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21世紀に入り、日本は世界に先駆けて史上例をみない超高齢化社会に突入している。国立社会保障・人口問題研究所の中位推計によれば、2050年には老年人口比率が35.7%に昇ると予測されており、労働年齢(15〜64歳)人口1.5人で1人の高齢者を支えることとなる。こうした人口構造の劇的な変化は、現在のあらゆる諸制度が維持できないことを意味しているがゆえに、諸問題の根源となっている。この現象をもたらす最大の原因は、少子化すなわち出生率低下にあることは明らかであり、それゆえに合計特殊出生率を上げるための対策として子育て支援の拡充が多角的に推進されつつある。
しかしながら、高齢化先進諸国においても出生率が上昇したり、急激に低下したりするといった諸事例についてのミクロな原因分析は不足しており、とりわけ必ずしも制度として可視化されることのない家族経営における意識や価値観のモデルはまったく明示されていない現状である。
そこで、家族像の過去における変容と未来像について、歴史人口学、人口統計学、ジェンダー論、社会学等が分野横断的に取り組んで国際的な比較分析を行うことによって、未来の社会像のデザインを示し、これからの生き方を社会に広く提案することができることを目的とする。
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