国際シンポジウムの開催
 
第6回創造機能化学国際フォーラム
The Sixth International Forum on Chemistry of Functional Organic Materials (IFOC-6)
 

創造機能化学第116委員会

1.概要
  国際シンポジウム名:第6回創造機能化学国際フォーラム (IFOC-6)
  開催期間:平成21年11月14日(土)〜平成21年11月16日(月)
  開催場所:東京大学一条ホール(弥生講堂)
  参加者数:104名(国内94名、国外10名)
  著名な海外参加者:George M. Whitesides教授(Harvard University), Jean M. J. Frechet教授(University of California, Berkeley), Phil S. Baran教授(Scripps Research Institute)など
  予算総額:7,236千円(独立行政法人日本学術振興会経費負担額 2,000千円を含む)
 
2.実施内容・成果及び成果公開について
 世界の化学および化学技術にとって、新規な分子機能(化学機能,物理機能および生体機能)をもつ新物質創製とその効率的合成法の開拓、機能評価法の開発が強く望まれている。日本学術振興会創造機能化学第116委員会は、これらの研究分野を「創造機能化学」と名付け、21世紀におけるわが国の科学・技術を支える重要な分野であると認識し、未来指向型物質の創製を模索している。創造機能化学の研究推進によって、未知への挑戦とでも言うべき成果を多く挙げ、21世紀の科学・技術を担う若手研究者の育成にも努力を払っている。
 一方、創造機能化学に関する研究成果発表の場を国際的規模で開催すべきとの産学からの強い要望に応え、平成6年より3年毎に「創造機能化学国際フォーラム」を開催し、当該分野の研究に関する国際的規模での討論、情報交換を精力的に行なってきた。前回より3年経過した平成21年に「第6回創造機能化学国際フォーラム(IFOC-6)」を開催し、1)我が国の創造機能化学に関する研究成果を世界に向けて発信し,世界規模での評価を受けること、2)創造機能化学に関する世界最先端の研究に触れること、3)国内外の大学所属若手研究者(助手)や他の若手研究者(ポスドク,大学院生)に自由な発信と討論の場を提供することを目指した。
 まず、会議前日11月14日夕刻の2時間、招待講演者および組織委員が集いレセプションを行い、最近の有機機能物質の開発状況などの話合いを通じ、協力や親交を深めた。
 会議初日の11月15日は、9:20の鈴木孝治IFOC-6組織委員長の開会の辞でフォーラムが始まり、引き続き12:20まで4件の招待講演(講演順:Jean M. J. Frechet教授(University of California, Berkeley), 神戸宣明教授(大阪大学), Phil S. Baran教授(Scripps Research Institute), 中條善樹教授(京都大学))が行なわれた。昼食時には、機能創造第116委員会運営委員会を西郷和彦委員長のもとで行い、引き続き13:30から17:40まで午後のフォーラムで、6件の招待講演(講演順:Tomas Torres教授 (Autonoma University Madrid), 永島英夫教授(九州大学)、田中一義教授(京都大学), Chien-Hong Cheng教授(National Tsing Hua University), 吉田潤一教授(京都大学), 片山佳樹教授(九州大学))が行われた。その後、場所を移し18時から20時まで、40名の参加者を得てバンケットが持たれた。
 11月16日は、9:30より17:30までのフォーラムで、8件の招待講演(講演順:Mukund Sibi教授(North Dakota University), 高橋保教授(北海道大学), Norbert Krause教授 (Dortmund University of Technology)、八島栄次教授(名古屋大学), George M. Whitesides教授(Harvard University), 瀧宮和男教授(広島大学), 加藤隆史教授(東京大学), 菊池裕嗣教授(九州大学))が行なわれた。この間、13:30から15:00まで、若手研究者中心のポスター発表があり、40件の発表と活発な意見交換が行われた。最後に、小坂田耕太郎組織委員会副委員長が閉会の辞を述べ、再会を約束して終了した。
 本フォーラムは先に京都で行われたIKCOCの組織委員長である吉田潤一教授(京大)にも協力していただき、Whitesides教授(Harvard大)や Frechet教授(California大)など、ノーベル賞級の著名な化学者を招き、最新のトピックスを聞くことができたことは、参加者にとって極めて有意義であった。
 招待講演では、上述のように海外から7名、国内から11名の著名な化学者を招き、最新の研究成果を発表していただいた。それらの発表内容は参加者に極めて強い科学インパクトを与える独創的なものであり、参加者の今後の研究の進展に、たいへん有意義な内容であった。そのため、各講演では熱心で多くの質問が出され、予定質問時間を越える熱気溢れるフォーラムであった。特に論文引用数世界トップのWhitesides教授は1つ1つの講演で講演者に対して質問や有益なコメントを述べられ、講演者自身が化学の重要性を再認識させられる場面が多々あったことは、聴講者にとってもたいへん有意義であり、より一層充実したものとなったことが印象的であった。
 ポスター発表には、熱心な若手研究者40名の発表があり、外国人招待講演者、ベテラン研究者、若手研究者の活発な討論が会場のあちこちで展開され、大いに議論が盛り上がり、多くの情報交換がなされた。若手研究者や大学院学生が最新の成果を発表し,外国人招待講演者、ベテラン研究者などと長時間議論している姿が多く見られ、本フォーラムが1つの目的としている「若手研究者の育成」にも貢献できた。
 招待講演者のためのレセプションおよび参加者のためのバンケットは、講演やポスター発表時とは異なり和やかな雰囲気のもとで行われ、「創造機能化学」研究の楽しさや今後取り組むべきことなどの意見交換も行なわれた。特にバンケットでは、若手研究者が著名な外国人招待講演者に積極的に話しかけている姿が印象的であり、大いに刺激を受けていた。
 我が国の「創造機能化学」研究の国際水準に関しては、日本におけるこの分野の研究が質・量共に極めて高い水準との評価を外国人講演者から受けた。さらに、この研究分野を含む日本の「創造機能化学」の広がりの重要性と世界をリードする研究の継続を望む声があった。
 本フォーラムの成果は、アブストラクト集として纏め、参加者に配布した。残部は積極的に希望者に無料配布するが、すでに会場に来た東大の学生の希望者には手渡し好評を得た。また、各発表者の最新の研究成果は、それぞれが専門学術誌に公表する予定である。なお、本フォーラムについては、学術振興会協力会会報、学術振興会第116委員会報告書等に報告する。
 
3.今後の課題
 近年、環境問題・新エネルギーの創製に国民の最大の関心が移行しつつあるが、日本学術振興会創造機能化学第116委員会が進める新物質創製とその効率的合成法の開拓,機能評価法の開発は、これらの課題に対しても必要不可欠な技術を提供できる。3年毎に「創造機能化学国際フォーラム」を開催し「創造機能化学」に関する国際的規模での討論、情報交換を行なってきているが、平成23年にも日本とフランスが協力した国際シンポジウムを予定している。第116委員会は「創造機能化学」が21世紀における革新的科学の源であると位置づけ、今後も国際シンポジウムを通じて、未知への挑戦と若手研究者の育成に尽力する。

第6回創造機能化学国際フォーラム
図1 鈴木運営委員長の挨拶
第6回創造機能化学国際フォーラム
図2 招待講演者Whiteside先生への質問
第6回創造機能化学国際フォーラム
図3 バンケットにて



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