平成12年度未来開拓学術研究推進事業研究成果報告書概要



1.研究機関名 名古屋大学
 
2.研究領域 生命科学
 
3.研究分野 生体分子の構造と機能調節
 
4.研究期間 平成8年度〜平成12年度
 
5.研究プロジェクト番号 96L00504
 
6.研究プロジェクト名 生物発光における精密構造認識機構の解明と分子機構の研究への展開

7.プロジェクト・リーダー
プロジェクト・リーダー名 フリガナ 所属部局名 職名
磯部 稔 イソベ ミノル 大学院生命農学研究科 教授

8.コア・メンバー

コア・メンバー名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
松田 幹 マツダ ツカサ 名古屋大学・大学院生命農学研究科 教授
高井 章 タカイ アキラ 名古屋大学・大学院医学研究科 助教授

9.研究協力者

研究協力者名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
甲斐 英則 カイ ヒデノリ 鳥取大学・農学部 教授

10.研究成果の概要

トビイカ発光タンパク質シンプレクチンの全アミノ酸配列を決定し、大腸菌による過剰発現系を組み上げて粗タンパク質が発光する事を確認した。また発光素子結合部位を13CNMR法を用いてタンパクの中の存在状態を研究し、分子機構を証明した。この発光タンパク中での発光素子の存在形態を実証する事ができたので、さらに詳細な生物発光の分子機構を解明した。天然型のデヒドロセレンテラジンは、SH基と付加・脱離平衡となっているため、付加型に偏らせるために2-位側のフェニル基に電子吸引性置換基としてフッ素原子をもつ3種のアナログを合成し、アポシンプレクチンに与えて発光させた。オルトF体は天然型よりも多く発光した。13CNMR法のグルタチオンペプチドによるモデル研究に基づき、発光素子シンプレクチンタンパクのトリプシン分解物T43テトラペプチドCGLKを合成しその中のシステインに酸化型セレンテラジンを共役付加させ、発光前・後のナノLC-Q-TOF-MS/MSを測定して、発色団を持つ蛍光性ペプチドを超微量で特定する方法論を確立した。
 一方、構造生物学的な観点からカイコ休眠の覚醒を制御する時間読みタンパク質EA4とその時間読み開始を調節するペプチドPINとの相互作用を解析した。EA4のトリプシン分解物からすべてのアミノ酸配列を、ナノLC-Q-TOF-MS/MSによって決定し、T3ペプチドに分子量730の糖鎖がGalNAc-GalNAc-Man-Manという配列となった構造を決定した。EA4は、約25種のZn-Cu型SODのX-線結晶解析による骨格が同一で、銅イオン周辺のアミノ酸が高度選択的に酸化修飾されることから証明した。

11.キーワード

(1)沖縄産トビイカ、(2)シンプレクチン、(3)cDNAクローニング
(4)13C NMR、(5)発色団、(6)ナノLC Q TOF MS
(7)EA4、(8)トリプシン消化、(9)糖タンパク質

12.研究発表(印刷中も含む)

[雑誌論文]
著者名 論文標題
Kuse, M.; Isobe, M. Synthesis of 13C-Dehydrocoelenterazxine and NMR Studies on Bioluminescence of Symplectoteuthis model
雑誌名 発行年 ページ
Tetrahedron 56 2000 2629-2639

著者名 論文標題
Takai, A.; Tsuboi, K.; Koyasu, M.; Isobe, M Effects of modification of the hydrophobic C1-C16 segment of tautomycin on its affinity to type 1 and type 2A protein phosphatases
雑誌名 発行年 ページ
Biochemical Journal 350 2000 81-88

著者名 論文標題
Liu, Tong-Zhu; Isobe, M. Synthetic Studies on the HIJK-Ring Fragment of Ciguatoxin
雑誌名 発行年 ページ
Tetrahedron 56 2000 5391-5404

著者名 論文標題
Suwan, S.; Isobe, M.; Kanokmedhakul, S.; Lourit, N.; Kanokmedhakul, K.; Soytong, K.; Koga, K. Elucidation of Great Micro-heterogeneity of an Acidic-Neutral Trichotoxin Mixture from Trichoderma harzianum by ESI-QTOF Mass Spectrometry
雑誌名 発行年 ページ
J. Mass Spectrometry 35 2000 1438-1451

著者名 論文標題
Kuse, M.; Suwan, S.; Koga, K.; Franz, T.; Kanakubo, A.; Isobe, M.; Shimomura, O. 7, 8-Dihydropterin-6-carboxylic Acid as Light Emitter of Lumonous Millipede, Luminodesmus sequoiae
雑誌名 発行年 ページ
J. Bioorganic Chem. Lett.   2001  

著者名 論文標題
Tani, N.; Kamada, G.; Ochiai, K.; Isobe, M.; Suwan, S.; Kai. H. Carbohydrate Moiety of Time-Interval Measuring Enzyme Regulates Time Measurement through Its Interaction with Time-Holding Peptide PIN
雑誌名 発行年 ページ
J. Biochem. 129 2001 221-227

[図書]
著者名 出版者
磯部 稔 日本農芸化学会
書名 発行年 総ページ数
日本農芸化学会誌 2000 12(総頁数)


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