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人文・社会科学振興プロジェクト研究事業

プロジェクト研究の成果

 
 
プロジェクト研究一覧表
 
平成18年7月作成

研究領域 3
Project Number 3-2


プロジェクト研究名:

医療システムと倫理

プロジェクト・リーダー名(所属):

清水 哲郎
東北大学大学院・文学研究科

平成17年度までの研究成果について

<概要>

 本プロジェクト研究は、現代社会における医療の諸問題を解決し、その望ましいあり方を実現することを目指して、科学技術を担いまたそこから益を得る人間および社会に注目する視点に立つ人文・社会科学諸領域の研究者が、医療・看護・福祉系の研究者、現場の医療・福祉従事者、そして一般市民と共同で、個別の医療現場から社会の医療体制までを視野に収めて、諸レベルで医療のシステムと倫理を探り、医療が今後どうあるべきかを提言することを目指すものである。そこで、現場と密着した臨床倫理学研究および社会システムレベルでの実証的経済学研究を軸とする二つのコア研究により、他のプロジェクト研究とも交流しつつ、研究を展開してきた。
 研究グループ<医療現場における意思決定・問題解決・協働>は、

  1. 臨床倫理検討システム開発とその医療システムへの組込み、
  2. 臨床倫理事例検討と連動したナラティブ・メソッドのブラッシュアップ、
  3. 地域における医療・福祉ネットワークの望ましいあり方、
  4. 臨床研究の倫理(東北大21世紀COE CRESCEND0への協力)

を行い、医療や臨床研究が行われる現場に視点を置いて、医療システム全体の今後のあるべき姿を見定めることを目指してきた。主要な研究成果は、医療現場に対する提言でもあり、すでに様々な仕方で現実の医療現場に対する提言活動を行い始めている。
 研究グループ〈医療システムと医療専門家組織、保険者、民間保険機関の役割〉は、

  1. 医療専門家組織が医療サービスの供給において果たす機能、
  2. 社会厚生水準を高めるための公的医療・介護保険制度の改革の方向および家族の機能、
  3. 民間保険と公的保険の役割分担、
  4. 公的医療保険に関する他の先進国の改革と日本の改革の比較研究、

を、データを用いて実証的研究として進めてきた。社会における医療システムのあり方に対する提言となり得る研究成果をあげつつある。

<学際性・社会提言・人材育成について特記すべき事項>

 本プロジェクト研究は、医療システムを現場レベルから政策レベルまでを含めて対象としているため、研究は、学際的とならざるをえない。すなわち、科学技術としての医学を支える知に対して、人間と社会についての知を探求する人文・社会系の知が加わることによって、真に人間のウェル・ビイングを実現することを目指しているという意味で、学際性は当然であり、さらには現場の個別的・具体的な知との協働が目指されてもいる。
 また、このような研究の目指すところからして、研究成果としては直ちに社会提言になるものが期待され、医療現場の質の向上に現実に資する成果がでなければ、研究成果があったとはいえないのである。
 人材育成については、2グループともそれぞれ研究員の雇用や大学院生の積極的参加を得ており、順調に進んでいるといえよう。

  

プロジェクト名:

医療システムと倫理

グループ名:

医療現場における意思決定・問題解決・協働

リーダー名(所属):

清水哲郎
東北大学大学院・文学研究科

関連サイト:

   http://www.sal.tohoku.ac.jp/philosophy/MedSys/

組織構成:

清水 哲郎、東北大学大学院文学研究科、研究の総括・臨床倫理システム開発
石垣 靖子、北海道医療大学/東札幌病院、臨床倫理システム開発
佐藤 伸彦、砺波サンシャイン病院、臨床倫理システム開発協力
松浦 明宏、東北大学大学院文学研究科、臨床倫理学理論
M町 久美子、東京工業大学大学院・博士後期課程、臨床倫理学理論
日笠 晴香、東北大学大学院文学研究科・博士後期課程、臨床倫理学理論
野家 啓一、東北大学大学院文学研究科、ナラティブ・メソッドの臨床応用
島薗 進、東京大学大学院人文社会系研究科、ナラティブと死生学
竹之内 弘文、静岡大学農学部・助教授、地域の医療・福祉ネットワーク
岡部 健、社団法人爽秋会岡部医院、地域の医療・福祉ネットワーク
鈴木 岩弓、東北大学大学院文学研究科、地域の医療・福祉ネットワーク
直江 清隆、東北大学大学院文学研究科・助教授、臨床研究の倫理
田代 志門、日本学術振興会特別研究員PD、臨床研究の倫理/地域ネットワーク
山本 史華、東北大学大学院薬学研究科21COE、臨床研究の倫理

