平成12年度未来開拓学術研究推進事業研究成果報告書概要



1.研究機関名 岡崎国立共同研究機構
 
2.研究領域 生命科学
 
3.研究分野 高次脳機能
 
4.研究期間 平成8年度〜平成12年度
 
5.研究プロジェクト番号 96L00202
 
6.研究プロジェクト名 大脳皮質における視覚認知のメカニズム

7.プロジェクト・リーダー
プロジェクト・リーダー名 フリガナ 所属部局名 職名
小松 英彦 コマツ ヒデヒコ 生理学研究所 教授

8.コア・メンバー

コア・メンバー名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
伊藤 南 イトウ ミナミ 岡崎国立共同研究機構・生理学研究所 助教授
花澤 明俊 ハナザワ アキトシ 岡崎国立共同研究機構・生理学研究所 助手
小川 正 オガワ タダシ 岡崎国立共同研究機構・生理学研究所 助手

9.研究協力者

研究協力者名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
村上 郁也 ムラカミ イクヤ 岡崎国立共同研究機構・生理学研究所 非常勤研究員
木下 正治 キノシタ マサハル 岡崎国立共同研究機構・生理学研究所 リサーチアソシエイト
鯉田 孝和 コイダ コウワ 岡崎国立共同研究機構・生理学研究所 リサーチアソシエイト

10.研究成果の概要

1.色情報処理に関して、サルの大脳皮質一次視覚野(V1)において錐体信号の非線形な処理が行われて、色相や彩度に鋭い選択性をもつ細胞が形成されることを示した。この結果は高次の視覚領野でみられる特定の色に対する選択性の形成に、V1が重要な役割を果たしていることを示している。2.ヒトと相同な色覚をもつマカクザルにおいて色盲個体を初めて同定した。これらの個体から網膜電図を記録し、赤色光に対する感度が正常個体に比べて、極めて低いことを確認した。3.V4野に物体表面の微小な3次元テクスチャに特異的に応答するニューロンが存在することを見い出した。これらのニューロンは微小な陰影パターンからなるテクスチャ刺激に反応し、要素パターンの密度や大きさ、陰影の方向に選択性を示した。最適な陰影方向の分布はヒトにおける陰影からの三次元知覚に対応した片寄りが見られた。V4野は微小な陰影からなる表面テクスチャの知覚に関係していると考えられる。4.運動からの三次元構造知覚に関して、サルのMST野ニューロンが動きによって作られる面の傾きを系統的に表現することを見い出した。これらのニューロンは運動面刺激に含まれるさまざまな方向や速度の情報を統合しており、MST野が動きの情報にもとづく物体の構造認知に関係する可能性を示している。5.盲点には視覚入力が存在しないにもかかわらず、V1の盲点を表現する領域で充填知覚時に活動が生じていることを見い出した。さらに異なる空間特性をもつニューロングループの活動の差によって、盲点をおおう刺激の内容が表現されている可能性が示された。6.V1に一様な面の内部の輝度の情報を表現するニューロンが存在し、その一部は周辺の刺激の輝度により活動が変化し、面の明るさ知覚に対応した活動変化を示すことを見い出した。この結果は、V1で明るさ知覚に関係する輝度情報の空間的な統合が行われることを示している。

11.キーワード

(1)視覚、(2)大脳皮質、(3)サル
(4)知覚、(5)色覚、(6)テクスチャ知覚
(7)運動視、(8)充填知覚、(9)認知

12.研究発表(印刷中も含む)

[雑誌論文]
著者名 論文標題
Komatsu, H. Mechanisms of central color vision.
雑誌名 発行年 ページ
Current Opinion in Neurobilogy 8 1998 503-508

著者名 論文標題
Onishi. A. et al Dichromatism in macaque monkeys.
雑誌名 発行年 ページ
Nature 402 1999 139-140

著者名 論文標題
Kondo, H. and Komatsu, H. Suppression on neuronal responses by a metacontrast masking stimulus in monkey V4.
雑誌名 発行年 ページ
Neuroscience Research 36 2000 27-33

著者名 論文標題
Hanazawa, A. et al Neural selectivity for hue and saturation of colour in the primary visual cortex of the monkey.
雑誌名 発行年 ページ
European J. Neuroscience 12 2000 1753-1763

著者名 論文標題
Komatsu, H. et al Neural responses in the retinotopic representation of the blind spot in the macaque V1 to stimuli for perceptual fining - in.
雑誌名 発行年 ページ
J. Neuroscience 20 2000 9310-9319

著者名 論文標題
Hanazawa, A. and Komatsu, H. Influence of the direction elemental luminance gradients on the responses of V4 cells to textured surfaces.
雑誌名 発行年 ページ
J. Neuroscience   2001 in press

[図書]
著者名 出版者
Komatsu, H. Harwood academic publishers
書名 発行年 総ページ数
Neural representation of color in the inferior temporal cortex of the macaque monkey. in: The Association Cortex-Sfrucfure and Functions 1997 pp269-280

著者名 出版者
Komatsu, H. Cambridge University Press
書名 発行年 総ページ数
The physiological substrates of color constancy. In: Perceptual Constancy 1998 pp352-372


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