人類の福祉にかかわるすぐれた物質の創成と制御された生成プロセス、さらに大量供給を求められる物質については、省資源、省エネルギーさらに環境調和型の洗練された科学変換プロセスの開拓が焦眉の急である。エコケミストリー(Eco-Chemistry)の視点にもとづく産業技術なくしては人類の生存はありえない。今日、多くの人工合成物質は、使用法をも含めて経済性や技術的難易度等を勘案した妥協の産物であり、また製造と変換プロセスも論理的理想からは程遠い迂回プロセスであることが多い。時としてある種の化学物質が自然環境に対して好ましからざる影響をもたらすことは甚だ遺憾であるが、それは同時にその力量と必要性の大きさの裏返しでもある。
本分野は、今後の化学工業の存続と発展の根幹にかかわるものといえる。本事業においては、省資源、省エネルギー、環境調和型を重視した高度に制御された物質生成プロセスと高効率かつクリーンな物質変換プロセスにかかわる基礎的研究を重点的に推進する。