プロジェクト研究名:
科学技術ガバナンス
プロジェクト・リーダー名:
城山 英明
(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
プロジェクト研究の概要:
現代社会は科学技術の発達に伴う安全・環境上の様々な問題に直面している。科学技術には不確実性が不可避であり、また、多様な社会的目的のために利用可能であるため、このような特質を踏まえて科学技術を社会において適切にマネジメントするシステムを、様々な分野の専門家、様々なレベル(国際組織、国、地方自治体)の政府、団体(専門家団体、事業者団体)や市民といった多様なアクターにより構築することが課題となっている。
本プロジェクトは、国際問題、国レベルのガバナンス、自律的技術者倫理という3つの次元に焦点を当て、政治学行政学、科学技術社会論、技術政策等の研究者や現場の実務家の協働によりこのような課題に取り組み、新たな研究領域を切り開くとともに、現場実態を踏まえた社会提言を試みる。
コア研究の概要:
日本のリスクガバナンス・システムの実態解明と再構築の提言
(平川 秀幸 京都女子大学現代社会学部講師)
本研究は、食品、原子力などにおける日本のリスクガバナンスの政策決定とそこでの専門知利用の実際を、行政・審議会・専門家集団・企業・市民団体など各アクターの働きと相互作用、法制度、人事などに焦点をあて、学際的に明らかにするものである。将来の制度の充実・改善に資する知見の獲得とともに、研究の遂行自体が、行政・企業・専門家など各方面の実務家も交えた経験・知見・情報共有のためのフォーラムとなることを目指す。
コア研究の概要:
現場からの技術者倫理システム
(大上 泰弘 帝人ファーマ株式会社生物医学総合研究所主任研究員)
既存の「生命倫理」が提示する原則は、生命科学・技術の現場との間に距離感がある。また、社会の中で科学・技術が受け入れられるためには、生命科学・技術者が専門家集団として、自らを制御できる制度を確立することが必要である。これらの課題に対し、本研究は、現場の研究者の観点から、現場に適用可能な生命倫理の枠組みを構築するとともに、専門家集団として自主的に実行しうる技術者倫理システムを提案する。
コア研究の概要:
科学技術の進展と国際問題−軍民両用技術のガバナンス
(鈴木 達治郎 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授)
本研究は、軍民両用技術(dual use technologies)に焦点をあて、国際条約から国内規制、行政指導、産業会の基準や学会・研究者の倫理規定にいたるまで、軍事転用防止にかかわる実態を調査・分析し、具体的提言を試みる。対象とする技術としては、巨大技術として原子力・宇宙技術、次に汎用技術でありながら大量破壊兵器に転用可能な生命科学・化学薬品技術、最後に最先端技術として注目されている技術(例・ナノ・テクノロジー)を事例として扱う。
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