平成12年度未来開拓学術研究推進事業研究成果報告書概要



1.研究機関名 岡崎国立共同研究機構
 
2.研究領域 生命科学
 
3.研究分野 生命体の形成機構(生殖・発生など)
 
4.研究期間 平成8年度〜平成12年度
 
5.研究プロジェクト番号 96L00401
 
6.研究プロジェクト名 魚類の性分化制御に関する分子・細胞学的研究

7.プロジェクト・リーダー
プロジェクト・リーダー名 フリガナ 所属部局名 職名
長濱 嘉孝 ナガハマ ヨシタカ 基礎生物学研究所 教授

8.コア・メンバー

コア・メンバー名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
嶋 昭宏 シマ アキヒロ 東京大学大学院新領域創生科学研究科 教授
尾里 建二郎 オサト ケンジロウ 名古屋大学生物分子応答センター 教授

9.研究協力者

研究協力者名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
吉国 通庸 ヨシクニ ミチヤス 岡崎国立共同研究機構・基礎生物学研究所 助教授
小林 亨 コバヤシ トオル 岡崎国立共同研究機構・基礎生物学研究所 助手
若松 佑子 ワカマツ ユウコ 名古屋大学生物分子応答センター 助教授

10.研究成果の概要

本研究は、分子・細胞学的、発生生物学的、遺伝学的手法を駆使することにより、魚類における性決定及びそれに伴い起こる生殖腺の性分化(卵巣と精巣への分化)、及び性転換の機構を明らかにする目的で計画された。この5年間に明らかにされた主な点は以下の通りである。(1)ティラピアにおける卵巣の形成に、エストロゲン/エストロゲン受容体が不可欠である。(2)ティラピアの精巣の形成に、アンドロゲン/アンドロゲン受容体は主要な役割を果たさない。かわって、DMドメインを持つDMRT1遺伝子がセルトリ細胞に特異的に発現することが、精巣の形成に重要な働きをする。(3)メダカのY染色体にある性決定遺伝子を、染色体歩行、ショットガンシーケンスを併用したポジショナルクローニングにより単離し、DMドメインを持つPG17遺伝子であることを明らかにし、その遺伝子をosuと名づけた。この遺伝子が欠けていたり、或は発現が抑制されればXY個体でも精巣ではなく卵巣が形成され、雌となる。(4)遺伝子ノックアウト技術の開発にとって必要な核移植技術をメダカで確立した。(5)生殖細胞に特異的に発現する遺伝子Vasaを利用して光るトランスジェニックメダカ系統を確立した。(6)将来における生殖腺の性分化を解析するために有益な透明メダカ(諸器官が外側から透けてみえる)、また初期胚(受精後2日)で性の判別(98%)が可能なメダカ系統(Qurt:Q系統)を作出した。(7)ハワイ産成魚でみられる雌から雄への性転換は、卵濾胞細胞における芳香化酵素遺伝子の急激な発現停止によりもたらされるエストロゲンの生成抑制を引き金として起こる。

11.キーワード

(1)性分化、(2)性決定、(3)生殖腺
(4)魚類、(5)メダカ、(6)ティラピア
(7)核移植、(8)性ステロイド、(9)DMRT1

12.研究発表(印刷中も含む)

[雑誌論文]
著者名 論文標題
Wada, H. et al. Sex-linked inheritance of the if locus in the madako fish coryzias latipes
雑誌名 発行年 ページ
Zool. Sci. 15 1998 123-126

著者名 論文標題
Ikeuchi, T. et al. c DNA cloning of a novel androgen receptor subtupe
雑誌名 発行年 ページ
g. Biol. Chem. 274 1999 25205-25209

著者名 論文標題
Guan, G. et al. Sexually dimorphic expression of DM(doublsex/Mab-3)-domain genes during gonadal differentian・・・
雑誌名 発行年 ページ
Biochem. Biophys. Res. Covn. 272 2000 662-666

著者名 論文標題
Tanaka, M. et al. Establishment of medaka(oriyzioslabpes)transgenic lines urth the expression of GFP fluorescence・・・
雑誌名 発行年 ページ
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98 2001 2544-2549

著者名 論文標題
Wakamatsu, Y. et al. Fertile and diploid nuclear transptation deriued from embryonic cells of medaka, Orggies latipes
雑誌名 発行年 ページ
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98 2001 1071-1076

著者名 論文標題
Wakamatsu, Y. et al. The see-throagh medaka : A fish model that is transporent throughout life
雑誌名 発行年 ページ
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98 2001 10046-10050

[図書]
著者名 出版者
長濱 嘉孝、東藤 孝 青木 宙、隆島 史夫、平野 哲也
書名 発行年 総ページ数
魚類のDNA:分子遺伝学的アプローチ 1997 350-378

著者名 出版者
尾里 健二郎、若松 佑子 青木 宙、隆島 史夫、平野 哲也
書名 発行年 総ページ数
魚類のDNA:分子遺伝学的アプローチ 1997 63-79


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