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人文・社会科学振興プロジェクト研究事業

プロジェクト研究の成果

 
 
プロジェクト研究一覧表
 
平成18年7月作成

研究領域 3
Project Number 3-3


プロジェクト研究名:

科学技術ガバナンス

プロジェクト・リーダー名(所属):

城山英明
東京大学大学院・法学政治学研究科・教授

平成17年度までの研究成果について

<概要>

 本研究プロジェクトは、国レベルの科学技術のガバナンスに焦点を当てるリスクガバナンス研究グループ、専門家団体や企業等の現場の技術者による自律的規制に焦点を当てる現場からの技術者倫理研究グループ、安全保障といった国際的課題に焦点を当てる科学技術と国際問題研究グループの3つのグループに分かれて研究を進めてきた(各分野の研究成果については各グループの報告を参照)。各研究グループにおいては、各々研究会を組織し、分野横断的に実務家とも協働しつつ、研究を進めてきた。研究会の実施に際しては、科学技術ガバナンス研究会が研究グループ横断的な議論のプラットフォームともなってきた。また、研究グループ横断的な国際会議として、グローバルガバナンスプロジェクト等とも協力し、Science, Technology and Global Governance Seminar (2004年8月3-7日)を開催し、若手研究者育成の機会として、研究プロジェクト横断的な試みとして、2006年8月10-13日には人社横断企画夏のセミナー「社会的課題へのナレッジ・ストラテジー」を予定している。
 各グループでは、当初、分野横断的研究のためのパイロット的事例を選択し、協働作業開始した。リスクガバナンス研究グループにおいては食品安全問題を、現場からの技術者倫理研究グループにおいては動物実験問題を、科学技術と国際問題研究グループにおいては軍民両用技術問題をとりあげ、踏み込んだ検討を進めるとともに、実務関係者(食品安全委員会事務局、各種動物実験実施機関、安全保障貿易情報センター及び関連企業・行政機関)との協働も進めてきた。その上で、研究の対象範囲を拡大しつつある。リスクガバナンス研究グループでは、食品安全行政については欧州の研究者とも協力して国際比較研究を行い、また、原子力、沿岸管理、バイオテクノロジー、アスベスト等の分野のリスクガバナンスについて研究を進め、リスクガバナンスの分野間比較分析を行っている。現場からの技術者倫理研究グループでは、現場の生命技術者の意識に関するアンケート調査を本格的に行い、現場技術者の意識や技術者倫理の役割に関する研究を行いつつある。また、感染症研究とバイオテロリズムについての研究規制に関わる技術者倫理問題の研究も実施しつつある。科学技術と国際問題研究グループでは、軍民両用技術規制について、主要先進国の安全保障貿易管理体制・政策の分析に加えて、アジア諸国に関する分析や国際的ハーモナイゼーションの可能性に関する分析を行い、国際的核不拡散体制や新たな技術の安全保障リスク評価の方式に関する研究に展開させつつある。
 以上の各研究グループにおける作業を基礎に、3研究グループの共同作業として、社会における将来的課題であるナノテクノロジーのガバナンスについて研究を開始した。この分野は遺伝子組換技術に続く先端技術領域であり、安全保障や開発競争に関わる国際的次元もあり、また専門技術者の役割も重要である。

