平成12年度未来開拓学術研究推進事業研究成果報告書概要



1.研究機関名 筑波大学
 
2.研究領域 生命科学
 
3.研究分野 生体分子の構造と機能調節
 
4.研究期間 平成8年度〜平成12年度
 
5.研究プロジェクト番号 96L00501
 
6.研究プロジェクト名 細胞情報伝達系に関与する蛋白質の構造生物学

7.プロジェクト・リーダー
プロジェクト・リーダー名 フリガナ 所属部局名 職名
田中 俊之 タナカ トシユキ 応用生物化学系 助教授

8.コア・メンバー

コア・メンバー名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
伊倉 光彦 イクラ ミツヒコ トロント大学・オンタリオ癌研究所 教授

9.研究協力者

10.研究成果の概要

1.情報伝達蛋白質の高次構造
 (1)カルシウム情報伝達に関与する蛋白質
 カルモデュリンとその最も強力な阻害剤W-7からなる複合体の構造決定に成功し、W-7による活性阻害機構やカルモデュリンによる標的蛋白質の認識機構に関して知見を得た(Osawa et al., 1998)。N末端に共有結合しているミリストイル酸を利用して、カルシウム依存的に細胞膜と相互作用するリカバリンのカルシウム非結合型及び結合型の構造をそれぞれ決定し、蛋白質内部に格納されていたミリストイル基が、カルシウムの結合と連動して蛋白質表面に露出するメカニズムを原子レベルで解明した(Ames et al., 1997他)。
 (2)His-Aspリン酸リレー情報伝達に関与する蛋白質
 EnvZの細胞質ドメインである自己リン酸化ドメインとキナーゼドメインの三次元構造を決定し、その二量化による情報伝達の仕組みを明らかにした(Tomomori et al., 1999, Tanaka et al., 1998)。
 (3)転写調節に関与する蛋白質
 MafGのDNA結合ドメインの三次元構造解析を行い、そのDNA認識結合様式を解明した(投稿中)。
2.新NRM方法論の開発
 構造既知の天然体のNMR情報を基に部位特異的変異体の主鎖連鎖帰属及び側鎖帰属を行うプログラムを作成した。今後、NOE構造情報を帰属するプログラムを作成し、NMR分子置換プログラムを完成させる予定である。

11.キーワード

(1)情報伝達、(2)蛋白質、(3)溶液構造
(4)NMR、(5)カルモデュリン、(6)リカバリン
(7)EnvZ、(8)MafG、(9)分子置換法

12.研究発表(印刷中も含む)

[雑誌論文]
著者名 論文標題
J. B. Ames Molecular Mechanics of Calcium-Myristoyl Switches
雑誌名 発行年 ページ
Nature 389 1997 198-202

著者名 論文標題
M. Osawa Solution Structure of Calmodulin-W-7 Complex: The Basis of Diversity in Molecular Recognition
雑誌名 発行年 ページ
J. Mol. Biol. 276 1998 165-176

著者名 論文標題
T. Tanaka NMR Structure of the Histidine Kinase Domain of the E. coli Osmosensor EnvZ
雑誌名 発行年 ページ
Nature 396 1998 88-92

著者名 論文標題
C. Tomomori Solution Structure of the Homodimeric Core Domain of Escherichia coli Histidine Kinase EnvZ
雑誌名 発行年 ページ
Nature Struct. Biol. 6 1999 729-734

著者名 論文標題
T. Tanaka Solution Structures of C-1027 Apoprotein and Its Complex with the Aromatized Chromophore
雑誌名 発行年 ページ
J. Mol. Biol. 309 2001 267-283


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