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- プロジェクトの評価と今後の取扱いについて
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- 今回中間評価の対象となった117件のプロジェクトの進捗状況および成果に対する評価としては、「研究の進展が著しく、予想を超える成果が期待できる」もしくは「研究は概ね順調であり、成果が期待できる」と評価されたものが全体の多数を占めた。しかし、「研究の実施状況について検討すべき点が少なくない」と評価されたプロジェクトも相当数あった。
過去2年間の進捗状況等の評価をもとに、プロジェクトの今後の取扱いを審査した結果、「研究の更なる発展が期待でき、計画の拡充を含め特に推進すべきである」もしくは「予定どおりに推進することが望ましい」と判断されたプロジェクトが7割近くにのぼったが、「研究の焦点を明確にして重点化を図る必要がある」と判断されたプロジェクトも多く、少数ではあるが「進捗状況に鑑み、一部縮小・廃止等の変更が必要である」ものも見られた。
個々のプロジェクトの研究計画、研究内容・方法等について、評価委員等から個別に提示されたより詳細なコメント等については、これらを取りまとめプロジェクトリーダー等へ別途伝えることとしているが、以下、審査において特に付された意見、留意を要すると指摘された事項等について述べる。
- 理工領域
次世代人工物質・材料の探査的研究
予定どおり推進することが望ましいと評価されたプロジェクトが多かったが、プロジェクト番号4は、基礎研究としての価値は認められるが、未来開拓としては応用に関する目標を明確化し、重点化を図る必要があると指摘された。
原子スケール表面・界面ダイナミクス
プロジェクト番号5は、研究目的と関係のない仕事も入り、個々の研究の寄せ集めのような感があり、研究の焦点を明確にして重点化を図る必要性が指摘された。また、番号6はテーマの多くが表面・界面ダイナミクスとは余り関係がなく、グループやテーマにまとまりがなくプロジェクトとしての成果が見えないことから、進捗状況に鑑み、一部縮小・廃止等の変更が必要であるとされた。
高度プロセス
全てのプロジェクトについて予定どおり推進することが望ましいと評価された。
次世代プロセス技術
プロジェクト番号3は現時点で必要なサイズの量子ドットが必要な条件の下で得られておらず、今後の研究計画でも得られるための改良手法が示されていない。各種のドット生成の手法が並列的に実施されていて目標達成の手段としての決め手がないように思われることなどの指摘があり、研究の焦点を明確にして重点化を図る必要があると判断された。また、番号5は、研究報告書、計画書の記載が一般的で抽象的であるために研究内容、成果が読み取れないことからヒアリングが行われたが、進捗状況に鑑み、一部縮小・廃止等の変更が必要であると評価された。
知能情報・高度情報処理
プロジェクト番号3は、3つのサブテーマの研究グループ間で連携を取り、まとまった成果が得られるよう研究計画の見直しが必要である。
マルチメディア高度情報通信システム
プロジェクト番号3は衛星通信回線の使用が有料化されたため、研究の遅れが出ているが、ヒアリングの結果、有用な研究が期待されることから、必要な経費増は認め、主要な研究テーマの追求に主力を注ぐことが望まれると判断された。
シンセシスの科学
プロジェクト番号2は最適化で解が求められるシンセシスの問題に関して多くの研究が行われているが、より一般的な情況でのシンセシス方法論の確立が求められた。また、番号3は現在の研究成果及び進捗状況が研究推進委員会が意図するものと合致しているようには思われないことから、研究推進委員会がこのプロジェクトの縮小・改廃を含め指導する必要があると評価された。
マイクロメカトロニクス・ソフトメカニクス
プロジェクト番号4はハードウエアを多数作ってはいるが、方法論の確立、研究成果の独創性と言う面から、もう少し研究の焦点を明確にし重点化を図ることが望ましいと評価された。
- 生命科学領域
ヒトゲノム
国際的にも国内的にも競争の激しい分野であり成果を出すのに時間がかかる。本事業としての特色を出し何を目指すのかという視点を明確にする必要がある。また、プロジェクト番号1と2とが重複しないよう留意すべきである。
高次脳機能
プロジェクト番号6は研究の拡充も含め特に推進すべきであると評価された。
細胞シグナリング
プロジェクト番号4及び7は特に推進すべきと評価されたが、番号3、9及び10は個別ヒアリングも行われた結果、国際レベルにふさわしい成果を挙げていないことから、一部縮小・廃止等の変更を行うべきと評価された。
生命体の形成機構(生殖、発生など)
発表論文数が多くても一流誌への掲載が少ない、研究組織のメンバーの組み替えや予算の再配分が必要であるなどの指摘もあった。また、プロジェクト番号1、4、5及び7は、研究の焦点を明確にして重点化を図る必要があると評価された。
生体分子の構造と機能調節(構造生物学と機能分子)
プロジェクト番号4はタンパク質の精製や構造解析で計画が未達成であり、また、番号5はシグナル研究と構造生物学的研究との整合性を示してほしいとの指摘がなされた。
植物の環境応答機構とバイオテクノロジー
5件のプロジェクトについて予定どおり推進することが望ましいと評価されたが、よりインパクトの高い国際誌への論文発表がなされることを希望する。
- 複合領域
生命情報
プロジェクト番号1は分子の反応により計算を行うコンピュータの可能性を、新しい計算モデルとその実現方法を提示することにより示しており、複雑な組合せ最適化問題の解を与える分子コンピュータの設計に成功していると評価された。番号2は現在までの進捗状況からは、研究目的を達成する方向の成果が認められないと判断され、研究の焦点を明確にして重点化を図るか、又は研究内容の一部縮小・廃止等の変更が必要であると評価された。
再生医工学
研究は概ね順調に進んでいるが、プロジェクト番号2、3及び4は研究を総花的でなく絞り込み、国際的にも競争できるようにすることが望ましいと評価された。番号5は米国の研究の後追いのみにならず独創性を出してほしいという意見があった。
生命科学と化学的手法の融合による新有用物質生産
特許などを多く取れることが期待されるが、民間企業におけるリード化合物探索研究と重複しないよう、独自性、先見性を持つ必要がある。プロジェクト番号3は特に推進すべきと評価された。また、番号5及び6は重複しており、研究推進委員会のリーダーシップのもとに一体化して全面的に再編成することが望まれる。
- 産学協力研究委員会関係
19件のプロジェクトすべてに対しヒアリングが行われた。その結果、プロジェクト番号2、6及び9は、研究の更なる発展が期待でき、計画の拡充も含め特に推進すべきであると評価された。他方、番号16は既存設備等の有効活用を図り、経費の絞り込みを図ること、また、番号3及び15は計画を見直し、研究グループの整備を図るとともに研究の重点化を行って必要経費を絞り込み、予算の立て直しを行うべきであると評価された。
各プロジェクトにかなり共通した問題として、産学協力研究委員会委員の多くがプロジェクトに参画し、その結果プロジェクトの構成が総花的となり、まとまりに欠けるケースが多いこと、産と学それぞれの研究開発能力の特徴を活かした役割分担を明確にし、研究の焦点を絞ること、及び若手研究者の積極的参加等が指摘された。
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