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人文・社会科学振興プロジェクト研究事業

プロジェクト研究の成果

 
 
プロジェクト研究一覧表
 
平成18年7月作成

研究領域 2
Project Number 2-1


プロジェクト研究名:

平和構築に向けた知の展開

プロジェクト・リーダー名(所属):

黒木 英充
東京外国語大学・アジア・アフリカ言語文化研究所・教授

平成17年度までの研究成果について

<概要>

 本プロジェクトは、平和構築の研究に向けて異なる3方向からアプローチし、独自の展開を果たしてきた。いずれも世界全体を守備範囲としながらも、「人間の安全保障」をキーワードに地域の文脈を重視してその概念自体を再構築しようというグループ、「人間の安全」が極限的に破壊されるジェノサイドを起点に諸学の体系を再編成しようというグループ、そして現在の地球上で最大のパワーをもつアメリカを研究対象にすえて、日本におけるその研究状況を批判的に組み直そうというグループが、相互乗り入れを図りながら、協力して多様な形で研究を進めてきた。国際的規模での大型シンポジウム、ワークショップは20を数え、研究者ネットワークを異分野間で、なおかつ国際的に広げることに成功してきた。欧米のみならずアジア・アフリカ諸国から研究者を招いての研究会議のうち、いくつかはすでに成果刊行物として世に出た。これらの研究活動を通じて、紛争や非安全の現状分析から直接将来のありうべき平和像を打ち立てるのではなく、安全の崩壊が生じた歴史的な背景と原因を綿密に多角的かつ批判的に検討し、いったんその個別性を地域的・国際関係的現場において再構成した上で、将来の平和構築を構想する、という研究方針が、世界各地における紛争の現場の視点から立ち上げられてきた。この研究活動はまた同時に、従来の個別性の殻の中で充足してきた第三世界研究や紛争研究、狭い意味での地域研究に対して、強い刺激と再編成の契機を与えてきたといえるであろう。

<学際性・社会提言・人材育成について特記すべき事項>

 3人のグループリーダーの専門領域がそれぞれ中東・ヨーロッパ・アメリカであることは、地球規模での平和構築研究を構想するのに有利に働いた。3グループの共同開催会議の企画、意識的な相互乗り入れの努力を通じて、従来予想もしなかったような異分野間の研究者が出会う機会が生まれた。政治学・歴史学を中心に、国際法、開発経済、宗教学、心理学、農学、医学といった異業種間の交流が実現した。研究書籍や専門学術誌の刊行、個別論文の発表に加えて、ウェッブページを通じての即時的情報提供や成果報告に腐心した。また活字媒体のみならず、写真・ドキュメンタリー映画といった芸術表現と研究との接点を探る試みもなされた。こうした研究活動から得られた知見を元に、多くの参加者がメディアを通じて社会に向けて広い意味での平和構築に関する発言を行ってきた。ジェノサイド研究グループにおいてとりわけ顕著に見られたように、PDクラスの若手研究者を連携研究員として雇用するなど、人材育成にも大きく貢献してきたといえよう。

  

プロジェクト名:

平和構築に向けた知の展開

グループ名:

地域研究による「人間の安全保障学」の構築

リーダー名(所属):

黒木 英充
東京外国語大学・アジア・アフリカ言語文化研究所・教授

関連サイト:

   http://www.aa.tufs.ac.jp/humsecr/

組織構成:

グループ長
黒木英充:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所:全体の統括・歴史学・中東

メンバー
阿部 健一:京都大学地域研究統合情報センター:生態学・東南アジア
飯島 みどり:立教大学法学部:歴史学・ラテンアメリカ
飯塚 正人:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所:イスラム学・中東
井坂 理穂:東京大学大学院総合文化研究科:歴史学・南アジア
石井 正子:京都大学地域研究統合情報センター:開発学・東南アジア
岩下 明裕:北海道大学スラブ研究センター:政治学・北東アジア
臼杵 陽:日本女子大学文学部:政治学・中東
宇山 智彦:北海道大学スラブ研究センター:歴史学・中央アジア
帯谷 知可:京都大学地域研究統合情報センター:歴史学・中央アジア
栗本 英世:大阪大学大学院人間科学研究科:人類学・アフリカ
黒崎 卓:一橋大学経済研究所:経済学・南アジア
河野 泰之:京都大学東南アジア研究所:農学・東南アジア
小林 誠:横浜市立大学国際関係学部:政治学・全世界
酒井 啓子:東京外国語大学大学院:政治学・中東
佐原 徹哉:明治大学政治経済学部:歴史学・バルカン
床呂 郁哉:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所:人類学・東南アジア
土佐 弘之:神戸大学大学院国際協力研究科:政治学・全世界
永原 陽子:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所:歴史学・アフリカ
真島 一郎:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所:人類学・アフリカ
松永 泰行:同志社大学一神教学際研究センター:政治学・中東
松野 明久:大阪外国語大学外国語学部:政治学・東南アジア
松林 公蔵:京都大学東南アジア研究所:医学・東南アジア
山岸 智子:明治大学政治経済学部:歴史学・中東
山根 聡:大阪外国語大学外国語学部:文学・南アジア

これまでの研究成果:

<概要>

 国家、民族・宗教宗派から個人に至る諸位相において政治的暴力の発生をいかに抑止し、人類の破滅を招来しないようないかなる安全保障の枠組を創出するか、という課題は今日の人文・社会科学研究者による喫緊の取り組みを要する。本グループは、問題に応じて一個人のレベルから地球社会全体にまで伸縮・拡張する「地域」を設定し、マルチ・ディシプリンをもって取り組む地域研究の特性を生かして、「人間の安全保障」をテーマに、上記の取り組みを実践することを目的として活動してきた。
 世界各地の紛争・共存のダイナミズムを、現地の社会的・文化的文脈の中に位置付け、一定の時間的スパンの中で分析・解釈し、現在進行中の事態に対応できるような「現地の知」を導出する研究は、依然として立ち後れている。本グループは、その欠を埋めるのみならず、地域研究の機動性と総合性を生かして、既存の研究成果の総合を可能にするような枠組を創り出すことも目指してきた。

<学際性について>

 本グループは「人間の安全保障」をキーワードとして、人文・社会科学の専門分野のほぼ全域と、農学・医学・生態学など自然科学分野をもカバーしつつ、そこで具体的な「学融合」の実験を試みてきた。「人間の安全保障」が戦時下でのあるいは物理的暴力からの安全のみを対象にするのではなく、環境問題や制度設計にも関わる総合的・全体的な視点から取り組む必要があるからである。この学際的かつ総合的な研究の試みは、新たな学問領域を開拓すると同時に、成果を各学問分野にフィードバックさせてそれを再活性化し、既成の枠組を再編する可能性がある。また、レバノンのベイルートに設置された「中東研究日本センター」を基軸に、中東地域に重点を置いて「人間の安全保障」研究を展開する準備をしてきた。

<社会提言について>

 本グループは、シンポジウムやワークショップを一般公開し、またその成果を可能な限りウェッブページで公開してきた。スーダンのダールフール問題など、その時々に注目すべき国際問題に関する緊急の講演会も開催した。また、学術論文や書籍による研究成果の発表のみならず、写真展や映画会議といった映像や音楽を使った芸術表現と「人間の安全保障」との接点をさぐる試みも続けてきた。こうした試みが、研究者や学生のみならず、一般市民、さらには高校生との交流を可能にしている。またグループのメンバーの多くが新聞や雑誌、テレビなどのマスメディアを通じて、研究活動に基づいた発言を恒常的に行っている。これらも社会提言の重要な一部をなしている。

<人材育成について>

 博士課程大学院生やPD若手研究者を研究会やシンポジウムにスピーカーとして直接させたり、議事録をとらせたりして、経験を積んでもらうといったレベルに留まっている。これはグループリーダーが研究所に所属しているという事情にもよっているが、若手研究者を養成することはこの事業の重要な目的でもあるので、さらに多くの場で若手を活躍できるような手立てを今後の課題として考えていきたい。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

