モデル植物のゲノム情報基盤整備が終了し、それらの情報が学術研究の推進から産業育成まで有用であることが示されています。これらモデル植物での成功を受け、実用作物も含めた代表的な植物種を用いたゲノム解読研究が国際協調で展開されました。本委員会の第1期においては、そのうちナス科植物、ウリ科植物などの国際協調ゲノム研究で、我が国が国際的にイニシアティブを発揮すること、さらのその成果の産業利用を促進することを支援してきました。その結果、ナス科植物では、モデルトマト品種を利用したゲノム情報整備やその利用ツールの開発において世界から注目される研究基盤を構築し、我が国が当該分野の世界拠点の一つとして認知されるようになりました。一方、近年、次世代DNAシークエンサー開発・普及が急速に進み、ゲノム解読研究が急速に変化してきました。それに伴って、ゲノム解読対象とされる植物の範囲は、初期に行われたモデル植物・モデル作物から、エネルギー植物、植物工場向け植物さらには微細藻類に至るまで多岐に渡っています。現在、これら多様な資源植物のゲノム解読が世界中で実施され、大量のゲノム解読情報が日々生み出されております。そして、このようなゲノム解読情報を活用し、新植物産業を創生する産業界の期待も国内的にも国際的にも一層の高まりを見せています。 一方、大量迅速植物ゲノム解読時代が到来し、その情報を資源植物の分子デザインに活用する研究が急速に立ち上がっています。これらの資源植物分子デザイン研究で我が国がイニシアティブを発揮出来なければ、先進諸外国の後塵を拝することにもなり、ひいては我が国の植物産業界の発展に大きく支障を来す可能性があります。我が国としては、これらの資源植物分子デザイン研究を支援するシステムを可及的速やかに構築し、我が国の研究者がイニシアティブを発揮できる土壌を醸成する必要があります。 そこで、資源植物のゲノム情報の利活用技術の研究に取り組む我が国の研究者の活動を支援し、それらの研究によって生まれるシーズと産業界のニーズのマッチングを図ることを目的に本委員会を設置しました。
平成22年12月1日 〜 平成27年11月30日まで (5年間)
シロイヌナズナやイネなど従来のモデル植物を除く資源植物、特に国際コンソーシアム方式でゲノム情報整備が進み始めたナス科やウリ科について、産学一体となってゲノム情報整備と利用ツール開発に取り組み、その成果をもって世界をリードできる体制を我が国に構築することを目的として活動してきました。その結果、ナス科(特にトマト)に関しては、文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクトとして選定され、また、国際連携拠点の形成(筑波大)など産学連携を推進する基盤が形成されました。これらの基盤を活用した共同研究が生研センタープロジェクト(農水省)やPFプロジェクト(経済産業省)で実施され、具体的な産学連携が実行されました。一方、これらの活動の成果は、各種学術雑誌(Plant Biotechnologyなど)で特集号として出版されました。さらに、これらの活動が諸外国から高く評価され、ナス科とウリ科のゲノム研究の国際会議(SOL&ICuGI2011)を2011年に我が国に誘致することに成功しました。
http://plantmdc.gene.tsukuba.ac.jp/