- 概要
国際シンポジウム名: ホログラフィックメモリ国際ワークショップ2008
開催期間: 2008年10月20日(月)〜23日(木)
開催場所: 伊良湖ガーデンホテル&スパリゾートホテル
参加者数: 126名(国内102名、国外24名)
著名な海外参加者:Kevin Curtis (InPhase Technologies, USA), Gilles Pauliat (l'Institut d'Optique, France), Frank Przygodda (Deutsche Thomson OHG, Germany), Ching-Cherng Sun (National Central University, Taiwan), Xuewu Xu (Data Storage Institute, A*STAR, Singapore), Stanislovas Zacharovas (Geola Digital, Lithuania)
予算総額: 8,289.5千円(独立行政法人日本学術振興会経費負担額1,000千円を含む)
- 実施内容・成果及び成果公開について
愛知県渥美半島の先端、伊良湖岬の伊良湖ガーデンホテルにてホログラフィックメモリ国際ワークショップ2008 (International Workshop on Holographic Memories 2008、略称IWHM2008)が、日本学術振興会フォトニクス情報システム第179委員会、ホログラフィ・システム・デベロップメント・フォーラム(HSDF)、テラバイト光メモリ研究開発機構(TBOC)、豊橋技術科学大学先端フォトニック情報メモリ リサーチセンター(APIM)の主催で開催された。
ホログラフィックメモリは、Blu-ray discの次の世代の光メモリとして有望視されている技術であり、CD以来の直径12 cm、厚さ1.2 mmのディスク1枚あたり、1テラバイトの記録容量と、1GByte/sのデータ転送速度の実現が見込まれている。しかしながら、実用化のためには、記録媒体、要素デバイス、光学系構成など、まだ乗り越えるべき壁が残されており、そのためには、学術的な観点による考察と技術的なブレイクスルーの両者が必要であり、学術界と産業界の強い連携が求められている分野である。
この会議は2007年から始められた会議であり、第1回はマレーシアのペナン島で行われ、今回が第2回目となる。光メモリの国際会議としては、International Symposium on Optical Memories (ISOM)、Optical Data Storage (ODS)の2つが主要な会議であり、光メモリ関連の全ての分野を網羅する会議であるのに対して、IWHMは中でもホログラフィックメモリに主題を絞った会議で、半合宿状態に隔離された会場で、十分に時間をかけて議論を深めよう、という趣旨で行われている。
| 表1 参加者数内訳 |
 |
| 表2 分野別発表件数 |
 |
ISOM、ODSと同様、国内外とも企業からの参加が多いのが特徴であり、国内の光メモリ関連各企業の他、国外からもSamsung、LG、Daewoo(韓国)、独Thomson、Beyer(ドイツ)、Storex(ルーマニア)、Geola(リトアニア)、Zebra、InPhase(アメリカ)といった企業からの参加があった。
分野毎の発表件数は、表2の通りである。基調講演は、この分野を牽引するソニーとInPhaseの2社から、現状と今後の見通しについて、詳細な報告があった。ソニーからはコアキシャル方式に関する各種技術に関して報告され、2009年〜2010年を目処に記録密度1Tbits/inch2、転送速度1Gbpsを実現する旨の発表がなされた。InPhaseからは、製品化に不可欠な実装技術等に関する詳細な報告があった。
招待講演では、欧州、韓国、台湾、シンガポール等からの発表があり、日米以外の諸国におけるホログラフィックメモリの研究・開発の動向をうかがい知ることができた。
一般講演としては、システム、記録材料、信号処理の他、ホログラフィックメモリ用に開発された記録材料のメモリ以外への応用として、3次元ディスプレイへの応用などの提案、報告があった。この会議は、テーマをフォーカスし、分野の近い研究者どうしが、時間をかけてじっくりと議論する、という会議を目指しており、その意味でポスターセッションに力を入れている。ポスターセッションの各所で、白熱した議論が展開されていた。
また、ホログラフィックメモリ技術のメモリ分野の外への展開を目指して、パネルディスカッションが行われ、示唆に富む意見が交わされた。また、これを引き継いで、ラウンドテーブルディスカッションを行い、現状の課題、今後の展望、方向性などが話し合われた。
ホログラフィックメモリは近未来に実用化を目指す分野ではあるが、製品の開発段階には至っておらず、現時点では企業の壁を超えた協力が可能で、かつそれが非常に効果的である。これに大学・研究所の研究者が加わり、さらに国際的な連携を図ることで、研究の大幅な加速が期待される。その意味で、ホログラフィックメモリの研究者が一堂に会するこの会議は、今後に向けての研究の牽引役を果たしたといえるだろう。
 |
 |
| オーラルセッション |
ポスターセッション |
- 今後への展望
 |
| ラウンドテーブルディスカッション |
ホログラフィックメモリ研究の中心は、1990年代のアメリカから、2000年を超えたあたりから日本に移ってきた。もともと光メモリは国際的に見て日本が圧倒的に強い分野であり、米国、欧州での研究の盛り上がりがいまひとつという面もある。近年研究が活性化しつつあるアジア諸国とともに、今後は国際的な研究の広がりと活性化をしていく必要がある。その意味でも、本会議を毎年継続して開いていくことが必要であると考えられる。
|