国際シンポジウムの開催
 
「Visual interface -moving toward the future-」
(映像インターフェースの未来へ)
 

光エレクトロニクス130委員会

 

 映像ディスプレイを中心としたヒューマンインターフェースに関する技術は,快適な人間生活を支える上でその役割がますます高まっている.このような背景から,映像インターフェースに関連する研究者が一堂に会して,本分野の源流を学び,国際的なユビキタスIT社会の構築に向けて研究発表と討論を行うため,平成18年9月11日(月)に,東京都千代田区にある私学会館「アルカディア市ヶ谷」において,国際シンポジウム「Visual interface -moving toward the future-」(映像インターフェースの未来へ)を開催した.参加者は,国内213名,国外24名(アメリカ,イギリス,ドイツ,韓国,中国,カナダ,スエーデン,インド,ベトナム)の計237名と,予定していた会場では立ち見が出るほど盛況であった.
 シンポジウムの内容としては,はじめに基調講演として末松安晴氏(国立情報学研究所)より「映像インターフェースの初期から未来へ」と題した講演をいただいた.また,本分野の発展の経緯を改めて詳細に学ぶため,Oskar Blumtritt氏(ドイツ博物館)による「ヨーロッパにおける初期のテレビジョン開発」,三村秀典氏(静岡大学)による「浜松における初期の成果」,Joseph A. Flaherty氏(CBS)による「映像の未来図−この100年と今後−」の招待講演が行なわれた.なお,Joseph A. Flaherty氏は急用で不参加となったが,ハイビジョンによる講演のビデオ映像が届けられ,会場で放映された.一般講演としては,最新の映像インターフェース技術について,菅原正幸氏(NHK)「“スーパーハイビジョン”未来のテレビジョン」,金子満氏(東京工科大学)「映像コンテンツ制作とディジタル技術」,谷本正幸氏(名古屋大)「自由視点テレビ」,山口雅浩氏(東京工業大学)「映像ディスプレイの色再現“RGBを超えて”」,面谷信氏(東海大学)「電子ペーパー:快適に読むためのディスプレイ」の5件の講演が行なわれ,さらにパネル討論として「映像インターフェースの未来へ」と題し,小沢愼治氏(慶応大学)の司会のもとパネリストに谷岡健吉氏(NHK),松島裕一氏(NICT),栄藤稔氏(NTT DoCoMo),岡村和男氏(松下電器),小林駿介氏(山口東京理科大学)を向かえ,質疑応答,討論を通じて,発表者と聴講者の双方に有意義な情報交換が行われた.なお,シンポジウムは1日のみの開催であったが,懇親会を開催したため,海外からの参加者を含めて,新たな情報交換と人的ネットワーク形成の場として大いに活用された.
 本シンポジウムの成果として,光エレクトロニクスと密接に関係する映像技術,放送と通信の融合領域,ヒューマンインターフェースなどに関する研究展開の方向を探るとともに,電子ディスプレイを用いた映像インターフェースのさきがけが,今から70〜80年前に日米欧で繰り広げられたテレビジョンシステムの研究開発であることを確認し,中でも日本の高柳健次郎が果たした役割が大きいことを国際的に認識することとなった.この分野において常に世界の技術進歩をリードしてきたわが国が,本シンポジウムの開催を通じて国際的な優位性をさらに高める方策を思い描くきっかけになると同時に,経済・産業の発展や安全で快適な生活に大きく貢献することが期待される.なお,成果公表のために講演予稿集を兼ねたプロシーディングを全て英語で作成し,聴講者への配布だけでなく,シンポジウム終了と同時に関係諸機関(国内378,海外86)に配布し,公表した.さらに,共催団体の学会誌,広報誌等に講演や討論内容の概要の掲載を予定している.
 本シンポジウムの開催にあたっては,日本学術振興会光エレクトロニクス第130委員会,電気学会,電子情報通信学会,映像情報メディア学会,電気電子・情報関連技術史委員会の主催と,高柳記念電子科学技術振興財団の協賛のもと,独立行政法人日本学術振興会および独立行政法人情報通信研究機構の公的支援を受けたことで,参加登録費も含めて経費(約363万円,うち学振負担分約127万円)についても問題なく,大変有意義かつ盛況な開催となり,成功裏に終了できたことは,関係者一同の喜びであり,関係各位に深く感謝する次第である.

「Visual interface -moving toward the future-」_写真


[ 国際シンポジウム採択一覧へ戻る ]

[ 産学協力トップページへ戻る ]