これまでの研究成果:

<概要>

  1. 臨床倫理検討システム開発と医療システムへの組込み:医療者たちが患者・家族と共に医療を進めていくあり方の向上を目指して、個別問題の倫理的検討と解決のためのシステム設計と、その医療機関の活動への組み込み方を、現場の医療者たちと共同で研究してきた。医療・看護系の各種団体の研修会等でその成果を公表し、また、本研究プロジェクト主催の臨床倫理ベーシック研修会を開催して、検討システムの浸透を図ってきた。
  2. ナラティブ・メソッドのブラッシュアップ:上述の研究をサポートする活動として、事例検討における患者・家族の語ることばの分析を重ね、分析法を探ってきた。
  3. 地域における医療・福祉ネットワークのあり方:宮城県の在宅ホスピス・ネットワーク形成を目指して、医療と介護にまたがるケア活動を社会的にどう実現するかを検討してきた。若手研究者グループは地元医療機関に入り込み、臨床死生学として地域の文化に相応した医療・福祉のあり方を探ってきた。
  4. 臨床研究の倫理(東北大学21世紀COE−CRESCENDOとの連携活動):医療現場における倫理として、臨床倫理と並んで臨床研究の倫理を打ち立てることが必要である。そこで、実際の臨床研究の現場とつながりながら、被験者保護等をテーマに諸問題を検討してきた。

<学際性について>

 本研究グループが扱う対象からいって、学際性は必然的である。

  1. 臨床倫理検討システム:哲学・倫理学の理論を踏まえた研究者と、医療・看護の専門家との共同研究であることが必須である。さらに、事例検討に際しては、当事者の心理や社会的状況の視点からの分析が有益であり、当該分野の研究者の協力を得てきている。
  2. ナラティブ・メソッド:患者・家族の語ることばの理解をめぐって、現場の実践と文学系の理論とが出会う必要があった。この面の学際的協力は今後強化する必要がある。
  3. 地域の医療・福祉ネットワーク:さらに広範囲の学際性が必要である。地域の文化を理解する作業においては、宗教学や社会学、日本思想史等の研究者との協働がなされている。
  4. 臨床研究の倫理:臨床研究のあり方についていろいろな視点からアプローチしている諸研究者の協力を得て、研究活動を進めている。

<社会提言について>

 本研究グループの研究成果は全体として、医療現場の質の向上に資するものである。研究自体が医療現場に寄り添ってなされてきており、アクション・リサーチであると言える。

  1. 臨床倫理検討システムについては、研究成果自体が社会への提言に他ならない。つまり、医療現場で医療者たちがどのように患者・家族と適切に協働するかを示すものであり、提言することがらが実用になるようなものでなければ、研究成果として評価できないからである。すでにこの面では、研修会を開催するという仕方で、社会提言を行いつつある。
  2. ナラティブ・メソッドも、この成果をサポートするものとなる。
  3. 地域の医療・福祉ネットワークも具体的なネットワーク形成への協力、地元の文化理解による医療の質の向上を目指しており、成果が社会提言にほかならない。
  4. 臨床研究の倫理も臨床研究の望ましいあり方を見出すことを目指している以上、成果はそのまま社会提言となる。

<人材育成について>

 産学官等連携研究員を雇用し、大学院生に謝金を支払って研究協力をし易い環境を設定するなどして、若手研究者の育成に力を入れてきた。また、大学院の授業の一つを本研究プロジェクトと連動するものとして、理論的探求とともに、学生が臨床現場に触れる機会を提供すべく努めてきた。若手研究者たちが自主的に地域の医療機関を場として、臨床現場に触れながら研究するようになり、そこには哲学・倫理学に加えて、社会学、宗教学、日本思想史等々の分野の若手が参加しつつある。
 また、臨床倫理の研修会を開催して、医療現場の医師や看護師らが、臨床倫理の営みを適切にできるようにサポートする活動も、本研究プロジェクトとしては重要な人材育成である。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

