未来開拓学術研究推進事業

(複合領域-8)

強磁場下の物質と生体の挙動

(研究推進委員長: 北澤 宏一  科学技術振興事業団専務理事)


 生体への電磁場の効果、水や非磁性生物に対する磁気効果などに典型的に見られるように、磁場の効果(交番電磁場を含む)に関しては古くからその真偽性が問題とされ、しかしながら、広く普及する技術として展開され、あるいは逆に、規制の対象として社会的にも議論されきた。

 近年、未解決であったこの問題に科学的で実証的なメスが入れられるようになった。その一つは容易に強力磁場を得る装置が我が国で先駆的に開発され、実証的な実験環境条件が整いつつあること、第二に従来学問において見落とされていた磁気効果のいくつかのメカニズムがやはり我が国で発見解明され、従来の非科学性に実証的科学の糸口が与えられつつあるからである。また、メカニズムの分ったものについては効果を増幅し、積極的に応用しようとする気運も出てきた。一方において、電磁場利用が生活・労働環境周辺で普及するにつれ、その生体影響などのメカニズム理解が社会的要請としてもクローズアップされている。

 従来の電磁気学の範疇に属さなかった、このような強磁場下の物質と生体の挙動に関する新しい胎動は、応用においては、薬品を使わないクリーンなプロセス・処理方法としても注目される。本研究は非磁性物質から生体に至る幅広い対象に対して、磁気とそれに付随する電磁場効果の科学的な機構解明を推進し、その成果に立って新たな応用を提起する。さらに、広く普及する電磁場環境が社会に与える不安に鑑みて、その科学的根拠を学問として明らかにする。関連分野としては、生体の関わる老化現象、遺伝子の変化と修復、方位認識、光合成、代謝、また、物質プロセスに関して磁気浮揚、磁気送風、反応設計、分離精製、磁性流動、反応速度制御、完全結晶合成、電磁金属処理、高分子配向、廃棄物処理などがある。

(平成11年度開始) 
 
研究プロジェクト一覧 研究推進委員会
JSPS日本学術振興会