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人文・社会科学振興プロジェクト研究事業

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研究領域 Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ ワークショップ

このワークショップの開催日:平成15年9月11日

この書類の発行日:平成15年8月
独立行政法人 日本学術振興会

 

 平成15年度人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究事業における研究領域は、平成14年6月の科学技術・学術審議会学術分科会の報告「人文・社会科学の振興について」において示された4領域を参考に、人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究事業委員会で決定されたものです。
 また、研究領域ごとに示されている「研究テーマ」は、平成15年度人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究本事業で取り上げるべき研究テーマの例示であり、本ワークショップで実施する各研究領域の中心となるものです。における討議の素材として提示されるものです。

 
           
 

研究領域 Ⅰ : 

知の遺産を始めとする日本の在り方と今後の変容について研究する領域

 

研究テーマ 1 :日本の知的遺産の再点検とその活用についての研究

 人文・社会科学の研究は人類の知的遺産をその対象とすることが多いが、現代社会の諸問題を解決するという明確な目的と関連づけられることが少なかった。そこで、本研究テーマでは、古代から現代にいたるまで日本の歴史に蓄積されたさまざまな知的遺産(負の遺産を含む)を再点検し、現代社会の抱える現実的課題に立ち向かうための我々の知的リソース・ツールを再構築するための方法・手続きなどについて、学際的に研究し、人文・社会科学が現代社会に貢献する具体的可能性を発信する。

関連分野:
哲学、倫理学、社会学、歴史学、地理学、法学、経済学、行政学、科学技術史、医学史、工学など

研究テーマ 2 :日本的社会システムの功罪

 1980年代に日本の製造業の国際競争力が拡大するのに伴い、経済、企業、教育、行政を含む「日本的」システムに注目が集まり、賞賛を受けた。ところがそれから10数年、日本経済が長期的低迷を続ける中、それらのシステムは逆に凋落の根源であるとして批判されるようになった。なぜこのような転換がおきたのか。そもそも「日本的」システムの本質とは何であったのか。なぜそれが機能しなくなったのか。日本の社会システム自体が変化してしまったのか。それとも環境の変化との間の不適合が生じているのか。これらの問題を、企業・経済システム、行政・政治システム、教育システムといった複数の視点から多角的に検討し、(それが本当に凋落であるのかを含めて)日本の凋落の原因を究明すると同時に、復活へのシナリオを検討し、社会提言を行う。

関連分野:
経営学、行政学、政治学、教育学、経済学、国際政治経済学、法学、歴史学、社会学、工学、心理学など

研究テーマ 3 :「開国」−日本と「国際社会」の関係

 現在、グローバリゼーション下での日本の政治的、経済的、文化的変容が広く議論されている。しかし、歴史を通して、日本は政治的、経済的、文化的に何度も国際社会から大きな影響を受ける「開国」を経験してきた。歴史的には中国との関係においてそのような経験を繰り返し、その後近代において明治維新、第2次大戦後の戦後改革、現在の改革を経験している。そこで、グローバリゼーションの中における現代日本の変容を歴史的位相に位置づけて検討し、現代の国際社会における日本のあり方について社会提言を行う。

関連分野:
日本史、アジア史、国際関係史、思想史、政治学、外交論、経済史、経済学、社会学、心理学、メディア論など

 
  
 

研究領域 Ⅱ : 

グローバル化時代における多様な価値観を持つ社会の共生を図るシステムについて研究する領域

 

研究テーマ 4 :地域紛争メカニズムの解明

 21世紀に入り世界各地で頻発している紛争は、集団間の偏見や差別が持続的に再生産されているという意味で、歴史的・社会的・文化的な要素をも抱え持つ複雑な現象である。人類社会が多様性を保ちながら共存していくためには、現在発生している紛争について、その社会・文化的メカニズムを歴史的・地域的に正確に把握するという基礎研究がまず必要である。このようなメカニズムの学際的解明を通じて、偏見の再生産を断ち切る国際理解のシステムを構築していく可能性が展望されると考えられる。その研究成果は、現代における安全保障の構想を描き出すものとして、重要な社会提言となりうるだろう。

