プロジェクト名:
医療システムと倫理
グループ名:
医療システムと医療専門家組織、保険者、民間保険機関の役割
リーダー名(所属):
吉田 あつし 筑波大学
組織構成:
グループ長
吉田 あつし(筑波大学・教授)(研究の総括)
研究参加者
三橋 平(筑波大学・助教授)(同窓ネットワークと医療者養成)
村澤 康友 (大阪府立大学・教授)(医療サービス市場規制と社会厚生)
鹿野 繁樹(大阪府立大学・講師)(医療・介護と家族の役割)
高木 真吾(北海道大学・助教授)(医療サービス市場規制と社会厚生)
西本 真弓(阪南大学・助教授)(医療・介護と家族の役割)
遠藤 秀紀(日本福祉大学・講師)(医療サービス市場規制と社会厚生)
山村 麻理子(医療経済研究機構・研究員)(保険者再編と保険者機能)
川村 顕(筑波大学・産学連携研究員)(医療サービス市場規制と社会厚生)
西田 喜平次(筑波大学・博士後期課程)(医療サービス市場規制と社会厚生)
鶴田 芳貴(筑波大学・博士後期課程)(保険者再編と保険者機能)
牛島 光一(筑波大学・博士後期課程)(発展途上国の医療保険制度)
佐藤 伸彦(砺波サンシャイン病院・医師)(医療・介護と家族の役割)
小暮 克夫 (カンボジア統計局JICA派遣adviser)(発展途上国の医療保険制度)
これまでの研究成果:
<概要>
このグループは、医療システムにおいて、(1)医療専門家組織(医師会や大学同窓ネットワーク)がよりよい医療サービスの供給にどのような機能を果たしているか、(2)市場システムの中で医師や病院、および患者とその家族はどのように行動するのか、について研究を行ってきた。(1) 大学同窓ネットワークと医療者の養成については、2年おき10年分の「関東病院情報」および2年おき8年分の「茨城県勤務医名簿」を用いて実証分析を行い、大病院に占める特定大学出身者の比率はほとんど変化せず、大学と病院の関係は比較的安定的であることが確認された。(2) については、患者の医療費負担が変化したとき(97年の患者一部自己負担率の改正および老人保健適用年齢になることによる一部負担率の低減)に患者とその家族の医療需要がどう変化するかを検証した。同時に、患者負担が変化するとき、医師の診療行為がどう変化するのかを明らかにした。さらに、診療所の立地が空間的競争の結果どのように決まるのかを分析した。
<学際性について>
このプロジェクトは、経済学を主たる研究領域とする研究者を中心に、社会学者や民間の医師を構成員としている。研究テーマも、医療経済学の代表的なテーマ(保険制度と医師や患者のインセンティブ)にとどまらず、高齢者患者の療養型病床への入院と家族のあり方との関係や、発展途上国での医療保険制度の導入と医療需要についての研究など、社会学的なアプローチも必要なテーマに取り組んでいる。また、適宜、学外の研究者を講師として呼び、社会学、歴史人口学、統計学などの最新の研究動向について筑波大学でセミナーを開催している。さらに、このプロジェクトに直接にはかかわらないが、近接した研究テーマについて学内外の研究者とコンファレンスを開催したり、共同研究を行っている。
<社会提言について>
このプロジェクトの研究成果は、外国雑誌を中心とする査読つき学術雑誌に投稿し、発表をする。研究者として最も重要なことは、研究の中で生み出した新しいアイデアを、まずは同じ研究者に認知してもらうことだと考えるからである。他方で、現場医師との共同による医療制度改革の医療現場への影響の分析について、「新書」形式の一般向け出版物として発表する。政策担当者が読んでも面白く、新しい視点や情報が含まれるような新書を目指している。さらに、研究者向けの専門書を出版することにより、経済学、社会学、政治学等の社会科学研究者に対しても研究成果を公表する。
<人材育成について>
本プロジェクトは、代表者の吉田を除けば30代の若手の研究者と大学院生を中心に組織されている。また、平成17年度は二人、18年度は一人のポスドクを雇用する一方、大学院生をRAとして雇用することにより、博士号取得者や取得予定者に研究のインセンティブを与えている。この中で、平成17年度に雇用したポスドクは、年度途中で韓国の政府系研究所に就職先を見つけている。また、RAとなっている大学院生とも共同で論文を書き、そのいくつかは査読付学術雑誌に採択されている。現在のメンバーのうち、三人が博士後期課程の学生であり、二人(山村、小暮)は博士課程に在籍しながら一時休学して、JICAや研究機関で実務経験をつんでいる。これら五人は博士号の取得を考えている。
シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:
開催年:2005年2月14日〜2月15日
開催場所:北海道大学 ファカルティハウス エンレイソウ
名称:「医療システムと医療専門家組織、保険者、民間保険機関の役割」研究集会
参加人数:13名
開催年:2006年2月13日〜2月14日
開催場所:大阪府立大学 中百舌鳥キャンパス 学術交流会館小ホール
名称:「医療システムと医療専門家組織、保険者、民間保険機関の役割」研究集会
参加人数:20名
論文、著書等:
| (1) |
吉田あつし、川村顕、「1997年自己負担率の改定と歯科サービスの需要及び供給 の変化」、『医療と社会』第13巻4号、2004, pp.95-112. |
| (2) |
吉田あつし、山村麻理子、「老人保健制度と医療サービスの需要および供給」, 筑波大学社会工学系DP 1044、2004、pp.1-25. |
| (3) |
吉田あつし、「公的医療保険制度におけるインセンティブの構造」、『現代のエスプリ』458号、2005、pp.80−85. |
| (4) |
Yoshida, A. and S, Takagi. Physician-patient Interaction and the Provision of Medical Services under Different Co-payment Schemes, 筑波大学社会工学系DP 1150, 2006, pp.1-36. |
| (5) |
西田喜平次、吉田あつし、「歯科診療所の空間的競争と立地均衡」、『応用地域学研究』、近刊 |
| (6) |
吉田あつし、幸野聡、「茨城県における診療所間の空間的競争」、『日本統計学会誌』、近刊 |
| (7) |
Yoshida, A. and Young-Sook Kim. "Sharing Health Risk and Income Risk within Households: Evidence from Japanese Data" forthcoming in Applied Economics |
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