平成12年度未来開拓学術研究推進事業研究成果報告書概要



1.研究機関名 京都大学
 
2.研究領域 理工
 
3.研究分野 高度プロセス
 
4.研究期間 平成8年度〜平成12年度
 
5.研究プロジェクト番号 96P00302
 
6.研究プロジェクト名 未来型不斉反応プロセス

7.プロジェクト・リーダー
プロジェクト・リーダー名 フリガナ 所属部局名 職名
林 民生 ハヤシ タミオ 大学院理学研究科 教授

8.コア・メンバー

コア・メンバー名 フリガナ 所属研究機関名・所属部局名 職名
富岡 清 トミオカ キヨシ 京都大学・大学院薬学研究科 教授
飯田 彰 イイダ アキラ 京都大学・大学院薬学研究科 助教授
魚住 泰広 ウオズミ ヤスヒロ 京都大学・大学院薬学研究科 講師

9.研究協力者

10.研究成果の概要

触媒的不斉合成プロセスは、原理的に極小量の反応剤が無限の光学活性化合物を供給し得る高度プロセスといえる。高度の成熟した触媒プロセスが省エネルギーかつ環境調和プロセスと直結し得ることは言うまでもない。本高度プロセス「未来型不斉反応プロセス」では、従来の概念や既存の反応の利用・組み合わせによる光学活性化合物の合成ではなく、新しい概念の確立とそれに立脚した高効率不斉反応プロセスの開発を目指した。これまで不斉水素化に代表される不斉還元や不斉エポキシ化などの不斉酸化では比較的効率の高い触媒的な不斉反応プロセスが知られているが、不斉炭素−炭素結合形成反応では一般性・汎用性ある触媒的不斉化学プロセスの例は少ない。本研究ではこのような炭素−炭素結合形成反応に着目し研究を行い、以下に示すいくつかの新規不斉触媒反応の開発に成功した。1) ロジウム触媒不斉1、4−付加反応。2) ロジウム触媒を用いたイミンの不斉アリール化反応によるジアリールメチルアミンの不斉合成。3) パラジウム触媒不斉アリル位置換反応による軸不斉アレンの合成。4) パラジウム触媒不斉クロスカップリング反応。5) ジエーテルまたはアミノエーテル配位子を用いる有機リチウム類のイミンへの触媒的不斉付加反応。6) リチウムエノラートのイミンへの触媒的不斉付加反応。7) チオール類の触媒的不斉マイケル付加反応。このような触媒的不斉合成の実現は、有機合成化学、有機金属化学、錯体化学、触媒化学など広範な学問分野の集大成によって初めて成し遂げられたものであり、ここで得られた成果は光学活性化合物の効率の良い合成法を提供するばかりでなく、これらの分野へのフィードバックによりそれぞれの分野の発展に大きく貢献したものと考えている。

11.キーワード

(1)不斉合成、(2)触媒、(3)光学活性化合物
(4)ロジウム、(5)パラジウム、(6)エノラート
(7)ホスフィン配位子、(8)ジエーテル配位子、(9)アミノエーテル配位子

12.研究発表(印刷中も含む)

[雑誌論文]
著者名 論文標題
林民生 Retention of Regiochemistry of Allylic Esters in Palladium-Catalyzed Allylic Alkylation in the Presence of a MOP Ligand
雑誌名 発行年 ページ
J. Am. Chem. Soc. 120 1998 1681-1687

著者名 論文標題
林民生 Rhodium-Catalyzed Asymmetric 1, 4-Addition to 1-Alkenylphosphonates
雑誌名 発行年 ページ
J. Am. Chem. Soc. 121 1999 11591-11592

著者名 論文標題
林民生 Rhodium-Catalyzed Asymmetric Arylation of Imines with Organostannanes. Asymmetric Synthesis of Diarylmethylamines
雑誌名 発行年 ページ
J. Am. Chem. Soc. 122 2000 976-977

著者名 論文標題
林民生 Chiral Monodentate Phosphine Ligand MOP for Transition-Metal-Catalyzed Asymmetric Reactions
雑誌名 発行年 ページ
Acc. Chem. Res. 33 2000 354-362

著者名 論文標題
林民生 Rhodium-Catalyzed Asymmetric Conjugate Addition of Organoboronic Acids to Nitroalkenes
雑誌名 発行年 ページ
J. Am. Chem. Soc. 122 2000 10716-10717

著者名 論文標題
小笠原正道 Palladium-Catalyzed Asymmetric Synthesis of Axially Chiral Allenes: A Synergistic Effect of Dibenzalacetone on High Enantioselectivity
雑誌名 発行年 ページ
J. Am. Chem. Soc. 123 2001 2089-2090

著者名 論文標題
藤枝弘樹 A Temary Complex-Reagent for an Asymmetric Reaction of Lithium Ester Enolates with Imines
雑誌名 発行年 ページ
J. Am. Chem. Soc. 119 1997 2060-2061

著者名 論文標題
西村克巳 Steric Tuning of Reactivity and Enantioselectivity in Addition of Thiophenol to α, β-Unsaturated Esters Mediated by a Chiral Ligand
雑誌名 発行年 ページ
J. Am. Chem. Soc. 119 1997 12974-12975

著者名 論文標題
水野雅 The Asymmetric Horner-Wadsworth-Emmons Reaction Mediated by an External Chiral Ligand
雑誌名 発行年 ページ
Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 37 1998 515-517

著者名 論文標題
神原武志 Formal Asymmetric Synthesis of Cholesterol Absorption Inhibitor Bearing 2-Azaspiro[3.5]nonan-1-one Moiety
雑誌名 発行年 ページ
J. Org. Chem. 64 1999 9282-9285

著者名 論文標題
藤原秀豪 Copper-Amidophosphine Catalyst in Asymmetric Addition of Organozinc to Imines
雑誌名 発行年 ページ
J. Am. Chem. Soc. 122 2000 12055-12056

著者名 論文標題
西村克巳 Catalytic Enantioselective Protonation of Lithium Ester Enolates Generated by Conjugate Addition of Arylthiolate to Enoates
雑誌名 発行年 ページ
Angew. Chemie Int. Engl. 40 2001 440-442

[図書]
著者名 出版者
林民生 講談社
書名 発行年 総ページ数
Asymmetric Synthesis. Graphical Abstracts and Experimental Methods 1998 396

著者名 出版者
林民生 Springer
書名 発行年 総ページ数
Comprehensive Asymmetric Catalysis; pp 319-333; 351-364; 887-907 1999 1479

著者名 出版者
富岡清 Springer
書名 発行年 総ページ数
Comprehensive Asymmetric Catalysis; pp 1105-1142 1999 1479

著者名 出版者
富岡清 Wiley
書名 発行年 総ページ数
Modern Carbonyl Chemistry; pp 491-505 2000 603


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