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独立行政法人日本学術振興会
研究事業部 研究事業課 産学協力係

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学術の社会的連携・協力の推進

産学協力研究委員会

先進セラミックス第124委員会

趣旨・目的

セラミック材料は、多種多様な機能を有しており、電子情報、航空宇宙、自動車など先端産業を支えるキー材料として注目され、環境・エネルギー関連でも注目を浴びているが、我が国はその開発と実用において世界をリードしてきた。
 しかし、その信頼性とコストが今一歩不足しているため、当初予期されたほど実用化が進まない悩みが残っている。靭性の不足等に起因する信頼性の課題が克服されれば、それを用いる産業が堰を切ったように飛躍的に発展する等、その波及効果は計り知れない。
 従来の研究によって、信頼性の抜本的な解決には材料の微構造の詳細な研究が必要であり、その制御が鍵を握ることが推測されている。微構造は結晶粒と粒界・界面からなり、サブミクロン・ナノから原子・分子までの各スケールレベルにおいて構成されていることから、各レベルでの粒界・界面からの微構造発現の法則性を明らかにすることが特性制御、信頼向上に必要である。
 さらに、上記の方策が解明されても、正しく微構造が制御された材料を調製するためのプロセスの科学と技術が不可欠であり、特に、セラミックスにおいてはこの問題が本質的に重要な課題となることが予想される。そのため、従来の粉体からのプロセス技術に加え、有機分子やポリマーを前駆体物質として原子レベルから微構造を構築する技術など、あらゆる手法を動員して研究を推進することが強く求められている。
 本委員会では、上記の視点に立って、有機、無機、金属など諸分野の研究者の密接な連携の下に、関心の深い多くの企業の技術者と協力し、耐熱・耐食性のみならず機械的、電気・電子的等各種の優れた先進的機能を持つセラミック材料の微構造とプロセスに関する法則性を学問的に研究し、技術的なブレークスルーを図ることを目的としている。

活動の内容

  1. 粒界の微視的構造解析法を用いた微構造制御のための基本法則の解明
  2. 粒界制御を意識したプロセス要素の科学的研究
    (超塑性の機構を解明し、複雑形状部材の製造法開発を含む)
    以上は、粒界・界面現象研究分科会で特に注力する。
  3. 有機―無機変換による先進セラミック(Si・X・M系)の創製
    (X=B、N、C、O、 M=Al、Ti、Cr、Fe); 有機―無機変換(略称)
    分科会で推進する。
    1. 前駆体ポリマーの設計と有機―無機変換過程の制御
    2. 構造(原子レベルからの各種スケールレベル)組織、化学組成のコントロール
    3. 単結晶、多結晶、アモルファス;バルク、フィルム、ファイバー等の調製
    4. 複合材料の調製研究
  4. 従来のセラミックスプロセスの改良研究(AIN、SiC、Sialons、ZrO2など)
  5. 新しい人材の育成と国際交流に資する事業

設置期間

平成30年4月1日~令和5年3月31日(5年間)

委員の構成(平成31年4月現在)

  • 学界 45名
  • 産業界 34名
  • 委員総数 79名

委員長

目 義雄 物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 特命研究員