<学際性・社会提言・人材育成について特記すべき事項>

 本研究プロジェクトにおいては、分野間協働、現場との協働、国際的な協働は積極的に行っている。リスクガバナンス研究グループは、科学技術社会論、行政学、政治学、環境学、倫理学、経営学、原子力工学等様々な分野の研究者が協働しつつ具体的事例に即した研究を行っている。現場との協働としては、日本の食品安全委員会事務局、欧州委員会等と継続的協力を行ってきており、国際的にも、Michael Rogers氏(欧州委員会)、Erik Millstone氏(サセックス大学科学政策研究ユニット)との共同研究を行っている。現場からの技術者倫理研究グループにおいては、まず、研究グループ長の所属する企業(帝人ファーマ(株))との協働体制の構築を行った。その上で、法学研究者、技術者倫理研究者、科学技術社会論、行政学研究者との協働研究チームを構築した。また、プロジェクト内の他の研究グループとの協働も進みつつある。特に、感染症研究とバイオテロリズム規制については、科学技術と国際問題研究グループとの協働を行っている。科学技術と国際問題研究グループは、原子力工学・科学技術政策、行政学、国際政治学、宇宙産業政策、国際政治経済学、国際法と多様な分野の研究者によって構成されている。さらに、安全保障貿易学会の設立にも関わることを通して、特に企業における貿易管理実務者や安全保障貿易管理センターとの継続的協力関係を構築した。これにより、単なる制度論にとどまらず、貿易管理の実践・運用面での分析が可能となった。また、米国のバンダービルト大学、シンクタンク(モントレー国際問題研等)等や中国(清華大学)、韓国との連携も進んでいる。
 このような現場と連携した研究体制の構築により、論文等の成果発表だけではなく、日常的に研究成果を社会にフィードバックできるようになっている。なお、この領域は、科学技術社会論や国際政治学・法学、政治学・行政学における1つのフロンティアであり、様々な分野の若手研究者(大学院生、研究員)が関わりつつある。ただし、当初期待していた、理科系の若手研究者の継続的参画は、キャリア形成の課題もあり、限定的である。

  

プロジェクト名:

科学技術ガバナンス

グループ名:

日本のリスクガバナンス・システムの実態解明と再構築の提言

リーダー名(所属):

平川秀幸
大阪大学・コミュニケーションデザイン・センター

関連サイト:

   http://scitech-gov.org/

組織構成:

平川 秀幸(グループ長)、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター、グループ統括・食品安全担当
城山 英明、東京大学大学院法学政治学研究科、食品・原子力安全担当
藤田 由紀子、専修大学法学部、行政の専門性論担当
神里 達博、社会技術研究システム、食品安全担当
中島 貴子、在外研修中(ハンガリー)、食品安全担当
斉藤 靖、西南学院大学商学部経営学科、原子力安全・組織事故分析担当
谷口 武俊、電力中央研究所社会経済研究所・所長、原子力安全担当
日野 明日香、海洋政策研究財団、沿岸管理担当
宗像 慎太郎、UFJ総合研究所、不確実性論・気候変動担当
松尾 真紀子、東京大学大学院法学政治学研究科、国際ハーモナイゼーション担当
前田 健太郎、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程、医療安全担当
春日 匠、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター、市民参加論担当
古谷 紳太郎、国際基督教大学大学院比較文化研究科修士課程、科学的合理性論担当
草深 美奈子、産業技術総合研究所、環境リスク論担当
蔵田 伸雄、北海道大学大学院文学研究科、バイオ安全・生命倫理政策担当
久保 はるか、甲南大学法学部、化学安全担当
増沢 陽子、鳥取環境大学環境政策学科、化学安全担当
日比野 愛子、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程、審議会分析担当
八木 絵香、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター、科学技術コミュニケーション担当

これまでの研究成果:

