2015年3月1日東京国際フォーラムにおいて、ノーベル・プライズ・ダイアログ東京 2015が、日本学術振興会とノーベル財団（ノーベル・メディアAB）で共同開催されました。ノーベル賞受賞者を含む世界を代表する科学者・有識者が生命科学の進展とそれが現在・未来の私たちの社会に何をもたらすのかについて、活発な議論と対話を行いました。
   ノーベル・プライズ・ダイログ東京 2015はスウェーデンで2012年より毎年ノーベル賞受賞式の時期に開催されている「ノーベル・ウィーク・ダイアログ」を海外で行うもので、スウェーデン国外では今回日本が初めての開催となりました。このイベントは、示唆に富む講演や分科会、パネル・ディスカッションによって構成され、ノーベル財団（ノーベル・メディア）および日本学術振興会（ＪＳＰＳ）との共同主催により開催されました。
   ノーベル・プライズ・ダイアログ東京 2015は、学術に対する社会の関心・理解度を高め、学術の振興に奇与することを目的として、最先端の科学的テーマについて国内外から招いたノーベル賞受賞者と対話し、議論する場を創造することを目指すものです。この画期的なイベントには約800人の参加者が集まり、さらにこのイベントには開催当日にインターネットによるライブ中継により世界中の視聴者に届けられました。当日の全講演・ディスカッションの映像は、オンライン・ビデオによって引き続き視聴が可能となっています。
   https://www.youtube.com/user/nobelweekdialogue

ノーベル・プライズ・ダイアログ東京 2015では、7名のノーベル賞受賞者を含む様々 な分野で世界的に名高い科学者・有識者が講演者・パネリストとして参加し、彼らは一日を通して16の様々なセッションで議論をリードし、参加者と対話を行いました。

   「遺伝子組み替えは世界の食を救えるのか」「将来、人間の身体は合成できるようになるのか」「近代遺伝学は絶滅を防ぐことができるのか」これらは今日言われている疑問のほんの一部です。

   ダイアログのテーマは、「生命科学が拓く未来（The Genetic Revolution and Its Future Impact）」です。近年、遺伝学やゲノム科学についての研究が発展を遂げ、それらの成果の社会への応用が様々な形で着実に広がってきています。これら遺伝学、ゲノム科学をはじめとする生命科学の発展が、現在、未来の私たちの社会に何をもたらすのでしょうか？このダイアログにおいて、鍵となるトピックには、例えばiPS細胞研究の医療への応用やオーダーメード医療、遺伝子組換え生物、さらには人類の進化なども含まれるでしょう。また、アジアにおける生命科学と他分野の融合研究などの新たな展開について焦点を当てたパネル・ディスカッションも行われました。