  • 2004年1月24〜25日、ホテルサンルート仙台・藤、研究集会《医療の質の向上を目指して》、講演・発表計23題、参加約100名
  • 2004年7月17日、ホテルサンルート仙台会議室、臨床倫理研究会:高齢者医療・介護の臨床倫理、発表2題、参加約40名
  • 2004年10月15日、東北大学文科系総合研究棟大会議室、公開講演会:ロジャー・クリスプ、ヘルスケア資源をどう配分するか:QOLを考慮した生存年数(QALY)か、それとも徳か、参加約15名
  • 2004年11月6日、水戸リバーサイドホテル大会議室、臨床倫理研究会−水戸セッション:臨床倫理検討シートによる事例検討、講演1題・事例報告2題、参加43名
  • 2005年1月29日、ホテルメトロポリタン仙台・星雲、研究集会《臨床研究の倫理》、講演・報告4題、参加約30名
  • 2005年2月6日、ホテルメトロポリタン仙台・藤、臨床倫理研究会:事例検討、参加約25名
  • 2005年4月16日、東京・サンケイプラザ会議室、集会「尊厳死っ、てなに?」(特定非営利活動法人ALS/MNDサポートセンターさくら会との共催)、講演2、コメント2、参加248名
  • 2005年7月31日、富山国際会議場・特別会議室、研究会「ナラティブホーム構想−福祉・医療・介護のクリニカルガバナンス」(ナラティブホーム研究会との共催)、参加38名
  • 2006年2月4日、ホテルリッチフィールド仙台・フェニックス、公開シンポジウム《臨床研究の倫理−被験者保護システムの展望−》、提題4・コメント2、参加者93名
  • 2006年3月11〜12日、東京八重洲ホール会議室、臨床倫理ベーシック研修会、参加者26名

論文、著書等:

  • 臨床倫理検討システム開発プロジェクト、臨床倫理検討システム最新版−2004春、『臨床倫理学』4、1-17、2004.3
  • 丸山公子・布施裕子・菊入末子・清水哲郎、治療を自己決定できた高齢喉頭がん患者の一事例−臨床倫理検討シートを活用して、『臨床倫理学』4、18-23、2004.3
  • 佐藤伸彦、高齢者終末期に関する意思決定、『臨床倫理学』4、24-33、2004.3
  • 清水哲郎、コミュニケーションとケアの倫理、『臨床倫理学』4、57-69、2004.3
  • 清水哲郎、倫理原則をどう捉えるか・・・二重結果論 vs 相応性論、『臨床倫理学』4、70-79、2004.3
  • 松浦明宏、医学教育における「隠れたカリキュラム」、『臨床倫理学』4、90-100、2004.3
  • 清水哲郎、サイコオンコロジーと臨床倫理、『臨床精神医学』、33-5、519-523、2004.5
  • 清水哲郎、意識を下げること−鎮静−による緩和の倫理、『現代医療』、36-6、84-90、2004.6
  • 竹之内裕文、人間の死生とスピリチュアルケア、『モラーリア』、11、63-98、2004.10
  • 清水哲郎、医療現場におけるパートナーシップ−意思決定プロセスにおけるコミュニケーション、日本学術振興会『学術月報』、58-2、140-142、2005.2
  • 清水哲郎、緩和ケアにおける臨床的選択−患者の最善をどう見出すか−、『緩和ケア』、15-2、96-102、2005.3
  • 清水哲郎、倫理的な能力をどうはぐくむか−臨床倫理の立場から、『日本看護学教育学会誌』、14-3、63-67、2005.3
  • 清水哲郎・伊坂青司、生命と人生の倫理、放送大学教育振興会、(担当部分)9-24,63-193、2005.3
  • 田代志門、地域社会におけるホスピス運動の多元的形成と展開−岡山の事例にみる3つの『理念』の競合、『保健医療社会学論集』、16-1、1-12、2005.6
  • 清水哲郎、医療現場における意思決定のプロセス− 生死に関わる方針選択をめぐって、『思想』、976、4-22、2005.8
  • 清水哲郎、ケアとしての医療とその倫理、川本隆史編『ケアの社会倫理学』有斐閣、105-130、2005.8
  • 佐藤伸彦、医療の現場から−何故、今、クリニカル・ガバナンスなのか、『現代のエスプリ』、458、129-138、2005.9
  • 浜町久美子、看護職の立場からのクリニカル・ガバナンス−納得のためのプロセスとしての合意形成、『現代のエスプリ』、458、139-148、2005.9
  • 清水哲郎、医療現場におけるパートナーシップ、『現代のエスプリ』、458、161-170、2005.9
  • 竹之内裕文、死すべきものと四季の風光 − 父と子の一風景、『緩和ケア』、15−9月号、544−547、2005.9
  • 山本史華、忘れられた正義の復権−臨床研究におけるアフターケア倫理の構築、東北大学倫理学研究会『モラリア』、12、93-115、2005.10
  • 清水哲郎、医療・看護現場の臨床倫理、坂本他編『生命倫理−21世紀のグローバル・バイオエシックス』、北樹出版、157-167、2005.10
  • 清水哲郎、臨床倫理という営み、『理想』675、2-11、2005.10
  • 浜町久美子、医療におけるインゴームド・コンセントと合意形成、『医学哲学・医学倫理』、23、11-22、2005.10
  • 清水哲郎、在宅ホスピスケアを推進するネットワークを造る、『がん看護学会誌』、19-2、37-38、2005.11
  • 竹之内裕文、自然観と死生観−近代日本思想における「自然との共生」をめぐって、岩手哲学会編『フィロソフィア・イワテ』、37、1-25、2005.11
  • 清水哲郎、共有することとしてのコミュニケーション、※メンタルケア協会編『メンタルケア論』2、167−183、2005.11
  • 清水哲郎、※終末期医療としての高齢者医療−患者・家族・医療者間の倫理をめぐって、『Geriatric Medicine(老年医学)』、44-1、51-56、2006.1
  • SHIMIZU, Tetsuro、The Dicision-Making Process in Medicine: treatment choices that affect life and death、21st Century COE Program DALS, Graduate School of Humanities and Sociology, The University of Tokyo "Philosophy of Uncertainty and Medical Decisions"、119−123、2006.3

