平成12年度未来開拓学術研究推進事業研究成果報告書概要



1.研究機関名 順天堂大学
 
2.研究領域 生命科学
 
3.研究分野 高次脳機能
 
4.研究期間 平成8年度〜平成12年度
 
5.研究プロジェクト番号 96L00204
 
6.研究プロジェクト名 手続き的記憶の神経機構

7.プロジェクト・リーダー
プロジェクト・リーダー名 フリガナ 所属部局名 職名
彦坂 興秀 ヒコサカ オキヒデ 医学部 教授

8.コア・メンバー

コア・メンバー名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
宮内 哲 ミヤウチ サトル 通信総合研究所・関西先端研究センター 主任研究員
福田 秀樹 フクダ ヒデキ 産業医学総合研究所・作業条件適応研究部 主任研究員

9.研究協力者

研究協力者名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
坂上 雅道 サカガミ マサミチ 順天堂大学・医学部 講師
滝川 順子 タキカワ ヨリコ 順天堂大学・医学部 助手
川越 礼子 カワゴエ レイコ 順天堂大学・医学部 助手

10.研究成果の概要

手続き的学習と動機づけなど心的プロセスの神経機構を調べるためのいくつかの行動課題を考案し、被験者(主にマカクサルを対象とする)に訓練した。特に留意した点は、比較する複数の行動課題のあいだで、感覚・運動の条件を一定にすることである。たとえば、動機づけについて調べる場合、課題Aは動機づけ(+)、課題Bは動機づけ(-)の条件を満たすものとするが、感覚・運動の条件は同一にする。あるニューロンが課題Aで活動し、課題Bで活動しない場合、その活動は動機づけに関係することが推測される。以下の3項目について行動課題のセットを考案した。光刺激を使った眼球運動課題を共通する感覚・運動の条件とし、報酬の量や学習の程度を変えることによって、動機づけなどの心的プロセスの関与の程度を実験的に操作することを可能にした。次に、被験者(マカクサル)がこれらの課題を遂行しているときに、大脳基底核を中心とする領域から単一ニューロン活動を記録した。具体的には、大脳基底核の尾状核、黒質網様部、黒質緻密部から、また、大脳皮質前頭葉の背外側部の単一ニューロン活動を記録した。これらのどの領域のニューロンが、感覚・運動プロセスと心的プロセスに特異的に対応する活動を示すのかをまず明らかにした。この課題(1DR)では、4方向のどれかに将来のサッカードの方向を示す予告刺激が与えられるが、そのうちの1方向に予告刺激が与えられたときにだけサッカードの後に報酬が与えられる。尾状核のニューロンの多くは、通常、反対側視野に呈示された予告刺激にたいして視覚応答を示す。1DR課題では、同じニューロンがその視覚応答性を大きく変化させ、特に将来の報酬を示す予告刺激にたいして強く反応するようになった。この結果から、大脳皮質・線条体結合のシナプス効率が報酬条件によって可塑的な変化をすることが示唆された。

11.キーワード

(1)大脳基底核、(2)大脳皮質前頭葉、(3)眼球運動
(4)単一ニューロン活動、(5)報酬、(6)動機づけ
(7)学習、(8)ドーパミン

12.研究発表(印刷中も含む)

[雑誌論文]
著者名 論文標題
Rand MK Characteristics of sequential movements during early learning period in monkeys.
雑誌名 発行年 ページ
Exp Brain Res 131 2000 293-304

著者名 論文標題
Sakai K What and when: parallel and convergent processing in motor control.
雑誌名 発行年 ページ
J Neurosci 20 2000 2691-2700

著者名 論文標題
Lauwereyns J Interference from irrelevant features on visual discrimination by macaques (macaca fuscata) : a behavioral analogue of human stroop effect.
雑誌名 発行年 ページ
Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes 26 2000 352-357

著者名 論文標題
Hikosaka O Role of the basal ganglia in the control of purposive saccadic eye movements.
雑誌名 発行年 ページ
Physiol. Rev 80 2000 953-978


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