2004年1月10日:霞ヶ関ビル・プラザホール(東京都):国際シンポジウム「人間の安全保障:地域研究からの視座」Human Security: Perspective from Area Studies: 242人
2004年4月23日:神戸大学六甲台キャンパス:「土佐弘之著『安全保障という逆説』をめぐって −「人間の安全保障」に対するスタンスを考える」10人
2004年5月1日〜16日:セッションハウス(東京都):ダニエル・エルナンデス-サラサール来日写真展(+講演会、シンポジウム):約300人
2004年8月25日:東京大学駒場キャンパス:緊急講演会「スーダンで今、何が起きているか」:約60人
2004年12月18-19日:国連大学エリザベス・ローズホール(東京都):国際シンポジウム「9.11後の世界における政治的暴力と人間の安全保障」Political Violence and Human Security in the Post-9.11 World:194人
2005年3月29日:東京外国語大学AA研:国際ワークショップ「東南アジアにおけるイスラームと平和構築」Islam and Peace-Building in Southeast Asia:15名
2005年4月23日:東京外国語大学AA研:国際ワークショップ「オスマン地中海世界における政治経済交流」Political and Economic Interaction in the Ottoman Mediterranean:23人
2005年6月4日:神戸大学六甲台キャンパス:シンポジウム「人間の安全保障とジェンダー」:約50人
2005年7月19日:東京外国語大学AA研:ワークショップ「分断から統合へ?−キプロスを中心とした東地中海地域変容の多角的分析」:43人
2005年9月23-24日:東京大学駒場キャンパス18号館ホール:国際シンポジウム「暴力を見つめる眼-アジア・アフリカ・ドキュメンタリー映画会議2005」:173人
2006年2月13日:東京外国語大学AA研:国際ワークショップ「キプロスの安全保障」:20人
2006年3月18日:東京大学駒場キャンパス18号館ホール:国際シンポジウム「暴力/ジェノサイドの記憶−平和構築過程におけるその意味」The Memory of Violence/ Genocide: Its Meaning in the Process of Peace Building:89人

論文、著書等:

(原則的に2005年以降のものに限る)
OBIYA Chika & KUROKI Hidemitsu (eds.), Political Violence and Human Security in the Post-9.11 World, JCAS Symposium Series 24, 253+iv pp., 2006.
Tetsuya Sahara, "Forced Ethnic Migrations and Modernity in the Balkans," Forced Ethnic Migrations on the Balkans: Consequences and Rebuilding of Societies, IMIR Sofia, pp.23-41, 2006.
山根聡「多言語社会における国語教育」『異文化コミュニケーションを学ぶ人のために』世界思想社, pp.52-68, 2006.
飯塚正人「中東から見る世界と日本の中東政策」『学芸総合誌 環』21, 藤原書店, pp.48-53, 2005.
岩下明裕『北方領土問題』中公新書, pp.264, 2005.
臼杵陽・酒井啓子編『イスラーム地域の国家とナショナリズム』東京大学出版会, 274pp, 2005.
黒木英充「中東世界と人間の安全保障」Human Security No.9, pp.69-91, 2005.
酒井啓子『イラクはどこへ行くのか』岩波書店, 71pp, 2005.
小林誠「人道的介入のスタンダード?国際関係の倫理化と『国際共同体』の言説」『アソシエ』16, 2005.
土佐弘之「ジェンダーと国際関係の社会学」梶田孝道編『新・国際社会学』名古屋大学出版会, pp.65-85, 2005.
永原陽子「「人種戦争」と「人種の純粋性」をめぐる攻防」歴史学研究会編『帝国への新たな視座』青木書店, pp.323-370, 2005.
松永泰行「イスラーム「対米ジハード主義」と「対テロ戦争」」青木一能編『地球型社会の危機』芦書房, pp.245-270, 2005.
ダニエル・エルナンデス-サラサール、飯島みどり『グアテマラ ある天使の記憶』影書房, 138pp, 2004.

  

プロジェクト名:

平和構築に向けた知の展開

グループ名:

ジェノサイド研究の展開

リーダー名(所属):

石田 勇治
東京大学・大学院総合文化研究科

関連サイト:

   http://www.cgs.c.u-tokyo.ac.jp/

組織構成:

グループ長:
石田 勇治(東京大学大学院総合文化研究科)(全体の統括)