関連分野:
政治学、法学、社会学、歴史学、文化人類学、地域研究など

研究テーマ 5 :多元的共生社会の構築

 これまでの政府と市場という2つの主要な組織ないし機能に代わって、現代社会においては様々なNPOやNGOなどの新しい社会セクターの役割が増大しつつある。他方、このような第3の社会セクターは、たとえば河川管理などをめぐって歴史的に存在してきたものでもある。こうした歴史性と地方性をもちながらも、世界で同時並行的に進行している社会動態は、新しい社会関係の創出の場と見ることができる。こうした場で具体的に生じている新たな関係性を学際的に分析することによって、多元的共生社会のモデルを描き出し、社会提言を行う。

関連分野:
政治学、法学、社会学、歴史学、文化人類学など

研究テーマ 6 :グローバル・ガバナンスと地方分権

 現代国際社会においては、一方でグローバル化が進展するとともに、他方各国において地方分権化が進み、ガバナンスの多層化が進行しつつある。組織的にも、様々な国際機構、地方自治体といった様々な次元のガバメントが役割を増大させるとともに、企業、NGO・NPOといった新たなアクターがガバナンスの主体として登場しつつある。現在の多層ガバナンスの動態を実証的に把握するとともに、主権国家を超えた単位や理念に関する歴史的蓄積を再検討することによって、今後のグローバル・ガバナンスのあり方に関する社会提言を試みる。

関連分野:
国際政治学、歴史学、法学、行政学、思想史、国際組織論、経済学、NPO論、工学など

研究テーマ 7 :制度移転論

 近年の開発援助においては様々な法制度・経済制度の移転が試みられている。しかし、制度移転は受入国の社会的文脈との微妙なダイナミズムを引き起こすものであり、それに対する十分な配慮が求められる。その点、近代日本における制度輸入の歴史的経験は、興味深く貴重な実験であった。近年の日本や世界の援助機関等による制度移転の経験の実態を現場で把握するとともに、日本の制度受容の歴史的経験とも付き合わせて検討することと通して、制度移転の在り方に関する社会提言を試みる。

関連分野:
法学、経済学、文化人類学、地域研究、開発援助論、会計学、日本史、法制史、経済史、国際関係論など

 
  
 

研究領域 Ⅲ : 

科学技術や市場経済等の急速な発展や変化に対応した社会倫理システムの在り方について研究する領域

 

研究テーマ 8 :科学技術に関する社会的合意形成

 不確実性を伴う科学技術情報をどのように社会的合意形成過程に組み込んでいくのかというのは、気候変動等地球環境問題に対する対応、遺伝子組み換え作物等新技術の社会的受容等の社会的プロセスで明らかであるように大きな課題である。専門家による科学的情報の生産、諮問委員会等による政策決定過程への科学的情報の挿入、政府・企業・NPO等によるリスクコミュニケーションの実態を分析し、今後の国際レベルや各国レベルにおける社会的合意形成のあり方に関する社会提言を行う。

関連分野:
科学技術社会論、政治学、行政学、工学、理学、心理学、リスクコミュニケーション論、社会学、法学など

研究テーマ 9 :市場経済の発展と社会倫理システム

 個別経済主体の利益最大化行動を基盤とした市場経済の発展と市場競争の激化は、一方で、環境問題や危機管理問題など様々な負の外部効果をもたらす危険性をはらんでいる。個別企業レベルでの不祥事が相次ぐ中、市場経済の行き過ぎを指摘する声とともに、ガバナンス強化が叫ばれている。市場経済の発展がいかなる道筋で倫理上の問題を引き起こすのか。経済発展の歴史の中で今日見られる市場経済がいかなる特質をもっているのか。それが、既存の倫理システムとの間にいかなる齟齬をきたすのか。こうした点を包括的に明らかにして、市場経済の中で、いかなる社会倫理システムを構築すべきなのかに関する社会提言を行う。

関連分野:
経営学、行政学、教育学、政治学、経済学、法学、歴史学、社会学、医学、薬学、工学、農学、心理学など

研究テーマ 10 :生命科学と社会

 生命科学の急速な発展は、ヒトや人のアイデンティティーに関わる根元的問題をはじめ、実験動物等ヒト以外の生物をどのように扱うべきかという問題、専門家と非専門家とのコミュニケーションの問題、社会的に遮断された空間で意思決定される企業などの技術開発に社会がどのように関与するのかといった問題など様々な課題を社会に突きつけている。これらの課題を学際的に研究することを通して、生命科学と社会とを架橋する社会倫理システムのあり方について社会提言を行う。

