プロジェクト研究名:
多元的共生社会に向けた知の再編
プロジェクト・リーダー名:
宇田川 妙子
(国立民族学博物館民族文化研究部助教授)
プロジェクト研究の概要:
多元化がより複雑化し、共生社会への要請がますます強まっている現在、その歩みの実質的
な推進のためには、社会全体を鳥瞰的に捉えてその制度や組織を議論していくだけでなく、実際にそうした動きの中で生活している人々の目線にそって、現場でいったい何が起きているのかについて微細に観察し考察していくことが必要である。共生社会への模索はすでに現場で始まっており、我々研究者こそが、そこに学ぶという姿勢も必須である。
本プロジェクトは積極的にその視点に立ち、各コア研究が、具体的な個別事例研究、統計分析も駆使した比較研究、理論的な考察等々、それぞれの方法論の特長を生かして連携しながら、共生社会の構築への提言を試みていく。
コア研究の概要:
「運動の現場における知の再編」の解明
(宇田川 妙子 国立民族学博物館民族文化研究部助教授)
近年、先住民運動、女性運動、市民運動などの様々な運動が、世界的に活性化しつつある。
この動きは、特にマイノリティの人々が自らの承認を求めながら社会を再編し、共生を模索する動きとしても捉えられる。本研究は、そうした観点から具体的な運動について実態調査を行うと同時に、従来、様々な学問分野に細分化されてきた運動論を糾合して、多元的共生社会への可能性をより積極的に論じうるような新たな運動論を立ち上げていく。
コア研究の概要:
「被災地の現場における共生社会」の構築
(岩崎 信彦 神戸大学文学部教授)
阪神大震災において噴出したボランティア活動は、その後、災害救援、「弱者」支援の福祉、地域における仕事づくり、地域文化の復興、エコロジーなど多様な市民活動として定着し展開している。そして、これらが横にネットワークを組み、一つの「多元的な共生社会」を形成し始めている。本研究は、ここに至る過程ならびに現在の活動のダイナミズムと課題を、<学知>と<民知>の連携によって考察し、「多元的共生社会」のモデルを構築する。
コア研究の概要:
「多元的共生に関する国際比較」の研究
(辻中 豊 筑波大学社会科学系教授)
多元的な共生を成立させるものとして、各地域での市民社会の質が問われている。しかし、市民社会の現実のあり方については、経験的な比較研究は進んでいない。加えてNGO、NPO、社会関係資本についても概念の西欧バイアスがあり、多元的共生にむけて洗い直しが必要である。本研究では様々な文化圏をまたぐ市民社会組織の包括的な国際調査を行い、データベースを構築し、文化と政治を繋ぐ市民社会の組織構造の立体的モデルを構築する。
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