メンバー:
天川 直子(日本貿易振興機構アジア経済研究所)((1)東南アジア)
飯島 みどり(立教大学法学部)((3)記憶と表象)
石田 憲(千葉大学法経学部)((4)国際政治)
遠藤 貢(東京大学大学院総合文化研究科)((4)国際政治、アフリカ)
大石 高志(神戸市外国語大学)((1)南アジア)
笠原 十九司(都留文科大学文学部)((1)東北アジア、中国)
川喜田 敦子(東京大学大学院総合文化研究科)((3)教育)
木畑 洋一(東京大学大学院総合文化研究科)((2)植民地)
栗本 英世(大阪大学大学院人間科学研究科)((1)アフリカ)
Cohen, David(カリフォルニア大学バークレー校)((4)国際法)
弧崎 知己(専修大学経済学部・教授)((1)ラテンアメリカ)
佐藤 安信(東京大学大学院総合文化研究科)((4)平和構築論)
佐原 徹哉(明治大学政経学部)((1)バルカン)
芝 健介(東京女子大学文理学部)((1)ヨーロッパ)
柴 宜弘(東京大学大学院総合文化研究科)((1)バルカン)
清水 明子(東京大学大学院総合文化研究科)((1)バルカン)
申惠(青山学院大学法学部)((4)国際刑事司法)
瀬川 博義(愛知産業大学経営学部)((4)国際法)
Theriault Henry(ウースター大学)((3)記憶と表象)
高橋 哲哉(東京大学大学院総合文化研究科)((3)トラウマと記憶)
武内 進一(日本貿易振興機構アジア経済研究所)((1)アフリカ)
富田 武(成蹊大学法学部)((1)ロシア)
中村 雄祐(東京大学大学院人文社会科学研究科)((3)教育開発)
Heim, Susanne(マックスプランク研究所)((2)人種主義)
廣瀬 陽子(東京外国語大学外国語学部)((1)中央アジア)
久松 佳彰(東洋大学経済学部)((2)経済学)
福永 美和子(東京大学大学院総合文化研究科)((4)国際刑事司法)
星乃 治彦(福岡大学人文学部)((2)ジェンダー)
森 丈夫(福岡大学人文学部)((2)先住民虐殺)
吉村 貴之(東京大学大学院総合文化研究科)((1)中央アジア)
他19名
(数字は下記の研究課題(1)〜(4)に対応)

これまでの研究成果:

<概要>

 本グループは、わが国における本格的なジェノサイド研究の確立を目的として、(1)ジェノサイドの事例(実態)研究、(2)近代の諸原理とジェノサイドの関係の究明、(3)ジェノサイド後の社会復興過程の研究、(4)ジェノサイド予防の理論構築の4つの課題に従事している。(1)では事例研究の基礎をなす第二次世界大戦下「ヨーロッパ・ジェノサイド」の解析に精力的に取り組む一方で、19世紀北米大陸の先住民虐殺から、カンボジア、グアテマラ、ルワンダ、スーダン、インド(グジャラート)など現代アジア・アフリカ・ラテンアメリカまでを含む多様な事例を視野に収めた包括的な実証研究を行っている。(2)では人種主義、民族自決、国民国家、総力戦などの近代の諸原理との因果関係を究明し、(3)ではとくに内戦後のルワンダとグアテマラに焦点をあてて、加害者の処罰、被害者の補償、記憶と癒しなど、ジェノサイド後の平和と正義の回復過程にみられる諸問題を追究してきた。(4)には本年度から着手し、目下、ジェノサイドをめぐる国際政治の力学、国際刑事司法制度、反ジェノサイド教育の考究およびジェノサイドの予兆分析などに取り組んでいる。

<学際性について>

 政治的、社会的、経済的、文化的な諸要因が複雑に絡んで生起する複合現象であるジェノサイドの究明には、多様なディシプリンを駆使する学際的な総合研究が不可欠である。本グループは、地域研究、歴史学、文化人類学、国際政治、平和構築の研究者を中心としつつ、国際法、国際協力論、社会心理学などの関連諸分野の専門家も加えて、新たな学際的研究分野としてのジェノサイド研究の確立に取り組んでいる。また本グループは国内にとどまらず、ジェノサイド研究に従事する世界各地の研究者や研究機関、とくにカリフォルニア大学バークレー校ヒューマンライツセンター、同戦争犯罪研究センター、ベルリン工科大学反ユダヤ主義研究所などと緊密な協力体制を育みながら、国際的なレヴェルにおいても学際的なジェノサイド研究の発展をめざす活動を続けている。

