国際シンポジウムの開催
 
「第16回池谷会議 持続可能社会のための材料生産技術:増子シンポジウム」
16th Iketani Conference 2006, Electrochemistry and Thermodynamics of Materials Processing for Sustainable Production: Masuko Symposium
 

素材プロセッシング69委員会

 持続可能な素材・材料生産を目指し、それに貢献する種々の材料プロセスの原理を化学熱力学と電気化学の立場から整理するとともに、これらの学問の重要性を再認識することで、新たなプロセス開発の出発点とすることならびに東京大学名誉教授増子f先生の電気化学、化学熱力学における業績を顕彰することを目的とし、財団法人池谷科学技術振興財団による支援の下、本シンポジウムを開催した。
 素材製造や機能性材料プロセッシングは、本来、日本の得意とする技術分野の一つであり、現在の高度技術社会を構築する上でもこの分野の貢献度は大きい。また、最近は、天然原料からの素材生産だけでなく廃棄物処理や素材再生にも大きな貢献をしている。こうした中で資源素材学会をはじめとする材料系学協会は、金属などの素材プロセスがリサイクルや廃棄物処理に大きな貢献ができることを示してきた。
  現在、環境対応の技術として多様なプロセスが開発されており、新技術の紹介が活発に行われており、そのプロセス原理は多くの場合、化学熱力学や電気化学により合理的に整理できると思われるが、これらの点を異なった分野の研究者が十分に理解しあっているとも思えない状況である。
 一方、各種電池、機能性材料やレアメタルのプロセッシング、さらにはデバイス製造にまで種々の電気化学プロセスが応用されている。しかしながら、これらの新プロセッシングは、工程が複雑になってきているために、その反応の本質が理解されずに開発される傾向がある。本国際会議を通じ、プロセスの原点にある化学熱力学と電気化学を通して現在の素材製造、機能性材料プロセスを見通すことで、将来のよりよいプロセス開発に繋がることを期待し、シンポジウムが企画された。
 本国際会議では、上記の趣旨を鑑み、化学熱力学と電気化学を基礎として(1)金属製錬工学、(2)電気化学プロセス(3)固体イオニクス(4)新素材プロセッシング(5)腐食防食の化学(6)素材リサイクルプロセス(7)環境科学など多岐にわたるセッションが持たれた。

11 月 12 日 (日) 夕方 ウェルカム・パーティー
11 月 13 日 (月) 午前 開会式 前田正史大会委員長、池谷正成 池谷科学技術振興財団理事長挨拶
Plenary Lecture 増子f(東京大学名誉教授), R.C.Newman(University of Toronto),
K.Nisansioglu(Norwegian University of Sicence and Technology)
  午後 一般講演 ポスター発表
11 月 14 日 (火) 午前  
Plenary Lecture W.G.Darvenport(University of Arizona), D.J.Fray(University of Cambridge),
J.E.Dutrizac(CANMET-MMSL),
D.B.Drisinger(University of British Columbia)
  午後 一般講演  夕方 バンケット
11 月 15 日 (水) 午前  
Plenary Lecture Y.A.Chang(University of Winsconsin), M.Yokokawa(AIST),
A.Pleton(Ecole Polytechnique de Motreal) ,
H.Hosono(Tokyo Institute of Technology)
  午後 一般講演

 一般講演は午後 3会場を使用し、3日間で18セッション47件 ポスター発表 29件 であった。

 11月16日(木)JFE京浜製鉄所、新日本製鉄君津製鉄所見学を行った。

 本会議は、バンケット以外はすべて東京大学生産技術研究所の新棟の国際会議場を利用して開催された。大変コンパクトであるが、最大300名を収容でき、同時通訳設備を持つ大会議室と100名を収容できる中会議室を2つ使用し、またポスター発表会場も十分に取れるすばらしい施設であった。快く会場を提供していただいた東京大学生産技術研究所に感謝を申し上げる。
 本会議には、国内から参加人数 178名、海外から米国、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、ベルギー、ノルウェー、オーストラリア、中国、韓国計10ヶ国38名、総計216名が参加し、活発な意見交換がなされた。本会議は、3日間を通し、午前中は基調講演、午後は一般講演を行ったが、一般講演もほぼ招待講演に近いもので、あらかじめ実行委員会でチェックを行い、信頼できる講演者のみに限定した結果、非常にレベルの高い講演が多く、その議論内容も非常に充実したものとなった。プロシーディングは、ほぼ1000ページに達した。
 本会議は、従来行われてきた会議とまったく異なり、また学会主催の会議でないために日本学術振興会素材プロセッシング第69委員会のメンバーが中心となり、実行委員会を形成し、大会委員長に東京大学生産技術研究所所長前田正史、同じく現在の第69委員会委員会委員長である東北大学多元物質科学研究所中村崇が当たった。その他プログラム委員長は東京大学工学研究科山口周が担当した。東京大学生産技術研究所内に大会のホームページを開設し、協賛をしていただいた資源素材学会、金属学会、鉄鋼協会、電気化学協会、表面処理技術協会、軽金属学会などの雑誌に会告を掲載していただき、広報活動を行った。その結果、まったく初めての国際会議で認知度が低いにもかかわらず、200名を超える参加者を集め、外国からも非常に有力な方々からおいでいただくことができ、すばらしい国際会議になった。特に学術振興会には「産学協力交国際シンポジウム」として資金援助ならびに広報にご協力いただき、ほぼ総額約20,000千円で本会議を無事成功裏に終了できたことは、関係者一同の喜びであり、関係各位に深く感謝する次第である。

「第16回池谷会議 持続可能社会のための材料生産技術:増子シンポジウム」_写真1
「第16回池谷会議 持続可能社会のための材料生産技術:増子シンポジウム」_写真2


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