関連分野:
哲学、倫理学、法学、政治学、経営学、社会学、生命科学、工学など

研究テーマ 11 :人間関係の再構築

 科学技術の急速な発達、市場経済の進化・複雑化は、既存の社会における様々な人間関係に深刻な軋みを生み、少年犯罪に見られるような様々な問題を引き起こしている。このような人間関係の軋みは、家庭、学校教育、福祉、医療、司法などの様々な現場において観察される。これらの様々な現場における人間関係の課題を学際的に研究することを通して、現代における広い意味での人間育成の在り方について社会提言を試みる。

関連分野:
教育学、心理学、法学、刑事政策、社会福祉論、社会学、臨床哲学・倫理学、文化人類学、医学、など

 
  
 

研究領域 Ⅳ : 

過去から現代にわたる社会システムに学び、将来に向けた社会の持続的発展の確保について研究する領域

 

研究テーマ 12 :千年持続学の確保

 「現代の人間は前の世代から受け継いだ文化と文明の恩恵を享受しているだけではなく、次の世代へ引き継いでいく文化的、文明的資産を形成しているのだ」という自信を持てるようにすることこそが、現在の日本社会の閉塞感を打ち破るためには必要である。それには、人類が千年後も健康で文化的な生活を送れるようにと願い、そのためにできることを今やろう、という未来への強い意思を持ち続けることが必要である。過去の持続的な社会に社会システム、科学技術、社会倫理、規範といった多角的な面から学び、如何にすれば「千年持続性」を実現できるかを社会に提言できる千年持続学を打ち立てるための研究を展開する。

関連分野:
歴史学、環境倫理学、哲学、社会学、法学、環境学、工学、地域研究、人口学、科学史、文明論など

研究テーマ 13 :統合的人間史の構築

 今日の地球環境問題を引き起こしている根本的な原因として、社会や自然に対する認識論が挙げられる。とりわけ機械論的な認識方法の功罪は強く認識されているものの、これに代わる新しい認識論が確立されているとは言いがたい。そこで、これまで国民史や民族史などとして事実上分断されてきた人間の歴史を、学際的に統合し、さらに地域的に統合して再構成することによって、新たな人間像や社会像を描き出す。そうした具体的な研究成果を広く社会に示すことは、持続的な未来を構築するうえで重要な社会への提言となるであろう。環境問題に個別的に対応する技術論を超えた、環境問題の研究が人文・社会科学から積極的に展開されるべきである。

関連分野:
歴史学、考古学、文学、哲学、地域研究など

研究テーマ 14 :水のグローバル・ガバナンス

 国連ミレニアム宣言をはじめとして、ヨハネスブルグでの環境サミットや2003年のG8などでも世界の水問題が主要な課題のひとつとして国家間レベルで取り上げられる様になりつつある。国際河川、多国にまたがる帯水層、安全な飲用水の確保、下水道の整備、食料供給と灌漑用水、過剰取水と環境負荷、水質汚濁、都市化と洪水等、多様な問題が水というキーワードでひとくくりにされている様にも見えるし、富の分配や貧困問題として共通の解決策が探られるべき課題であるとも考えられる。水道事業の民営化や淡水の大規模な越境輸送など、グローバル化も進む水問題に関し、国際組織、国家、企業、NGO、市民等がどのように関わり、どのように解決しようとしているかを読み解き、世界の水問題に対する社会提言を提供する研究を展開する。

関連分野:
国際関係論、経営学、地域研究、水文学、政治学、社会学、水資源工学、農業工学、水道工学など

研究テーマ 15 :所得移転の光と影

 国際的には政府開発援助(ODA)により、国内的には地方交付税ならびに国庫支出金により、受入れる側にとっては相当の所得が提供側にとっては直接的な経済的利益なしに移転されている。こうした所得移転を支える理念は各国の地政学的位置や歴史的経緯によって大きく異なり、また、表向きの理由と真のねらいの乖離に関しては充分に明らかにはなっていない。一方、こうしたいわば不労所得が受入れ側の貧困救済や環境保全、経済発展を促しつつも、地域社会の伝統的価値体系やコミュニティへの帰属意識などにも悪影響を及ぼしていることが懸念されている。これらの現状を包括的に捉えて整理し、今後の望ましい所得移転制度に関する社会提言を行う。

関連分野:
経済学、地域研究、国際関係論、社会学、歴史学、開発援助論、政治学、行政学、倫理学など