<社会提言について>

 本グループは、これまですべてのシンポジウム、ワークショップを一般公開し、その成果を英文研究雑誌Comparative Genocide Studies、ならびにWebサイト(日英二言語)を通じて国内外に発信してきた。新聞・雑誌をはじめとするメディアからの取材にも積極的に応じている。また、国連や旧ユーゴスラヴィア国際刑事裁判所等の国際機関やAmnesty International等のNGO、政府・外務省関係者などの実務家との研究交流、意見交換の場を設け、平和構築活動の現場に寄与する実践的なジェノサイド研究の可能性を追究している。今後はさらに一般市民、学校生徒との交流を通して、成果を広く社会還元してゆく。

<人材育成について>

 本グループはこれまで四名の産学官連携研究員を雇用し、(1)東ヨーロッパの民族浄化とジェノサイド(川喜田敦子)、(2)旧ユーゴスラヴィア紛争とジェノサイド(清水明子)、(3)アルメニア人虐殺(吉村貴之)、(4)ヨーロッパ近代とジェノサイド(辻英史)の課題に従事させた。いずれも着実に成果をあげており、その一部はすでに上記英文雑誌等に公表されている。なお、川喜田は平成16年に東京大学大学院総合文化研究科ドイツ・ヨーロッパ研究センター特任助手(平成17年度より同特任助教授)に、辻は平成18年に東京大学大学院総合文化研究科助手に採用された。この他、東京大学内外の大学院生数名に研究協力を要請しているが、その蓄積をもとに、人文・社会科学振興プロジェクトの枠組みにおいて、若手研究者独自のフォーラムの場が形成されつつあることは特筆すべき成果である。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

<主要シンポジウム・ワークショップ>

  1. 国際シンポジウム「人間の安全保障のための平和構築 対テロ戦争をどう捉えるか?」、2006年3月10日、東京大学駒場キャンパス、参加200名。
  2. 国際シンポジウム「ジェノサイド後の社会の再編成 平和のためのコミュニティーミュージアム」、2006年3月11日、国立民族学博物館、40名。
  3. 国際シンポジウム「暴力/ジェノサイドの記憶 平和構築過程におけるその意味」、2006年3月18日、東京大学駒場キャンパス、140名。
  4. 国際シンポジウム「アジア・アフリカ ドキュメンタリー映画会議 2005」、2005年9月23-24日、東京大学駒場キャンパス、120名。
  5. シンポジウム「ナチ・ジェノサイド研究の現在」、2005年7月30日、東京大学駒場キャンパス、60名。
  6. 国際シンポジウム「平和構築とグローバル・ガバナンス」、2005年3月25-26日、ホテルラフォーレ東京。
  7. 国際シンポジウム「平和構築と地域研究」、2004年12月4日、東京大学駒場キャンパス、120名。
  8. 国際シンポジウム「ジェノサイド研究の最前線」、2004年3月27日、東京大学駒場キャンパス、120名。
  9. 創設シンポジウム「ジェノサイド研究の射程」、2003年12月13日、東京大学駒場キャンパス、40名。

論文、著書等:

石田勇治「ジェノサイドと戦争」『岩波講座アジア・太平洋戦争8』(岩波書店)2006/7.
石田勇治「アウシュヴィッツの後、現代史をいかに描くか」『史友』38, 2006/3.
石田勇治 Wie schreibt man Zeitgeschichte nach Auschwitz? Deutschstudien, 40, 2006/2.
石田勇治 Genocide in Namibia, Turkey, Croatia and Germany: Searching for the Common Features and the Historical Connections, Comparative Genocide Studies,1, 2004/12.
石田勇治「比較ジェノサイド研究の射程」『現代史研究』40, 2004/12.
石田勇治・川喜田敦子「ジェノサイド研究の展望」『アジア経済』46-6, 2005/5.
川喜田敦子 Expulsion of the German Population from Eastern Europe, Forced Ethnic Migrations on the Balkans, Sofia, 2006/4.
川喜田敦子「20世紀ヨーロッパ史の中の東欧の住民移動」『歴史評論』665, 2005/4.
川喜田敦子「ドイツ人『追放』問題の現在」『ドイツ研究』39, 2005/11.
佐原哲也 Ethnic Cleansing in World History: A Balkan Perspective, Comparative Genocide Studies, 1, 2004/12.
清水明子 Croatia and "Ethnic Cleansing", Comparative Genocide Studies, 1, 2004/12.
芝健介「ホロコースト研究・史料の現代史をめぐって」『ドイツ研究』39, 2005/11.
林博史「シンガポール華僑虐殺」『自然・人間・社会』40, 2006/1.
吉村貴之 Total War and "Genocide"- Various Aspects of Armenian Massacre, Comparative Genocide Studies, 1, 2004/12.
Heim, Susanne, Nazi Germany, Science and the Holocaust, Comparative Genocide Studies, 1, 2004/12.
Hoffmann, Tessa, The Case Study of the Armenian Genocide in the Ottoman Empire (1915/16) and Genocide Research in Comparison, Comparative Genocide Studies, 1, 2004/12.
Theriault, Henry, An Analytical Typology of Arguments Denying Genocides and Related Mass Human Rights Violations, Comparative Genocide Studies, 1, 2004/12.