<概要>

 日本のリスクガバナンスの実際について本研究では、食品安全を中心に、原子力安全、沿岸管理、化学安全、医療安全の各分野に関する調査・研究を行ってきた。1年目(2003-4年)は、2003年7月に発足した食品安全委員会の設立経緯と組織特性、専門性の配置、運営上の課題について、関係者からヒアリングしつつ調査・検討し、また欧州の食品安全行政について、欧州委員会や欧州食品安全機関にヒアリングするとともに、欧州の研究者とのネットワークを築いた。医療分野では、薬害エイズ事件の背景にある技官制度の問題点、ヒト胚規制の成立過程と審議会の問題点、日本の医療安全対策の現状等について、原子力安全ではJCO臨界事故の組織論的分析について、沿岸管理については日本の沿岸管理事業の意思決定における専門家・専門知の動員形態と役割について、それぞれ知見を共有した。
 2年目(2004-5年)は、食品安全行政では、米国牛肉輸入再開問題について、食品安全委員会委員等にヒアリングを行いながら、審議過程における科学と政策決定(リスク評価とリスク管理)の関係とその問題点、課題について調査・分析を進めた。沿岸管理の事例では、環境保護という問題フレームに加え、資源管理・配分というフレームがガバナンスの合意形成において重要であるとの知見が得られた。化学安全では、ホウ素、アスベスト、ダイオキシンの規制基準策定過程についての事例研究を開始した。また国際共同研究として、食品安全分野(遺伝子組換え作物の環境影響も含む)でのリスク評価方針の国家間差異とその背景に関する国際共同研究を2005年11月より、サセックス大学科学技術政策ユニットのErik Millstone教授ら欧州の研究者と開始し、2006年6月末に最終報告書をまとめた。科学技術ガバナンスの枠組み論としては、これまでの日本の審議会およびその先行研究のあり方や、審議会議論の言説分析についての知見も共有した。

<学際性について>

 本グループは、グループ長が理学系および文学系(哲学、科学思想)出身の科学技術社会論専攻であるとともに、政治学(行政学)、環境社会学、経営学、環境政治学、倫理学など多岐にわたる学際的グループである。

<社会提言について>

  • 研究成果の出版:研究成果を共著書(上述)や雑誌企画として出版する。
  • サマースクールの開催:上述のサマースクールを通じて、若手への問題意識の喚起と知見の継承を行う。スクールの講義や演習の成果は、雑誌の特集企画等による出版を行う。
  • 研究成果のweb発信:ホームページを通じて、研究の途中成果・進展状況の発信と、最終的にはリスクガバナンスの政策形成の現状とその問題点に関するデータベース的なウェブコンテンツを作成・公表する。
  • 科学技術系研究者と人文・社会科学研究者の協働:事例研究への取り組みや科学技術ガバナンス・フォーラムを通じて、リスクガバナンスに関わる科学技術系研究者と人文・社会科学研究者の交流ネットワークを作る。
  • 実務者と研究者のネットワークの構築:科学技術ガバナンス・フォーラムの運営を中心に、リスクガバナンスの研究者と各方面の実務者(行政、企業、NGO等)のネットワークを作り、知見の収集とともに研究成果の提言を行う。

<人材育成について>

 本グループは若手の活躍を重視しており、これまでに下記の者が修士または博士課程を終える、あるいは終える直前に至っている。
齋藤靖(一橋大学大学院商学研究科博士課程単位取得退学)
日野明日香(東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程単位取得退学)
松尾真紀子(東京大学大学院新領域創成科学研究科修士課程修了)
前田健太郎(東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了)

 また、2006年8月10-13日には、若手研究者育成も目的として、他のプロジェクトと共同で人社横断企画夏のセミナー 「社会的課題へのナレッジ・ストラテジー」を予定している。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

2004年6月5-6日、東京、「市民参加型テクノロジーアセスメント・ワークショップ」、30名。(共催)
2004年9月28日、東京、「クリニカル・ガバナンス−よりよい人間関係とそれを実現する制度のあり方(医療の現場から)」、100名(人文・社会科学振興プロジェクト研究事業シンポジウム)
2004年8月4-7日、北海道・キロロ、「科学技術とグローバル・ガバナンス・セミナー」、40名(科学技術ガバナンスプロジェクトとグローバルガバナンスプロジェクト合同セミナー)
2006年8月10-13日開催予定、静岡・富士、人社横断企画夏のセミナー 「社会的課題へのナレッジ・ストラテジー」(「科学技術ガバナンス」・「ボトムアップ人間関係論」・「資源配分のメカニズムと公正」・「千年持続学」各人社プロジェクト共催)、30名

論文、著書等:

