平成12年度未来開拓学術研究推進事業研究成果報告書概要



1.研究機関名 東京医科歯科大学
 
2.研究領域 生命科学
 
3.研究分野 高次脳機能
 
4.研究期間 平成8年度〜平成12年度
 
5.研究プロジェクト番号 96L00208
 
6.研究プロジェクト名 シンボル操作の脳内機構

7.プロジェクト・リーダー
プロジェクト・リーダー名 フリガナ 所属部局名 職名
入来 篤史 イリキ アツシ 大学院医歯学総合研究科 教授

8.コア・メンバー

コア・メンバー名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
岩村 吉晃 イワムラ ヨシアキ 東邦大学・医学部 教授
小島 久幸 オジマ ヒサユキ 理化学研究所・脳科学総合研究センター 上級研究員
田中 美智雄 タナカ ミチオ 東邦大学・医学部 助手

9.研究協力者

研究協力者名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
市野瀬 志津子 イチノセ シズコ 東京医科歯科大学・機器分析センター 助手
大林 茂 オオバヤシ シゲル 東邦大学・医学部 助手
石橋 英俊 イシバシ ヒデトシ 東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科 リサーチ・アソシエイト

10.研究成果の概要

本年度新たに、サルも複数の道具を順次洞察的に組み合わせて一連の目的をもった動作を行うことができるという行動的観察結果を得てサルも純粋に内観的な過程を構成する能力を持つと推定されたので、これらの抽象化・記号化された「シンボル」やそれに基づく概念の操作に関与する神経生理学的メカニズムを解析した。さらに、道具使用学習成立に伴う頭頂間溝部皮質での神経終末の形態変化について、順行性神経標識による光学顕微鏡的および電子顕微鏡的微細構造の解析を行った。また、昨年度までに神経生理学的解析によって明らかとなった、熊手が手に同化した身体表象に対応する活動特性を示すニューロンが存在する頭頂間溝部皮質が、道具使用時に実際に活動するか否か、また他にどの脳領域が共役して活動するかを、15O-水標識PETにて測定しSPM99で解析した結果、対側頭頂間溝部皮質の道具ニューロン記録部位と一致した領域が賦活されることを確認した。これと同時に、前補足運動野、運動前野、小脳半球、基底核で有意な血流増加がみられた。昨年度までの分子生物学的解析によって明らかになった道具使用学習に伴う頭頂間溝部皮質での最初期遺伝子(IEG)発現について、その発現量を定量化するとともに in sizu hybridization によるIEG発現の領域特異性を明らかにした。さらに、神経回路形成に寄与することが知られている神経栄養因子であるBDNF、NT-3、およびその受容体であるtrkBもこの時期この脳領域で特異的に発現誘導されていることが判明した。

11.キーワード

(1)ニホンザル、(2)道具使用、(3)自己意識
(4)大脳皮質頭頂連合野、(5)多種感覚統合、(6)単一ニューロン活動
(7)神経栄養因子、(8)皮質間神経結合、(9)ポジトロンCT

12.研究発表(印刷中も含む)

[雑誌論文]
著者名 論文標題
Ishibashi H Acquisition and development of monkey tool-use: behavioral and kinematic analyses.
雑誌名 発行年 ページ
Can. J. Physiol. Pharmacol. 78 2000 958-966

著者名 論文標題
Obayashi S Subjective image of invisible hand coded by monkey intraparietal neurons.
雑誌名 発行年 ページ
Neuroreport 11 2000 3499-3505

著者名 論文標題
Taoka M Bilateral receptive field neurons in the hindlimb region of the postcentral somatosensory cortex in awake macaque monkeys.
雑誌名 発行年 ページ
Exp. Brain Res. 134 2000 139-146

著者名 論文標題
Hiraba H Deficits of masticatory movement caused by lesions in the orofacial somatosensory cortex of the awake cat.
雑誌名 発行年 ページ
Somatosensory and Motor Res. 17 2000 361-372

著者名 論文標題
Ishibashi H Tool-use learning selectively induces expression of brain-derived neurotrophic factor, its receptor trkB, and neurotrophin 3 in the intraparietal cortex of monkeys.
雑誌名 発行年 ページ
Cogn. Brain Res.   2001 in press

著者名 論文標題
Iriki A Self-images in the video monitor coded by monkey intraparietal neurons.
雑誌名 発行年 ページ
Neurosci. Res.   2001 in press

著者名 論文標題
Obayashi S Monkey PET imaging of brain activation subserving tool-use.
雑誌名 発行年 ページ
Neurosci. Res., Suppl. 24 2000 S78

著者名 論文標題
Toda T The callosal connections in the forelimb region of the monkey postcentral somatsensory cortex.
雑誌名 発行年 ページ
Neurosci Res., Suppl. 24 2000 S112

著者名 論文標題
Taoka M Integration of somatic information from different body parts in the second somatosensory cortex.
雑誌名 発行年 ページ
Neurosci Res., Suppl. 24 2000 S112

著者名 論文標題
Iriki A Coding self-image by parietal neurons.
雑誌名 発行年 ページ
Proc. 26th SEIRIKEN Int. Symp.   2000 24-25

著者名 論文標題
Obayashi S PET imaging of the monkey brain during tool-use.
雑誌名 発行年 ページ
Soc. Neurosci. Abst. 226 2000 1500

著者名 論文標題
Ishibashi H Increased gene expression in the monkey intraparietal cortex underlying alteration of somatosensory-visual integration accompanysing tool-use learning.
雑誌名 発行年 ページ
Proc. 2nd. Multisens. Res. Conf.   2000 4

[図書]
著者名 出版者
Iwamura Y Neuroscientist
書名 発行年 総ページ数
Bilateral activity and callosal connections in the somatosensory cortex. 2001 in press

著者名 出版者
Obayashi S  
書名 発行年 総ページ数
Functinal brain mapping of monkey tool use. 2001 submitted

著者名 出版者
Iwamura Y John Wiley
書名 発行年 総ページ数
The Corsini Encyclopedia of Psychology and Behavioral Science. 2000 1247-1248

著者名 出版者
Iwamura Y Harwood Academic
書名 発行年 総ページ数
Somatosensory Processing-from single neuron to brain imaging. 2001 101-112


戻る