  

プロジェクト名:

平和構築に向けた知の展開

グループ名:

アメリカ研究の再編

リーダー名(所属):

古矢 旬
北海道大学大学院・法学研究科

組織構成:

(1)「アメリカ・ナショナリズム」研究班
(2)「アメリカと世界」研究班
(3)「アメリカ研究の方法論」研究班

古矢旬(北海道大学大学院法学研究科・教授)全体の統括、および(3)アメリカ研究の国際化
遠藤 泰生(東京大学大学院総合文化研究科・教授)(3)カリブ・太平洋地域のアメリカ理解
大津留(北川)智恵子(関西大学法学部・教授)(1)アメリカの多文化主義
岡山 裕(東京大学大学院総合文化研究科・助教授)(1)アメリカの政治システム
小野沢 透(京都大学大学院文学研究科・助教授)(2)現代アメリカ外交の枠組み
川島 真(北海道大学大学院公共政策学連携研究部・助教授)(2)中国から見たアメリカ
貴堂 嘉之(一橋大学大学院社会学研究科・助教授)(1)移民とアメリカナショナリズム
久保 文明(東京大学大学院法学政治学研究科・教授)(1)政党制とイデオロギー
酒井 啓子(東京外国語大学大学院地域文化研究科・教授)(3)中東地域のアメリカ理解
竹沢 泰子(京都大学人文科学研究所・教授)(1)人種とアメリカニズム
田嶋 信雄(成城大学法学部・教授)(2)中国をめぐる米欧関係
中野 聡(一橋大学大学院社会学研究科・教授)(2)アメリカと東南アジア世界
西崎 文子(成蹊大学法学部・教授)(2)アメリカと国際連合
林 忠行(北海道大学スラブ研究センター・教授)(3)東欧地域のアメリカ理解
細谷 雄一(慶應義塾大学法学部・専任講師)(2)米欧関係と国際秩序形成
松本 悠子(中央大学文学部・教授)(3)アメリカニゼーションの国際比較
佐々木 紫代(北海道大学大学院法学研究科・助手)事務局長・渉外連絡・広報

これまでの研究成果:

<概要>

 本研究の目的は、グローバル化が進捗する時代状況にもかかわらず、一国史研究、旧来の地域研究の枠組みに自足しがちなアメリカ研究の現状に、多様な学問分野の方法と知見を融合し、国際的な比較の視点に立つことによって批判的な検討を加えることを目的としてきた。その最大の成果は、過去5度にわたり、日米に加え、ヨーロッパ、アジアからアメリカ研究、歴史学、政治学の専門家を招いて開かれた国際シンポジウムである。それぞれ「アメリカ・ナショナリズムと人種問題」「アメリカ研究の国際化」「アメリカの新保守主義と国際政治」「アメリカ帝国」「ヨーロッパのアメリカ観」をテーマとしながらも、5度の国際シンポジウムは、「アメリカ」という複雑な対象を分析するための多角的な視座設定に努めてきた。その成果は、以下8に挙げた研究成果に加え、各国のシンポジウム参加者の多大の業績に結実するとともに、「アメリカ研究の国際化」という課題に基づくきわめて豊かな人的ネットワークの形成に成功した。これらの成果や人脈は、疑いなく今後の日本、そして国際的なアメリカ研究の発展に資するものと期待される。