平川秀幸・城山英明・神里達博・中島貴子・藤田由紀子「日本の食品安全行政改革と食品安全委員会−残された問題/新たな課題」、『科学』、 75巻1号、93-97、2005年
平川秀幸「科学技術ガバナンスの再構築 −〈安全・安心〉ブームの落とし穴」、『現代思想』、 32巻14号、170-172、2004年
藤田由紀子「食品安全委員会のあり方を問う」、『都市問題』、第96巻11号、49-56、2005年
齋藤靖「JCO臨界事故のミクロ分析とその限界」、『西南学院大学商学論集』、第52巻第3号、189-224、2005年
齋藤靖「JCO臨界事故の発生とその影響」、『西南学院大学商学論集』、第52巻第4号、209-240、2005年
釘宮浩三、綿末しのぶ、日野明日香「「宝の海守江湾」第一回守江湾会議を開催してー海のやりくり」、『波となぎさ』、164、16-19、2005年
日野明日香 清野聡子、釘宮浩三「大分県守江湾の地域沿岸域管理への道筋−カブトガニ保護から守江湾会議へ−」、『環境システム論文集』(投稿中)
蔵田伸雄「遺伝子組換え技術に関する「科学の外側」の問題」、『化学と生物』(印刷中)
蔵田伸雄「政策決定過程・手続き・機構等に関する生命倫理基本法」、『北大法学論集』、第56巻第3号、93-108、2005年
平川秀幸「リスクガバナンスのパラダイム転換−リスク/不確実性の民主的統治に向けて」、『思想』、973、48-67、2005年

  

プロジェクト名:

科学技術ガバナンス

グループ名:

現場からの技術者倫理システム

リーダー名(所属):

大上 泰弘
帝人ファーマ(株)

関連サイト:

   http://scitech-gov.org/

組織構成:

大上泰弘; 帝人ファーマ(株)・生物医学総合研究所
研究の企画・管理、調査結果分析
神里綾子; (株)科学技術文明研究所・研究員、東京大学大学院法学政治学研究科・産学連携研究員
法規制の枠組み調査・分析
打越綾子; 成城大学法学部・助教授
動物愛護の法規制調査・分析
松尾真紀子; 東京大学大学院法学政治学研究科・産学連携研究員
調査実施
城山英明; 東京大学・大学院法学政治学研究科・教授
法制度の運用、グループ間連携

これまでの研究成果:

<概要>

 初年度は、まず、グループ長が所属する会社における人文社会プロジェクト活動の認知から開始した。プロジェクトリーダーを交え、研究所長と話し合った結果、一定時間ではあるが、就業時間を使って活動して良いとの許可を得た。この時期に、研究会を 2回開催し、生命倫理、科学技術者倫理、動物実験の倫理に関する研究者と議論し、本研究グループの研究は、現場のdetailにこだわることにした。
 2年目は、研究会3回、国内インタビュー8件実施。インタビュー訪問先としては、53件打診し、承諾してくれた12件を候補とした。インタビューの主題は「野性ニホンザルの実験利用問題」。海外インタビューとして、動物実験反対運動及び実験規制の整備が進んでいるイギリスを選択。また、生命科学・技術者の現場にある問題意識を調査するための予備的アンケートを実施 (配布数200件)。
 3年目は、研究会3回、国内インタビュー2件実施。また、アンケートの本調査を実施・解析中 (配布数4,000件)。海外インタビューとして、春にEU諸国, 秋にUSAを訪問。USAでは、バイオテロへの現場サイドの対応についても調査。三年目の新たな活動として、科学技術が生命観の変化に及ぼす影響についての調査を開始。人文社会プロジェクトの中で賛同者を得て、動物、ロボット、人間の関係性を手がかりに、生命システムのグラデーションに関するプロジェクト横断的な研究会を開始。

<学際性について>

 研究会を通じて、科学技術ガバナンス・プロジェクトに参加しているリスクガバナンス・グループ、科学技術の進展と国際問題グループと意見交換を行なっている。生命科学・技術の現場の活動には研究者ならびに周辺の人間にリスクが伴う。その意味で、リスクガバナンス研究グループの活動は、「現場からの技術者倫理システム」を包含する関係にある。また、科学技術の進展と国際問題グループとは、特にバイオテロ、ナノテクノロジー関係の規制方策の問題を共有している。
 本研究グループは理科系出身の現場の技術者をリーダーとして、法学者、政治学・行政学者が参加するというものであり、学際的性格が強いといえる。

