平成12年度未来開拓学術研究推進事業研究成果報告書概要



1.研究機関名 東京大学
 
2.研究領域 生命科学
 
3.研究分野 細胞シグナリング
 
4.研究期間 平成8年度〜平成12年度
 
5.研究プロジェクト番号 96L00308
 
6.研究プロジェクト名 イノシトールリン脂質とシグナル蛋白質の分子相関

7.プロジェクト・リーダー
プロジェクト・リーダー名 フリガナ 所属部局名 職名
竹縄 忠臣 タケナワ タダオミ 医科学研究所 教授

8.コア・メンバー

コア・メンバー名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
深見 希代子 フカミ キヨコ 東京大学・医科学研究所 講師

9.研究協力者

研究協力者名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
望月 康弘 モチヅキ ヤスヒロ 東京大学・医科学研究所 ポスドク

10.研究成果の概要

新たなPI(4,5)P2の機能を見つけるため新たなPI(4,5)P2結合ドメインの探索を行った。すでに知られているPI(4,5)P2結合ドメインとしてPHドメインが有名であり、非常に多くの蛋白質がPHドメインを有し、PI(4,5)P2によって機能が調節されていることが分かっている。PHドメイン以外のPI(4,5)P2結合ドメインを探索し、エンドサイトーシスに関与するepsin蛋白質のENTHドメインを新たなPI(4,5)P2結合ドメインとして見いだした。ENTHドメインはPI(4,5)P2の他にもPI(3,4,5)P3とも有意に結合したが他のイノシトールリン脂質とは結合しなかった。更に結合の分子機序を明らかにするためNMRによる高次構造を調べた。ENTHドメインは合計6個のアロファーヘリックスのみより成る構造をしていた。PI(4,5)P2との結合にはN末の構造を取らない塩基性に富むアミノ酸配列とヘリックス3とヘリックス4の間の塩基性に富むループが必須であった。その部位の塩基性アミノ酸をアラニンに置換すると結合活性は完全に失われた。
Epsinはエンドサイトーシスの際に形成されるクラスリン複合体よりなるベジクル形勢に必須であることが分かっている。その際にEpsinのENTHドメインにPI(4,5)P2が結合することが必要であることうを証明するため、PI(4,5)P2に結合できない変異体Epsinを細胞に発現させEGFの細胞内への取り込みへの影響を調べた。このような変異体はEGFの細胞内取り込みを完全に抑制した。これらの結果からEpsin ENTHドメインは新たなPI(4,5)P2結合ドメインであり、その結合にはエンドサイトーシスに必須であることを明らかとした。

11.キーワード

(1)PI(4,5)P2結合、(2)エンドサイトーシス、(3)Epsin
(4)ENTHドメイン、(5)高次構造

12.研究発表(印刷中も含む)

[雑誌論文]
著者名 論文標題
Park, S Phosphatidylinositol 4-phosphate 5-kinase type I is regulated through phosphorylation response by extracellular stimuli
雑誌名 発行年 ページ
J. Biol. Chem. 274 2001 4781-4787

著者名 論文標題
Itoh, T. The Epsin N-terminal homology(ENTH) domain:a Phosphatidylinositol 4, 5-bisphosphate binding domain esential for endocytosis
雑誌名 発行年 ページ
Science 291 2001 1047-1051

著者名 論文標題
Zhang, Y. Phosphatidylinositol 4-phosphate 5-kinase its3 and calcineurin ppb1 coordinately regulate cytokinesis in fission yeast.
雑誌名 発行年 ページ
J. Biol. Chem. 275 2000 35600-35606

著者名 論文標題
Ijyuuin, T. Identification and characterization of a novel inositol polyphosphate 5-phosphatase.
雑誌名 発行年 ページ
J. Biol. Chem. 275 2000 10870-10875

著者名 論文標題
Fukami, K. Growth factor-induced promoter activation of murine phospholipase C delta4 gene.
雑誌名 発行年 ページ
Eur J Biochem. 267 2000 28-36


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