<学際性について>

 グループ・リーダーの専門は、政治史・外交史研究であるが、組織構成が端的に示すように本研究グループはわが国のアメリカその他(ヨーロッパ、中東、中国、東南アジア、ラテン・アメリカ)を対象とするすぐれた地域研究者からなっており、多様な地域研究分野間の「研究方法」「資料蒐集」「地域理解の枠組み」をめぐる活発な討論を展開してきた。さらには研究グループのメンバーも、シンポジウムへの各国参加者も、主たる専門分野は歴史学、政治学、経済学、外交史、国際政治学、文化人類学、文化史と多岐に分かれ、アメリカとアメリカ研究に多角的な方向から光を当ててきた。従来の地域研究(とりわけアメリカ研究)が、ともすれば対象地域に関する印象論に陥りがちであったことを考えるならば、本研究のような「間」専門分野的アプローチには多大の可能性が潜んでいるといえよう。

<社会提言について>

 冷戦後とりわけ「9・11米中枢同時多発テロ事件」以後、日本はアメリカの最も忠実な同盟国としてその対外政策の中心に日米安保体制を据えてきた。こうした日米関係の緊密化は、他方で現代日本の対外観を大きく制約し、ともすれば対外政策、対外姿勢の硬直化を招いている。本研究の、一つの動機は日本のアメリカ研究を国際的に多様な視角に立つ他国、他地域のアメリカ研究と突き合わせ、それらとの比較と交流をとおして、日本のアメリカ研究の「現状分析力」を強化するとともに、日米関係をより広い国際関係の内に相対化することにある。本研究が、当面の目標とする「学術研究としてのアメリカ研究の再考」と「アメリカ・ナショナリズムの総合的検討」という二つの報告書は、狭くアメリカ研究者だけでなく、広くアメリカに関わる実務家、一般読者にも向けられる予定である。

<人材育成について>

 本グループは、これまでのシンポジウム、研究会等をとおして、できるだけ若い世代のアメリカ研究者の発掘、養成に努めてきた。中には、アメリカその他の国に留学し、そのまま現地で研究職に従事している優秀な若手研究者もいる。彼らは、現地で培った語学力、討論能力を活かし、すでに将来性豊かな国際的人脈をたくわえている場合も少なくない。
 本グループは、これまで日本ではあまり知られていなかったこれらの有為な若手アメリカ研究者に、国際シンポジウムへの参加の機会を供すると同時に、日本のアメリカ学界への積極的な関与を促してきた。それに加えて、国内の助手、大学院生等若手研究者にも参加を働きかけてきている。本グループのめざす人材養成は、既存の人的ネットワークに依拠するだけではなく、若手研究者の、若手研究者自身による国際的、国内的研究者ネットワークの構築を促すものである。

シンポジウム、ワークショップ等の開催状況:

  • 2004年2月9日・日本学術振興会麹町事務室 The First International Symposium: What Does American-ness Mean in the World Today?、25名
  • 2004年3月13日・北海道大学大学院法学研究科 The Second International Symposium: Internationalizing American Studies、40名
  • 2004年8月21日・北海道大学大学院法学研究科 The Third International Symposium: American Conservatism in Historical and Transnational Perspectives、40名
  • 2005年3月12〜13日・東京グリーンパレス The Fourth International Symposium: American Empire, Past and Present、60名
  • 2006年3月11日・東京グリーンパレス The Fifth International Symposium: New American Studies in Europe Today、40名
  • 2006年3月18日・東京大学大学院総合文化研究科 国際シンポジウム:暴力/ジェノサイドの記憶—セッション2「ジェノサイド研究から見たネイティブ・アメリカンの歴史」60名

論文、著書等:

古矢旬「アメリカ史における「ナショナリズム」問題」アメリカ史研究27号、3−19、2004
古矢旬「アメリカ 過去と現在の間」岩波書店、1−232、2004
古矢旬・遠藤泰生(編)「新版 アメリカ学入門」(南雲堂)1−300、2004
古矢旬「思想の言葉—マッカーシイズム再訪」思想972号、1−4、2005
古矢旬「アメリカニズムと『人種』」川島正樹【編】『アメリカニズムと「人種」』(名古屋大学出版会)、1−34、2005
FURUYA, Jun, "Japanese Intellectuals Define America, from the 1920s through World War Ⅱ," KAZIN, M. & MCCARTIN, J. A. (eds.), Americanism, The Univ. of North Carolina Pr., pp.192-204, 2006