<社会提言について>

 第1に、分野横断的な研究成果の社会へのフィードバックを国内外において試みている。二年目に実施した予備的アンケートの結果を、2nd Pugwash Workshop on Science, Ethics and Society (2004.9.10-12; フランス) で発表。さらに、同内容を科学技術ガバナンス・プロジェクトとして展開して、第三回科学技術社会論学会 (2004.11.13-14; 金沢) で発表。また、UKでの調査結果を科学技術社会論学会誌へ「イギリスにおける動物実験規制を支えている思考様式,実践的意思決定方式と社会」として投稿 (現在査読中)。
 三年目には、Symposium on teaching ethics to science and engineering students (2005.4.15-16; デンマーク) で "Measuring science and engineering student's value and ethical competence" を発表。また医療プロフェッションの自治・自律の必要性について「これからの医師団体のあり方についての一考察」(第4回科学技術社会論学会 2005. 11.12-13; 名古屋) を発表。
 第2に、グループ長自身がその一員である現場の技術者や教育現場への直接的フィードバックも試みている。

<人材育成について>

 本グループの活動は、現場からの技術者倫理ということで、科学技術の現場からの参画者がほしいのだが、なかなか実際には現場の第一線の若手研究者を見出すことができていない。この種の活動を行っているのは、現場から離れた年配の研究者であることが多い。一方、人文社会学領域では「科学技術者倫理」「生命倫理」領域が該当すると考えられるが、この分野では、若手研究者として一部兼任で雇用しているや神里をはじめとして、ある程度の研究者を育成しつつある。
 本グループの活動は、インタビューや研究会を通じて、研究者の心のうち (認識、価値) を感じ取り、生命に関する認識を歴史・法・文化・宗教・哲学的視点から考察する作業が主たる作業となる。このような作業を通して、多くのの若手研究者が興味を持ってくれることを期待している。
また、2006年8月10-13日には、若手研究者育成も目的として、他のプロジェクトと共同で人社横断企画夏のセミナー 「社会的課題へのナレッジ・ストラテジー」を予定している。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

2004年8月4-7日、北海道・キロロ、「科学技術とグローバル・ガバナンス・セミナー」、40名(科学技術ガバナンスプロジェクト全体とグローバルガバナンスプロジェクト合同セミナー)
2006年8月10-13日開催予定、静岡・富士、人社横断企画夏のセミナー 「社会的課題へのナレッジ・ストラテジー」(「科学技術ガバナンス」・「ボトムアップ人間関係論」・「資源配分のメカニズムと公正」・「千年持続学」各人社プロジェクト共催)、30名

論文、著書等:

大上泰弘『動物実験の生命倫理』(東信堂)、2005年1月、1−352頁。
打越綾子「自治体における動物愛護管理行政の構造と過程」、『成城法学』73号、2005年3月、p266〜305。
神里彩子「医療専門職集団の未来像」、『現代のエスプリ』 458号、2005年 9月号 p72〜79。
城山英明「医療過誤への対応と医療安全の確保」、『現代のエスプリ』458号、2005年9月、 p86〜96。
神里彩子 「イギリスと日本における動物実験規制−動物観と法制度設計」『ボーダレス化時代における法システムの再構築 ・科学技術の発展と法』 (報告書分担執筆)、2006年3月、p19〜30。

  

プロジェクト名:

科学技術ガバナンス

グループ名:

科学技術の進展と国際問題−安全保障リスクのガバナンス

リーダー名(所属):

鈴木 達治郎
(財)電力中央研究所・東京大学公共政策大学院

関連サイト:

   http://scitech-gov.org/

組織構成:

鈴木 達治郎:グループ長、電力中央研究所上席研究員、東京大学公共政策大学院客員教授(原子力政策、科学技術政策)
城山 英明:東京大学法学部教授(行政学、科学技術と公共政策)
鈴木 一人:筑波大学大学院人文社会科学研究科国際政治経済学専攻専任講師(欧州国際政治、宇宙政策)
田所 昌幸:慶應大学法学部教授(国際政治)
青木 節子:慶應大学総合政策学部教授(国際法、宇宙法)
佐藤 丙午:拓殖大学海外事情研究所教授(輸出管理政策)
久住 涼子:一橋大学大学院法学研究科博士後期課程(国際法、原子力法)[現在国際原子力機関(IAEA)にて研修中]
平川 秀幸:大阪大学コミュニケーションデザインセンター助教授(科学技術社会論、規制政策)
大上 泰弘:帝人ファーマ(株)生物医療総合研究所主任研究員(生命工学、技術者倫理)
勝田 忠広:東京大学大学院法学政治学研究科 客員研究員(原子力と国際関係)
Michael Chinworth(米)バンダービルト大学講師(防衛産業政策、安全保障)
Li Bin (China)精華大学 軍縮管理研究所教授(科学と安全保障)
Jungmin Kang (S. Korea)ソウル大学研究員(核不拡散、原子力政策)

これまでの研究成果:

<概要>

 軍民両用技術のガバナンスの重要課題として、本研究グループは「安全保障貿易管理」(輸出管理)に焦点を当ててきた。1−2年目(2003-04年)は日本の法制度とその運用実態を詳細に調査・分析し、米国や欧州の管理制度・運用との相違を明らかにした。その成果を「国際安全保障学会誌」に論文として発表した。また、安全保障貿易管理分野における、官・民・学の交流促進、専門家ネットワークの確立も、本プロジェクトの重要なねらいであったが、(財)安全保障貿易情報センター(CISTEC)との協力関係も確立し、2005年6月には「安全保障貿易学会」も設立され、研究メンバーが幹事役として参加するなど、当初の目的を十分に達成しつつある。
 2−3年目(2004-05年)は、主に東南アジア諸国の安全保障貿易管理に焦点を当て、香港、シンガポールといったアジアの主要な貿易先進国での法制度とその運用実態を調査、さらに法制度が未整備だが重要なハブとなっているタイやマレーシアも現地調査を行った。日本からの非合法輸出がそのような第3国経由で実行されていることを考えると、東南アジア諸国の安全保障貿易管理がきわめて重要であり、この調査分析の結果を英文論文にて2006年中に公表する予定である。

<学際性について>

 本グループは、リーダーが工学系出身、メンバーは国際政治、行政学(公共政策)、国際法、科学技術社会論、企業技術の専門家であり、スタッフには工学系、国際法の専門家が加わっている。海外の協力者も、工学系(韓国)、国際政治(米国)、科学と安全保障(中国)など、極めて学際性に富んだチーム構成となっている。

<社会提言について>

 第1に、現場を踏まえた分野横断的な論文の公表を通して、軍民両用技術と国際関係(とくに安全保障)の関係に対する理解の促進を図る。日本では、これまで軍縮や兵器の管理政策についての分析は多かったが、軍民両用技術と国際関係(とくに安全保障)の関係について、深い分析をおこなった研究はあまり存在していない。技術の観点、企業・政府の観点を踏まえた、民両用技術にかかわる国際レジーム、各国の政策、その相互作用に注目した研究成果に関しては社会の関係者からの関心も高い。なお、研究成果の社会へのフィードバックに関しては、本研究プロジェクト関係者も設立に関与した産官学の関係者による安全保障貿易学会の場も活用していく。
 第2に、最先端技術の事前評価とガバナンスのあり方への提言を行いたい。ナノテクノロジーやロボット、暗号技術といった、民生用最先端技術を対象に、その軍事転用リスクを事前に評価する手法、技術のもつ利点を活かしつつ、リスクを最小に抑えるようなガバナンスのあり方、などについて、新たな知見や提言を提示することができると期待される。

