感想まとめ
領域横断フォーラムということで、普段接することのないさまざまな分野の発表から知識を広げられただけでなく、異分野が交わることによる新たな展望に啓発されました。とくに、第一部では、「日本人の美に対する観念」と「文化政策」という二つの異なる分野に、「橋」という具体的な共通項を設けることで、観念と現実社会との関連性を見出すことができるということ、第二部では、音楽と書物という二つの異なる媒体に、「伝統の継承、創造」という共通項を設けることで、普遍性を見出すことができるということです。理解の共有という面では、大きな概念(「文化」や「美」)については、各専門分野における定義を示していただければ、よりわかりやすいだけでなく、さらなる議論が望めるのではないかと思いました。
(東京大学大学院総合文化研究科 大学院生(博士課程))
普段大学院生が身をおいている専門性の高い研究環境から離れ、第1部では文化というものが構築されている実体について、また第2部では伝統的なものを再構築する方法について、様々な分野のディシプリンに触れることができて非常に勉強になりました。ただ、現在の越境現象や既存のジャンルにとらわれない文化現象を研究するための、方法論についての包括的な議論がもっと必要なのではないかと思いました。また境界への意識がアイデンティティーを構築するという視点が多かったように思うのですが、個人的には、構築された伝統やアイデンティティーが既存の伝統やシステム、共同体外部のシステムなどとどのような関係を持つのか、その相互作用や軋轢等をどのように調査するのかといった点について具体的に聞きたかったです。
(東京大学大学院人文社会系研究科 大学院生(修士課程))
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