(本研究グループの協力者の論文)

  • 染矢 百合・藤本啓子、ある看取り・・・緩和ケア病棟にて、『臨床倫理学』4、34-43、2004.3
  • 梶原 葉月、動物医療用検討シートの試用(【トピック】動物医療にも臨床倫理が必要です)、『臨床倫理学』4、43-47、2004.3
  • 鷲巣 月美、日本における動物医療の現状(【トピック】動物医療にも臨床倫理が必要です)、『臨床倫理学』4、47-48、2004.3
  

プロジェクト名:

医療システムと倫理

グループ名:

医療システムと医療専門家組織、保険者、民間保険機関の役割

リーダー名(所属):

吉田 あつし
筑波大学

組織構成:

グループ長
吉田 あつし(筑波大学・教授)(研究の総括)

研究参加者
三橋 平(筑波大学・助教授)(同窓ネットワークと医療者養成)
村澤 康友 (大阪府立大学・教授)(医療サービス市場規制と社会厚生)
鹿野 繁樹(大阪府立大学・講師)(医療・介護と家族の役割)
高木 真吾(北海道大学・助教授)(医療サービス市場規制と社会厚生)
西本 真弓(阪南大学・助教授)(医療・介護と家族の役割)
遠藤 秀紀(日本福祉大学・講師)(医療サービス市場規制と社会厚生)
山村 麻理子(医療経済研究機構・研究員)(保険者再編と保険者機能)
川村 顕(筑波大学・産学連携研究員)(医療サービス市場規制と社会厚生)
西田 喜平次(筑波大学・博士後期課程)(医療サービス市場規制と社会厚生)
鶴田 芳貴(筑波大学・博士後期課程)(保険者再編と保険者機能)
牛島 光一(筑波大学・博士後期課程)(発展途上国の医療保険制度)
佐藤 伸彦(砺波サンシャイン病院・医師)(医療・介護と家族の役割)
小暮 克夫 (カンボジア統計局JICA派遣adviser)(発展途上国の医療保険制度)

これまでの研究成果:

<概要>

 このグループは、医療システムにおいて、(1)医療専門家組織(医師会や大学同窓ネットワーク)がよりよい医療サービスの供給にどのような機能を果たしているか、(2)市場システムの中で医師や病院、および患者とその家族はどのように行動するのか、について研究を行ってきた。(1) 大学同窓ネットワークと医療者の養成については、2年おき10年分の「関東病院情報」および2年おき8年分の「茨城県勤務医名簿」を用いて実証分析を行い、大病院に占める特定大学出身者の比率はほとんど変化せず、大学と病院の関係は比較的安定的であることが確認された。(2) については、患者の医療費負担が変化したとき(97年の患者一部自己負担率の改正および老人保健適用年齢になることによる一部負担率の低減)に患者とその家族の医療需要がどう変化するかを検証した。同時に、患者負担が変化するとき、医師の診療行為がどう変化するのかを明らかにした。さらに、診療所の立地が空間的競争の結果どのように決まるのかを分析した。

<学際性について>

 このプロジェクトは、経済学を主たる研究領域とする研究者を中心に、社会学者や民間の医師を構成員としている。研究テーマも、医療経済学の代表的なテーマ(保険制度と医師や患者のインセンティブ)にとどまらず、高齢者患者の療養型病床への入院と家族のあり方との関係や、発展途上国での医療保険制度の導入と医療需要についての研究など、社会学的なアプローチも必要なテーマに取り組んでいる。また、適宜、学外の研究者を講師として呼び、社会学、歴史人口学、統計学などの最新の研究動向について筑波大学でセミナーを開催している。さらに、このプロジェクトに直接にはかかわらないが、近接した研究テーマについて学内外の研究者とコンファレンスを開催したり、共同研究を行っている。

<社会提言について>

 このプロジェクトの研究成果は、外国雑誌を中心とする査読つき学術雑誌に投稿し、発表をする。研究者として最も重要なことは、研究の中で生み出した新しいアイデアを、まずは同じ研究者に認知してもらうことだと考えるからである。他方で、現場医師との共同による医療制度改革の医療現場への影響の分析について、「新書」形式の一般向け出版物として発表する。政策担当者が読んでも面白く、新しい視点や情報が含まれるような新書を目指している。さらに、研究者向けの専門書を出版することにより、経済学、社会学、政治学等の社会科学研究者に対しても研究成果を公表する。

<人材育成について>

 本プロジェクトは、代表者の吉田を除けば30代の若手の研究者と大学院生を中心に組織されている。また、平成17年度は二人、18年度は一人のポスドクを雇用する一方、大学院生をRAとして雇用することにより、博士号取得者や取得予定者に研究のインセンティブを与えている。この中で、平成17年度に雇用したポスドクは、年度途中で韓国の政府系研究所に就職先を見つけている。また、RAとなっている大学院生とも共同で論文を書き、そのいくつかは査読付学術雑誌に採択されている。現在のメンバーのうち、三人が博士後期課程の学生であり、二人(山村、小暮)は博士課程に在籍しながら一時休学して、JICAや研究機関で実務経験をつんでいる。これら五人は博士号の取得を考えている。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

開催年:2005年2月14日〜2月15日
開催場所:北海道大学 ファカルティハウス エンレイソウ
名称:「医療システムと医療専門家組織、保険者、民間保険機関の役割」研究集会
参加人数:13名

開催年:2006年2月13日〜2月14日
開催場所:大阪府立大学 中百舌鳥キャンパス 学術交流会館小ホール
名称:「医療システムと医療専門家組織、保険者、民間保険機関の役割」研究集会
参加人数:20名

論文、著書等:

(1) 吉田あつし、川村顕、「1997年自己負担率の改定と歯科サービスの需要及び供給 の変化」、『医療と社会』第13巻4号、2004, pp.95-112.
(2) 吉田あつし、山村麻理子、「老人保健制度と医療サービスの需要および供給」, 筑波大学社会工学系DP 1044、2004、pp.1-25.
(3) 吉田あつし、「公的医療保険制度におけるインセンティブの構造」、『現代のエスプリ』458号、2005、pp.80−85.
(4) Yoshida, A. and S, Takagi. Physician-patient Interaction and the Provision of Medical Services under Different Co-payment Schemes, 筑波大学社会工学系DP 1150, 2006, pp.1-36.
(5) 西田喜平次、吉田あつし、「歯科診療所の空間的競争と立地均衡」、『応用地域学研究』、近刊
(6) 吉田あつし、幸野聡、「茨城県における診療所間の空間的競争」、『日本統計学会誌』、近刊
(7) Yoshida, A. and Young-Sook Kim. "Sharing Health Risk and Income Risk within Households: Evidence from Japanese Data" forthcoming in Applied Economics