<人材育成について>

 本グループでは以下の2名の若手研究者が参加している。久住は現場にも関わるという観点からOECDやIAEAにおいて現場研修を行い、視野を広めている。また、勝田は、工学系の博士号取得者であるが、現在、社会科学系の研究環境の下で、原子力と国際関係に関する文理横断的な研究を進めつつある。
 久住涼子:一橋大学大学院法学研究科博士後期課程(国際法、原子力法)[現在国際原子力機関(IAEA)にて研修中]
 勝田忠広:東京大学大学院法学政治学研究科 客員研究員(原子力と国際関係)
 また、2006年8月10-13日には、若手研究者育成も目的として、他のプロジェクトと共同で人社横断企画夏のセミナー 「社会的課題へのナレッジ・ストラテジー」を予定している。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

2004年1月28日、東京、公開講演会「軍民両用技術をめぐる国際規制、米国政策、及び最近の政策課題について」、20人
2004年1月29日、東京、公開研究会「日本の防衛産業について」、20人
2004年8月4-7日、北海道・キロロ、「科学技術とグローバル・ガバナンス・セミナー」、40名(科学技術ガバナンスプロジェクトとグローバルガバナンスプロジェクト合同セミナー)
2005年3月16日18日、東京、国際研究会「米国における輸出管理の事例研究」、20人
2005年4月28日(物質・材料研究機構と共催)、筑波、「ナノテクと社会:社会学者の期待と懸念」、60人
2006年1月31日、東京、国際研究会「東南アジアにおける安全保障貿易管理」、15人
2006年8月10-13日開催予定、静岡・富士、人社横断企画夏のセミナー 「社会的課題へのナレッジ・ストラテジー」(「科学技術ガバナンス」・「ボトムアップ人間関係論」・「資源配分のメカニズムと公正」・「千年持続学」各人社プロジェクト共催)、30名

論文、著書等:

青木節子「バイオテロに関する国際的枠組み」、『グローバル時代の感染症』(慶応出版)、2004年6月、45−81頁。
城山英明「安全確保のための法システム−責任追及と学習、第三者機関の役割、国際的調和化−」、『思想』第963号、2004年6月、140-163頁。
青木節子「新世紀の宇宙軍事利用−停滞する国際法と信頼醸成措置の可能性」、『大量破壊兵器の軍縮論』(信山社)、2004年7月、301−325頁。
鈴木達治郎、田所昌幸、城山英明、青木節子、久住涼子「日本の安全保障貿易管理−その実践と課題−」、『国際安全保障』第32巻2号、2004年9月、1-30頁。
鈴木一人「欧州における軍民両用技術開発と安全保障貿易管理」、『国際安全保障』第32巻2号、2004年9月、73−97頁。
佐藤丙午「米国の不拡散政策と輸出管理」、『国際安全保障』第32巻2号、2004年9月。
マイケル・チンワース「東芝機械事件の再検討」、『国際安全保障』第32巻2号、2004年9月。
鈴木達治郎、「プルトニウム問題と科学者平和運動」、藤原修・岡本三夫編『いま平和とは何か』(法律文化社)第9章、2004年。
鈴木達治郎、田邊朋行「放射性廃棄物規制における社会的要因と科学的根拠−日米比較より」、城山英明・山本隆司編『融ける境 越える法5:環境と生命』(東京大学出版会)第2章、2005年、61−82頁。
J. Kang, P. Hayes, L. Bin, T. Suzuki and R. Tanter, "South Korea's Nuclear Surprise," Bulletin of Atomic Scientists, January/February 2005, pp. 40-49.
青木節子「宇宙ウェポニゼーション時代における国会決議の意味」、『航空宇宙法の新展開』、2005年3月、383−412頁。
Peter Hayes, David von Hippel, Jungmin Kang, Ttasujiro Suzuki, Richard Tanter, Scott Bruce, "Grid-Locked," The Bulletin of Atomic Scientists, January/Feburary 2006, pp. 52-58.
田所昌幸編著『ロイヤル・ネイヴィーとパクス・ブリタニカ』(有斐閣)、2006年、1−254頁。