「血管新生」は、血管という一特殊器官の発生分化としてのみならず、各種臓器・組織の形態形成において、血管化が重要な役割を果たしていることからも、きわめて普遍的な発生学的テーマとして捉えられ、その分子機構の解明は国際的にも注目され、生命科学の進展に大きな波及効果が期待される。さらに、血管新生は多くの疾患の病態形成においても重要な役割を果たしており、血管細胞生物学としての本研究は、血管再生や血管新生制御を目標とする新規治療戦略を開発するための基盤研究としても、臨床的に重要な意義を有している。
こうした背景のもとに、
- 血管細胞の発生学的由来とその分化決定機構を明らかにする。
- 血管細胞の分化に伴う血管新生および形態形成の機序を分子レベルで解明する。
- 臓器特異性等の観点から、血管形成の制御機構を明らかにする。
- 血管形成や機能発現に関する細胞内シグナル伝達機構とその病態生理的意義を明らかにする。
- 血管新生およびその制御を利用した、癌や糖尿病性血管障害(網膜症、腎症、神経症等)の新規治療戦略を開発する。
このような5点を目標に、研究過程で得られた成果が広く用いられるように、積極的に研究を推進する。