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人文・社会科学振興プロジェクト研究事業

平成15年度 プロジェクト研究事業 資料 1

平成15 年度
人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究の構築と運営について

 人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究事業(以下「人社プロジェクト」という。)は、研究者のイニシアティブを基盤としつつ、諸学が協働して社会提言を試みることを通して、人文・社会科学の再活性化を志向する実験的事業である。従来人文・社会科学は蛸壺的・縦割り的色彩が強く、また、社会における倫理の喪失、グローバル化、持続的社会制度の破綻といった現代的諸課題に十分答えていないのではないかとされてきた。人社プロジェクトは、様々なかたちで社会との連携を意識的に築きつつ、具体的現場の課題に即して人文・社会科学系研究者を中心に、場合によっては科学技術関係研究者、現場の実務家等が協力することを通して、これまでの人類の智慧も生かしつつ、社会提言に連なる研究を行うとともに、人文・社会科学の新たなフィールドと協働の方法を創出することを目的としている。

 そこで次のようなプロセスを経て、具体的なプロジェクト研究の構築を図った。

 まず、社会的関心も高い、取り組むべき4つの領域として、「知の遺産を始めとする日本の在り方と今後の変容について研究する領域(研究領域Ⅰ)」、「グローバル化時代における多様な価値観を持つ社会の共生を図るシステムについて研究する領域(研究領域Ⅱ)」、「科学技術や市場経済等の急速な発展や変化に対応した社会倫理システムの在り方について研究する領域(研究領域Ⅲ)」、「過去から現在にわたる社会システムに学び、将来に向けた社会の持続的発展の確保について研究する領域(研究領域Ⅳ)」が平成14 年6 月科学技術・学術審議会学術分科会報告において提示された。その後、平成15 年2 月に京都で、平成15 年3 月に東京において「わが国の学術研究の動向を考えるシンポジウム−特に、人文・社会科学を中心として−」を開催し、どのようなプロジェクト研究を行ったらよいのか、どのように推進したらよいのかに関して幅広く意見公募を行い(49 件の提案・意見を得た)、横断的な議論を行った。

 平成15 年8 月に事業委員会は前述の4領域の推進を確認するとともに、企画委員会(事業委員会がプロジェクト研究の企画立案を依頼した組織)がシンポジウムにおける提案・意見も踏まえて作成した15 の研究テーマ例を承認し、公表した。これにより、プロジェクト研究の具体的課題の提案を求め(100 件以上の提案を得た)、その中で人社プロジェクトの趣旨に合致すると思われる提案を37 件抽出し、これらを4 つの各領域毎に複数のグループに再編成(研究領域Ⅰ:人文学からの貢献、日本経済、研究領域Ⅱ:共生社会、地域紛争、グローバル・ガバナンス、研究領域Ⅲ:人間関係論、生命倫理、科学技術と社会、研究領域Ⅳ:水と都市、環境史、社会的再分配)し、平成15 年9 月11 日、12 日に「人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究構築のためのワークショップ」を行った。このワークショップにおいては、参加者は原則として2日間通しで参加することとし、単に自分のセッションで報告するだけではなく、横断的議論に参加するよう要請した。

 その後、このワークショップの議論も踏まえ、企画委員会が中心となり、平成15 年9 月から10 月にかけてプロジェクトの具体的構築を行った。その際、@複数の提案をワークショップでの議論も踏まえて組み合わせることによって、協働を誘導する(その結果、当初の個別提案は、多くの場合、プロジェクト研究の中の研究グループレベルに位置づけられることとなった)、Aワークショップにおける提案があまりなかったが重要であると思われる分野については、これまでのシンポジウムでの議論等も踏まえてフィジビリティ・スタディを設定する、という方針をとり、分担してプロジェクト・リーダーの候補者、研究グループを担うコアメンバーの候補者と個別に討議することを通して、従来の個別分野の研究を超えた協働の埋め込みを試みた。最終的には、このような重層的な相互作用を通して形成された、企画委員会により策定されたプロジェクト研究案について、平成15 年10 月末に事業委員会が決定を行い、プロジェクト研究が具体的に動き出すこととなった。

 以上のような試行錯誤を伴う経緯を経て構築されたプロジェクト研究は、実験的性格を持つものでもあることから、すべで1 年半のパイロット・スタディとされた。従って、1 年半後には、人社プロジェクトのミッションを果たすという観点から一定の再編成、選抜又は入れ換えが予定されている。また、現段階でのプロジェクト研究は進化途上のプロジェクトであるという観点から、柔軟な研究組織編成をとることが方針とされ、プロジェクト研究における不十分な分野の研究者募集、研究領域におけるミッション達成のために不可欠な追加的なプロジェクト研究の構築、研究グループ等の再編成は随時行っていくこととしている。

 また、諸分野の協働という人社プロジェクトの目的を日常的に実践するために、東京において共通のスペースを確保することで日常的交流を図るとともに、横断的テーマや不足するテーマに関するワークショップ、プロジェクト・リーダー等による研究推進委員会を年に複数回行うこととしている。その際、社会との様々な連携についても具体的実践を試みる。また、早いうちに、ウェブ等を活用して各地からの参加者間のコミュニケーションを促進し、人社プロジェクトの様々な参加者によるバーチャルな「人文・社会科学研究所」とでもいうべき実質的な協働のための場を構築したいと考えている。また、このような協働作業を通して、横断的なプロジェクト研究を構築し、運営することのできる若手研究者を育成することも目的としている。