平成8年度開始分

中間評価の概要(平成8年度開始分)

平成11年4月21日

 未来開拓学術研究推進事業は、21世紀に向かって、地球規模の問題の解決、経済・社会の発展、豊かな国民生活の実現等に資する創造性豊かな学術研究を大学主導で重点的に推進するため、平成8年度から政府出資金により、日本学術振興会において実施しています。
 本事業発足当初より、研究開始から2年経過後に中間評価を、研究終了時(研究期間:原則5年間)に最終評価を行うことを予定しており、平成8年度開始の研究プロジェクト等について、研究評価委員会による中間評価を、平成10年度に初めて実施しました。
 その結果については、「未来開拓学術研究推進事業(平成8年度開始分)研究評価委員会「中間評価」報告書(平成11年3月)」に取りまとめられています。
 また、未来開拓学術研究推進事業委員会(委員長:江崎玲於奈 (財)茨城県科学技術振興財団理事長)では、当該中間評価結果を受けて、本事業の実施に当たり対応を図っています。
 その内容については、「未来開拓学術研究推進事業(平成8年度開始分)に係る「中間評価」結果への対応について(平成11年4月21日)」に取りまとめられています。
 本会では、上記の中間評価報告書とその対応について、平成11年4月21日に、文部省記者クラブに中間評価報告書等の資料を提供するとともに、本会が発行する「学術月報(平成11年6月号)」に掲載するなどし、公表しております。
 なお、中間報告書等をご希望の方は、本会研究推進課にお問い合わせください。
 以下、中間評価結果及びその対応についての概要を紹介します。


     

  1. 中間評価の特色
  2.  本事業の趣旨を鑑み、次の事項に配慮するとともに本事業の重要性並びに期待感を認識し、慎重且つ客観的に評価を行った。

    1. 研究プロジェクトを企画立案し、必要な助言・支援及び評価を行う研究推進委員会並びに産学協力研究委員会の活動も評価の対象とした。
    2. 評価者には、第一線級の研究者並びに産業界においてリーダー的な立場にある方々を評価委員として高度な水準の評価とした。
    3. 研究プロジェクト評価においては、研究期間終了時に研究目的が達成出来るよう、2年経過後の研究の進捗状況を中心として評価を行った。

     中間評価を受けた結果、約4分の1の研究プロジェクトについて、研究内容を明確にし、重点化を図る等の改善を行った。
     

  3. 中間評価の実施方法
    1. 実施主体
       未来開拓学術研究推進事業研究評価委員会(委員長 長倉三郎:神奈川科学技術アカデミー理事長、委員37名)において、評価協力者71名の協力を得て実施。

    2. 評価対象
       平成8年度開始の研究プロジェクト117件の進捗状況、並びに、これを推進する立場にある研究推進委員会17及び産学協力研究委員会17の活動状況を中心として評価。

    3. 評価の方法
      1. 研究プロジェクトリーダーの研究状況等報告書、研究推進委員会等の活動状況等報告書に基づく書面評価
      2. 研究推進委員長等からのヒアリング
      3. 評価委員会の判断により、研究プロジェクトの現地調査又はプロジェクトリーダー等からのヒアリング
      4. 中間評価報告書の作成

    4. 評価の実地状況
      平成10年7月
      中間評価作業の開始
      平成10年12月
      評価委員会から、研究推進委員会等及び研究プロジェクトに対して個別に提示されたコメントの研究推進委員長等への提示
      平成11年3月
      中間評価報告書を未来開拓学術研究推進事業委員会へ提出
      平成11年4月
      未来開拓学術研究推進事業委員会において、中間評価結果に対する対応の取りまとめ
     

  4. 「中間評価報告書」の概要
  5.  研究評価委員会からは、本報告書には厳しい指摘も含まれているが、本報告書が有効適切に活用され、本事業のさらなる発展に貢献することを期待すること、また、率直な討論とそれに基づく試行錯誤を通じて、我が国の風土に適した評価方法を確立することも本事業の重要な課題であるとして、大要、次のような指摘があった。

    1. 研究推進委員会等の活動について
       当該分野の研究推進の構想・方策の立案等の活動については、概ね妥当とされた委員会が大半を占めたが、研究推進委員会等によるプロジェクトの評価結果については甘いものが多く、改善が求められる。

    2. プロジェクトの評価と今後の取り扱い
       今回、評価対象となった117件のうち、8件はさらなる発展が期待でき特に推進すべき、31件については研究の焦点を明確にして重点化を図る等の改善が望まれる。

    3. 事業全体について
       プロジェクトの選定方法について、本事業のトップダウン方式の長所は活かしつつ、多くの候補の中から外部の専門家の協力を得て選定する方法、フィージビリティスタディを行うなど、より客観的な事前評価を加えることが望まれる。
       また、研究期間については、柔軟に期間設定することへの配慮も求められる。
       本事業の性格に鑑み、いわゆる班研究形式や総花的なプロジェクトは避けることが望まれる。
       研究推進委員会による評価の客観性確保のため、研究推進委員がプロジェクトリーダーを兼ねることは避ける等の方策が求められる。
       また、産学協力研究委員会についても、より客観的な評価体制の整備が望まれる。


  6. 「中間評価結果への対応」の概要
  7.  事業委員会においては、研究評価委員会が、短期間のうちに、極めて適切かつ周到な評価を実施していただいたとして、次のような対応を取りまとめた。

    1. 研究推進委員会等について
       2つの研究推進委員会では、プロジェクトリーダーを兼ねる委員を交代。
       他の委員会でも、評価には外部の専門家の協力を得るなど、必要な改善を速やかに実施。

    2. プロジェクトについて
       特に推進すべきとされたプロジェクト8件については、研究計画等を拡充。
       改善が望まれるとされたプロジェクト31件及び評価委員会からの個別コメントで改善の提言のあったプロジェクト5件については、指摘の趣旨に添った見直しを行うなど、新たな研究方針の下に研究の推進を図ることを徹底。改善が望まれるとされたプロジェクト31件のうち、2件については、一体的に推進するため一つのプロジェクトに再構築。
       なお、指摘の趣旨が研究当事者の見解と異なるケースについては、評価委員との意見交換の機会を設ける予定。

    3. 事業全体について
       平成9年度以降設置の研究推進委員会では、研究推進委員とプロジェクトリーダーの重複は基本的に避けている。研究推進分野の状況により、今後、兼ねることが不可欠である場合、役割や機能を明確に定め、評価に支障や誤解が生じないよう留意。
       プロジェクトの選定については、それぞれの分野の性格等に照らし、最も適切な選定方法を採ることが肝要であり、選定理由、選定方法等を今後一層明瞭に提示。
       また、プロジェクトメンバーについては、研究実施体制を考慮し、適正な規模で組織。
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