、技術者倫理)
勝田 忠広:東京大学大学院法学政治学研究科 客員研究員(原子力と国際関係)
Michael Chinworth(米)バンダービルト大学講師(防衛産業政策、安全保障)
Li Bin (China)精華大学 軍縮管理研究所教授(科学と安全保障)
Jungmin Kang (S. Korea)ソウル大学研究員(核不拡散、原子力政策)
これまでの研究成果:
<概要>
軍民両用技術のガバナンスの重要課題として、本研究グループは「安全保障貿易管理」(輸出管理)に焦点を当ててきた。1−2年目(2003-04年)は日本の法制度とその運用実態を詳細に調査・分析し、米国や欧州の管理制度・運用との相違を明らかにした。その成果を「国際安全保障学会誌」に論文として発表した。また、安全保障貿易管理分野における、官・民・学の交流促進、専門家ネットワークの確立も、本プロジェクトの重要なねらいであったが、(財)安全保障貿易情報センター(CISTEC)との協力関係も確立し、2005年6月には「安全保障貿易学会」も設立され、研究メンバーが幹事役として参加するなど、当初の目的を十分に達成しつつある。
2−3年目(2004-05年)は、主に東南アジア諸国の安全保障貿易管理に焦点を当て、香港、シンガポールといったアジアの主要な貿易先進国での法制度とその運用実態を調査、さらに法制度が未整備だが重要なハブとなっているタイやマレーシアも現地調査を行った。日本からの非合法輸出がそのような第3国経由で実行されていることを考えると、東南アジア諸国の安全保障貿易管理がきわめて重要であり、この調査分析の結果を英文論文にて2006年中に公表する予定である。
<学際性について>
本グループは、リーダーが工学系出身、メンバーは国際政治、行政学(公共政策)、国際法、科学技術社会論、企業技術の専門家であり、スタッフには工学系、国際法の専門家が加わっている。海外の協力者も、工学系(韓国)、国際政治(米国)、科学と安全保障(中国)など、極めて学際性に富んだチーム構成となっている。
<社会提言について>
第1に、現場を踏まえた分野横断的な論文の公表を通して、軍民両用技術と国際関係(とくに安全保障)の関係に対する理解の促進を図る。日本では、これまで軍縮や兵器の管理政策についての分析は多かったが、軍民両用技術と国際関係(とくに安全保障)の関係について、深い分析をおこなった研究はあまり存在していない。技術の観点、企業・政府の観点を踏まえた、民両用技術にかかわる国際レジーム、各国の政策、その相互作用に注目した研究成果に関しては社会の関係者からの関心も高い。なお、研究成果の社会へのフィードバックに関しては、本研究プロジェクト関係者も設立に関与した産官学の関係者による安全保障貿易学会の場も活用していく。
第2に、最先端技術の事前評価とガバナンスのあり方への提言を行いたい。ナノテクノロジーやロボット、暗号技術といった、民生用最先端技術を対象に、その軍事転用リスクを事前に評価する手法、技術のもつ利点を活かしつつ、リスクを最小に抑えるようなガバナンスのあり方、などについて、新たな知見や提言を提示することができると期待される。
<人材育成について>
本グループでは以下の2名の若手研究者が参加している。久住は現場にも関わるという観点からOECDやIAEAにおいて現場研修を行い、視野を広めている。また、勝田は、工学系の博士号取得者であるが、現在、社会科学系の研究環境の下で、原子力と国際関係に関する文理横断的な研究を進めつつある。
久住涼子:一橋大学大学院法学研究科博士後期課程(国際法、原子力法)[現在国際原子力機関(IAEA)にて研修中]
勝田忠広:東京大学大学院法学政治学研究科 客員研究員(原子力と国際関係)
また、2006年8月10-13日には、若手研究者育成も目的として、他のプロジェクトと共同で人社横断企画夏のセミナー 「社会的課題へのナレッジ・ストラテジー」を予定している。
シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:
2004年1月28日、東京、公開講演会「軍民両用技術をめぐる国際規制、米国政策、及び最近の政策課題について」、20人
2004年1月29日、東京、公開研究会「日本の防衛産業について」、20人
2004年8月4-7日、北海道・キロロ、「科学技術とグローバル・ガバナンス・セミナー」、40名(科学技術ガバナンスプロジェクトとグローバルガバナンスプロジェクト合同セミナー)
2005年3月16日18日、東京、国際研究会「米国における輸出管理の事例研究」、20人
2005年4月28日(物質・材料研究機構と共催)、筑波、「ナノテクと社会:社会学者の期待と懸念」、60人
2006年1月31日、東京、国際研究会「東南アジアにおける安全保障貿易管理」、15人
2006年8月10-13日開催予定、静岡・富士、人社横断企画夏のセミナー 「社会的課題へのナレッジ・ストラテジー」(「科学技術ガバナンス」・「ボトムアップ人間関係論」・「資源配分のメカニズムと公正」・「千年持続学」各人社プロジェクト共催)、30名
論文、著書等:
青木節子「バイオテロに関する国際的枠組み」、『グローバル時代の感染症』(慶応出版)、2004年6月、45−81頁。
城山英明「安全確保のための法システム−責任追及と学習、第三者機関の役割、国際的調和化−」、『思想』第963号、2004年6月、140-163頁。
青木節子「新世紀の宇宙軍事利用−停滞する国際法と信頼醸成措置の可能性」、『大量破壊兵器の軍縮論』(信山社)、2004年7月、301−325頁。
鈴木達治郎、田所昌幸、城山英明、青木節子、久住涼子「日本の安全保障貿易管理−その実践と課題−」、『国際安全保障』第32巻2号、2004年9月、1-30頁。
鈴木一人「欧州における軍民両用技術開発と安全保障貿易管理」、『国際安全保障』第32巻2号、2004年9月、73−97頁。
佐藤丙午「米国の不拡散政策と輸出管理」、『国際安全保障』第32巻2号、2004年9月。
マイケル・チンワース「東芝機械事件の再検討」、『国際安全保障』第32巻2号、2004年9月。
鈴木達治郎、「プルトニウム問題と科学者平和運動」、藤原修・岡本三夫編『いま平和とは何か』(法律文化社)第9章、2004年。
鈴木達治郎、田邊朋行「放射性廃棄物規制における社会的要因と科学的根拠−日米比較より」、城山英明・山本隆司編『融ける境 越える法 :環境と生命』(東京大学出版会)第2章、2005年、61−82頁。
J. Kang, P. Hayes, L. Bin, T. Suzuki and R. Tanter, "South Korea's Nuclear Surprise," Bulletin of Atomic Scientists, January/February 2005, pp. 40-49.
青木節子「宇宙ウェポニゼーション時代における国会決議の意味」、『航空宇宙法の新展開』、2005年3月、383−412頁。
Peter Hayes, David von Hippel, Jungmin Kang, Ttasujiro Suzuki, Richard Tanter, Scott Bruce, "Grid-Locked," The Bulletin of Atomic Scientists, January/Feburary 2006, pp. 52-58.
田所昌幸編著『ロイヤル・ネイヴィーとパクス・ブリタニカ』(有斐閣)、2006年、1−254頁。
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